これからも前向きに 名大社会長ブログ

「もしドラ」を読んでしまった。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
(2009/12/04)
岩崎 夏海

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絶対読むことはないだろうと思っていた。
あまりにも売れすぎたため、流行に乗っているようにしか思えなかったし、ドラッカー本を直に引き続き読めば事足りると考えていたからだ。
しかし、正直なところ、気になってもいた。どれだけ感動するのかと・・・。そんな時、偶然入ったBOOKOFFで見つけて、あっさりと手に取ってしまった。
題材となる「マネジメント」は数年前に読んでいて、その重要性も理解していたつもり。だが、かなり抜け落ちているのも事実。一度読んだだけでは文字として頭の中に入りきるわけではないし、実践においても十分機能を果たすわけではない。
本書は到底あり得ないストーリーを非常にわかりやすく描いている。よくある青春ものの変化球だ。
物書きを本職としている方にとって、この売れ行きの凄さは許しがたい事実かもしれないが、結局はマーケットが判断するのだから仕方ない。マーケティングの勝利と言っていいだろう。
実際僕も面白おかしく一気に読んでしまった。
そして、思った。本来は本書を読んだ後、「マネジメント」を手にすることを想定しているのだろうが、その逆もありかと・・・。「マネジメント」に書かれていることを思い出しながら、読み進める。読後に再度読んでみる。そんな読み方をすれば、より吸収もできるだろうと。
僕も「マネジメント」を一度読んだだけでは全てを理解するのは無理。もう一度、いや、もう何度か読んでみよう。いいきっかけとなった本である。

薬師丸ひろ子と長回し

先週「ALWAYS三丁目の夕日64」を観た。
昭和の風景が一層の涙を誘う素敵な作品であった。この映画の冒頭のシーン。子供が飛ばした飛行機が街を駆け抜け東京タワーのてっぺんまで届く一連のシーンがワンカットで撮られている。
通常の撮影ならあり得ないが、VFX技術を駆使して見事な映像に仕上がっている。このシーンを観ながら、すごい長回しだと感じ、相米慎二監督を思い出した。
長回しを多用して有名なのが相米監督で、その彼のデビュー作が「翔んだカップル」
主役は「三丁目の夕日」のお母さん役である薬師丸ひろ子である。何という偶然・・・。長回しで繋がっていたのだ。(かなり強引だな・・・)
僕は薬師丸ひろ子の一番魅力的な作品は「セーラー服と機関銃」や「Wの悲劇」ではなく、「翔んだカップル」だと思っている。
演技力であるとか作品のクオリティで言えば別の作品だろうが、「惚れてまうやろ~」というべき作品は、やはり「翔んだカップル」。
鶴見辰吾扮する田代勇介と薬師丸ひろ子扮する山葉圭の最後の絡みの長回しは何とも切ない名シーンである。
最後に見たのは20年以上前で(もっと以前に何回も観ている)、記憶も薄れているし、感受性も今とは随分違うと思うが、ときめいていたのは間違いない。
その映画に出演していた先の二人も尾美としのりも石原真理子も今は40代後半だから、かなりのオッサンオバサン。
みんな歳を取ってしまったが、薬師丸ひろ子は今でも輝いている。日本の正しいお母さんを見事に演じ、「三丁目の夕日」のハマリ役になっている。
高校生の役とお母さんの役。
それが長回しという共通点で、一人の女優の存在感を際立たせている。
興味のない人にはどうでもいい話だが、今回観た映画で僕がふと思ったことだった。
「翔んだカップル」をもう一度観てみたい。
TSUTAYAにあるかな・・・。

