sorotobu
う~ん、またまた読んでしまった。池井戸潤氏。
一度読み始めたら止まらない。あっという間に上下巻を読破してしまった。小難しい書籍もそれだけの集中力とスピードで読めればいいが、どうしても他ごとを考えたり、頭に入らなかったりすることが多々ある。読書って難しいねえ~。
本書の評判は耳にしていた。でも、他にも読むべき書籍があるので迷っていた。半沢直樹人気も伴って著者の書籍は書店で平積みされているので、それに便乗するのもどうかと思ったり・・・。
一連のシリーズはずっと前に読んでいるぞ・・・(笑)。
追い打ちをかけたのが、ジオコス伊藤社長のブログ。大絶賛されていた。これは読まないと前に進めない。人として信念を貫く生き方はできない。と都合よく解釈し、読むことにした。
僕が知る池井戸氏の小説は一定のパターンがあるのではないか。正義を通す人、圧力に飲み込まれる人、権力を最大限に利用する人、保身に走る人など、どの作品も共通点が多いように思える。
しかし、それが読み手の気持ちを煽り、主人公に共感したり、組織のトップに反発したりする。そして、自分はどちらの立場に居続けることが出来るかを思い巡らせる。
自分の中の結論は決まっているのだが、本当にその意思を貫くことができるかは別問題。そこまで強く堂々と立ち振る舞えるかも別問題。どこまで自分を客観的に見れるかはその状況に陥らないと分からないだろう。
本書を読んでいる時に行われた西川塾。僕の愚問で、仲間を多く作ることの必要性とそのリスクについて塾主の意見を仰ぐこととなった。
塾主は多くの仲間を作ることは大切だが、裏切られることやだまされることもあると自らの経験を踏まえ、きっぱりと言われた。あれだけ経営者として成功された方でも多く痛い目にあったというのだ。
しかし、そこで強く言われたのが、数多くだまされたが、自分が人をだますよりは絶対いいと・・・。だまされても取り戻すことはできるが、だましたらきっと後悔しか残らない。だとしたら、だまされる人生の方がいいと・・・。
僕はこの「空飛ぶタイヤ」の主人公赤松氏の行動と塾主の話をシンクロさせながら、自分の頭の中に落とし込んでいた。
人としてあるべき姿。それも中小企業の経営者としてあるべき姿。
フィクションの世界ではあるが、それを再認識させてもらったのは間違いない。