車を買わねば・・・。

昨日は、トヨタ自動車の元社長で現在は日本経団連の副会長を務める渡辺捷昭氏の話を伺う機会を頂いた。
(最近、ビッグな方に伺うケースが多いです。)
タイトルは「環境の変化と企業の対応」。自動車産業のこれからと元気な日本を創り上げるために行うことの2つをテーマにしている。
トヨタ自動車のお膝元である愛知県。この世界を代表する自動車メーカーの存在なくしては地域を語ることはできない。リーマンショック時のこの地域に与えた影響は全業種に行き渡り、その影響力の大きさをまざまざと感じたのも記憶に新しい。いやあ、本当に大変な時期だった。
渡辺氏は今後の自動車業界が担う役割とその方向性において明確にされていた。
環境とエネルギーがキーワードであり、トヨタとしてもPHVへの取り組み、他メーカーも電気自動車へのシフトを例に挙げ、サステナビリティな存在を強調されていた。
そして、目指すのは大胆なもの。走れば走るほど空気がきれいになる、満タンで世界一周ができる、交通事故がゼロになる、自動車に乗ると健康になるという理想的な生活を描かれていた。
将来的にはそんな時代が来るのかもしれない。
しかし、現状の国内を見てみると自動車の販売台数は減り続け、1990年に778万台あった販売台数が2011年には420万台に減少しているという。日本国内の生産台数は1000万台あるにも関わらず、半分以下しか売れていないというのだ。
新興国が伸びている反面、国内需要は減少の一途を辿っている。景気の変動と関係があるとは言えないのだ。
この講演のタイミングがいいかどうかはわからないが、自家用車がガタがきて、ちょうど買い替えを考えていたところ。
あと一度車検を通そうという考えもあったが、渡辺氏の話を伺った後では、そうするわけにはいかない。少しは自動車販売台数が伸びるよう貢献もしないといけないだろう。渡辺氏に背中を押して頂いたと解釈した。
今、日本では1.7人に一台所有する成熟期なので、買い替えしか車の販売台数が伸びる要素はない。年度末に向けディーラーに交渉しながら、車を探っていこう。
ブログを書いているうちに、本来書くべき方向と大きくずれてしまった。もっと真面目なことを書こうと思っていたんだけど・・。本当は・・・。

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書) 大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書)
(2011/10/17)
沢田 健太

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就活ノウハウ本よりも本書の方が、よほど就職活動に役立つとは思うが、これを手にする学生は一体どれだけいるだろうか。
ここには正解が書かれていないため(厳密に言えば、内定獲得のテクニック)、学生にとっては魅力的な書籍ではないだろう。読者ターゲットも学生と置いていないだろう。
しかし、今の学生の現状を正確に著している本書こそ、学生が読みべきだと思うのだ。
就職活動をする上で、学生自身が自分を客観視することは少ない。目の前の厳しい現実を狭い視野で受け止めることしかできないのが、正直な姿だと思う。
実際に自分たちの進学率や歩んできたゆとり教育、キャリアセンターの役割を含め、彼らには責任はないのかもしれない。だが、責任逃れしたところで何の解決にも繋がらない。真摯に受け止め、何をすべきかを自分で考えるしかないのだ。
そのサポートをするのが我々の立場なのだが、上辺の行動に留まっていることも否定できない。役割としては十分ではないと自省しながら・・・。
本書を読み終えた後、これは嫁さんに読ませるべきだという思いに至った。
いずれ大学生を持つ親は読んでおくべきだと感じたのだ。ここ数年で大学の置かれる環境は大きく変わるだろうが、根本が変わることはない。
そうだとすれば、子供を持つ親は、何を教え、どう自立させるかが大きな責任となる。
先行きの不安感に対し短絡的に子供の将来を憂うのではなく、どう人生を学んでいくことが、明るい将来に近づけるのか、それを考えさせ、行動させるのが僕たち親の責任なのだ。親である自分たちも自らの行動を客観視し臨まなければならない。
新卒採用事業に関わる者としてよりも、一人の親としてどう子供と関わるべきかを考えながら読んだ一冊だった。

カバンに想いを詰める

鞄
この写真はエッティンガ―のブリーフケース。
パイピング(鞄の角っこの部分)が擦り切れていたので修理に出し、先ごろ戻ってきた。パッと見は修理したこと自体わからない。さすが修理屋さん。
ボロくなった鞄を修理に出して使用することに対して、セコいと思われるかもしれない(実際、セコいし・・・)。
そう思われても仕方ないが、僕にとっては大切な鞄なのだ。
このエッティンガ―のブリーフケースは、今から5年ちょっと前、会社の役員に昇格した自分へのご褒美として購入した。それまではせいぜい2~3万円の鞄だったのだが、思い切り奮発して買ったのだ。営業用の鞄は別に所有していたが、それ以外の場では通勤を含めこの鞄を愛用していた。
この5年間は実に様々なことがあった。どん底も経験させてもらった(いずれブログにも書かねば・・・)。今となってはいい経験とも言えるのだが、その当時はかなり辛かったし苦しかった。そんな苦楽を共にしたのが、この鞄。
そんなに酷使をしたとは思わないが、毎日使用すればくたびれてくる。多分、エッティンガ―もそんなハードな使い方をするようにはこの鞄を製造していないだろう。いつの間にかパイピングがボロボロになっていた。
さすがに見栄えが悪くなったので、最近は別のトートバックを使っていたが、パイピング以外は全く問題もないので、処分するわけにいかない。処分もしたくない。ずっと使い続けたいと思っていた。
調べたところ、完全修復とはいかないが、しっかりとした修理屋さんに出せば、何とかなることがわかった。修理するだけでもそれなりの金額がかかるのだが、そこはお金の問題ではない。
1ヵ月ほどの期間を経て戻ってきたのが、上記の写真だ。予想以上に上手く修理されている。感謝!
再びこの鞄と一緒に苦楽を共にする生活が始まった。
鞄の中身は大したことはないが、この鞄の中には僕のいろんな想いが詰まっている。いつまで付き合うことになるかはわからないが、1日でも長く付き合っていきたい。
これからもどうぞよろしく!

ダブルヘッダーの夜

月日の経つのは早い。気づけば2月で、昨日は節分。
夕方、クライアントから購入した恵方巻きを北北西に体を向けながら静かに食し、その後、その日の予定会場に出掛けた。
昨日は珍しくダブルヘッダー。
どうしても外せない2つの懇親会に参加したのである。
1月中旬までは夜の予定がほとんど入らず、比較的静かな日々を過ごしていた。その分、仕事が激務だったので、ちょうど良かったのかもしれない。
それが落ち着いた1月下旬あたりから、急激に夜の予定が埋まり始めた。先週は出張先の東京で毎晩だったし、今週もいくつかの飲み会に出席させていただいた。ありがたい事だ。
そして、昨日のダブルヘッダー。宴会が盛り上がり、二次会、三次会に出掛けるのは日常茶飯事だが、このようなケースはほとんどない。
一つ目は、大学同窓会の新年懇親会。
卒業して22年。このような場に参加することは一度もなかったが、いろんなお付き合いをさせて頂く中で、多くの方からお誘いを頂くようになり参加。総勢300名近い盛大な懇親会。
会が始まり、乾杯の発声までに要した時間は45分。少々長すぎた感もあったが、それだけ重責を担われた方がいらっしゃる証。OBである企業経営者、町長、県会議員、市会議員の方が多数参加されていた。素直に感心。クラブの先輩にも久々に再会もした。面倒に思うのも正直なところだが、こういった繋がりも大切にしなければならない。
1時間半程度で中座して、もう一つの懇親会へ。
普段お世話になっている税理士の先生が主催する新年会に途中から参加させて頂いた。名古屋の老舗のBarで開かれた会だが、そのBarの社長も懇意にされているようで出席。名古屋では一番といえる有名店で、いい機会を頂いた。
他にもラジオのパーソナリティやプロ野球コーチ夫人、女性経営者など顔触れは多彩。先生のネットワークの広さに驚くと共に、お誘い頂き同席できることに感謝。
こうして金曜の夜はあっという間に過ぎていった。過酷なスケジュールのような気もするが、誘っていただけるうちが花なので、これからもできるだけ夜の街を徘徊したいと思う。(表現がよくないか・・・)
ダブルヘッダーの夜。たまにはいいもんだ。

名古屋も大雪なのだ。

寒い。
本日の名古屋の最高気温は2度。最低気温ではない。最高気温なのだ。昨晩から名古屋の天候は雪と予測されていたのだが、朝起床するとその通り。自宅周辺も3センチくらいの雪が積もっていた。しかし、公共交通機関の乱れはなく(それでも5分電車は遅れたが)、いつも通りに出社。
驚いたことに会社周辺の方が雪が積もっている。
大雪1
そして、今(8時20分頃)も、かなりの勢いで雪が降っている。
(この写真では伝わらないでしょうが・・・)
大雪3
大雪2
雪に慣れていない名古屋人は、すってんころりんとケガ人も出てしまうのではないかと心配である。本当は明日の方が怖いが・・・。
営業に対しても本日の予定の変更を指示。営業車での行動は止め、できるだけ近辺のクライアントへの訪問させることに。朝からアポイント変更の連絡をさせている。
(遠方のクライアントの方、申し訳ありません。)
それでも名古屋はまだ恵まれていると思わなければならない。ここ最近のニュースでは、寒波の影響で大雪がもたらす被害の大きさを取り上げている。昨日も温泉での雪崩や雪道で車が立往生というニュースが報道されていた。自然災害は誰に対しても責めようがない。その事実を素直に受け止めるしかない。
しかし、余計なことも考えてしまう。大きなお世話だろうが、大雪の影響で会社経営に支障はきたさないのかと・・・。
店舗での販売でも外へ向けての営業活動でも、売上に与える影響は大きいのではないだろうか。リスクヘッジはしているとは思うが・・・。
この名古屋での大雪。喜ぶのはきっと子供くらいだろう。
それでも、本日もしっかり働き、いい一日を過ごしたい。
あまり無理をせずに・・・。

映画「毎日かあさん」

毎日かあさん 豪華愛蔵版(初回限定生産DVD2枚組) 毎日かあさん 豪華愛蔵版(初回限定生産DVD2枚組)
(2011/09/07)
小泉今日子/永瀬正敏

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DVDを観ながら思った。
キョンキョンは声がいい。声のトーンと艶がいい。そして、自然体に近い演技もいい。旦那役の長瀬正敏と夫婦生活を営んでいた時も、そんな感じではなかったかと思わせる。
年齢の積み重ね方も無理がないので、母親役もマッチする。「トウキョウソナタ」の母親役も良かったが、より攻撃的になっているこの作品の方が魅力が溢れているのではないだろうか。
アイドル出身者の母親役は違和感がある場合が多い(というより似合わない)が、薬師丸ひろ子とキョンキョンは上手く脱皮したのだと思う。
(映画の感想というよりキョンキョンの批評になってしまった。)
映画自体はありそうでなさそうな日常が描かれている。そこには家族愛があり、夫婦愛があり、愛情に溢れている。しかし、それがストレートに言葉に出てくるわけではなく、感情に映し出される。時に感情は爆発してしまうが・・・。
結局のところ、男はいつも自分勝手でだらしなく情けない。女の手のひらの上で転がされている。でも、それは自分では気づかない。気づいた時には、もう手遅れの状態なのだ。本作はその男女の立ち位置が極端なのかもしれないが、それが正しい姿と思わせてくれる。
実際に僕もそうなのだろう。自分ではまともなつもりでも、自分勝手でだらしなくて・・・。
最後の最後には嫁さんに感謝するのかな。今すぐしろよ!という話もあるけれど・・・。
家族っていいね。それが思える映画だった。

作家は育てられるのか・・・。

昨日は、椙山女学園大学の准教授である堀田あけみ氏の話を伺う機会を頂いた。
我々の世代にとって堀田氏の存在を知らない者はいないのではないだろうか。地元愛知県の出身で、史上最年少で文藝賞を受賞した「1980アイコ十六歳」の作家。かなりの話題を集めていた方だ。
僕は当時、出来の悪い中学生で本なんて全く読んでおらず、この受賞作を読んだのは確か高校に入ってからだと思うが・・・。
この「1980アイコ十六歳」は映画化もされた。僕は直接関わることはなかったが、大学時の映画研究会の先輩が、その映画の製作に協力していたはずだ。
前置きが長くなったが、この日は堀田氏が”「椙山文学」の息吹と発展”というテーマで講演をされた。作家の傍ら、心理学などを学ばれ、現在は准教授として、学生に対し日本語の表現法や小説創作について教えられている。
大学から作家を輩出しようという試みを実施され、その講義内容や学生の動向について話をされたのだ。
堀田氏が若い頃は、作家養成に対しては否定的であったが、学生と接し、学生同士が協力し作品を仕上げていく過程で、教育の必要性を感じたという。
作家は本来孤独で個人的な作業であるのだが、大学内でお互いに課題を持ち、それをサポートする講師の存在があることで、小説を創作する能力が高まるという。人が成長するのだ。
学生の成長が堀田氏に与えた固定概念に対しての影響は大きいようだ。作家は個人の中で勝手に育つという概念に対して・・・。サポートすることで、小説創作の能力も向上する。
そんな話を聞いて、改めて人を育てる必要性を感じた。組織であれ、個人的な業務であれ、何らかの形で必ず人が関与するのだ。その関与の仕方一つで、関わる本人の成長度は大きく変わる。
放っておいても勝手に育つ人間は存在するが、そこに別の言葉を投げかけるだけで、相手に気づきを与え、更に成長力が増すことは多い。小説の世界でも同じことが言えるというのは新鮮であった。
どんな分野であっても、若手を育てていくのが、先輩の役割だ。仕事においてもスポーツにおいても文学においても、それは変わらない。
講演の本題とは異なるが、今回頂いた講演内容で僕が感じた事であった。
ありがとうございました!

ザ・ラストバンカー

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録 ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
(2011/10/14)
西川 善文

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もし、この本書を手に取ってなかったら、著者の西川氏の僕のイメージはきっと悪いままであっただろう。
保身と自己の利益を優先する経営者の一人というような印象で・・・。きっと同じような思いを抱いている方も多いのではないだろうか。
そんな人ほど、ぜひ、読んでもらいたい一冊。
ここに書かれている内容を素直に受け止めれば、著者の仕事に対しての情熱や葛藤や半端ない苦労が痛いほど理解できる。結局は自ら困難な道を選択し、そこに向かい邁進する。
ある方面から見れば、なんて馬鹿な道を思われるのかもしれないが、僕は素晴らしい生き方だと尊敬する。こんな銀行マンばかりであったら、不良債権の問題ももっと早く解決していたと思う。
一概には言えないが、僕の周りにいる銀行マンも性格も仕事も真面目だが、保守的な層が圧倒的に多く、リスクを冒すことに挑むことは少ない。
当たり前の話だが、それが銀行としては健全である証明だと思うが、全てがそうだと一向に業務上の変革も革新的なサービスも生まれることはない。お付合いするには難儀な面があるのかもしれないが、西川氏のような銀行マンが多いと頼もしくなるだろう。
この自伝的な内容は、ドラマを観てるような波乱万丈だ。
平和相銀やイトマン事件の頃の記憶はかすかしかないので、あまりピンとはこないが、メガバンクの合併や郵政民営化の一件は、まだ最近のニュースということもあり、その当時の様子が頭に浮かぶ。
それとオーバーラップさせ、本書を読み進めていくとよりリアルのその場面がイメージできる。特に鳩山総務相とのやりとりは、政局の課題が垣間見え失望感も沸く。
それは西川氏が何も恐れることなく、実名で全てを明かしていることが要因でもあるが・・・。
本書の最後に書かれている言葉もいい。
「リーダーシップとは、直面する難題から逃げないことである」
もっともっと学ばなければならない。