食べ物のはなしブログを書き始めて以来、初めてのことじゃないでしょうか。
2週連続で同じお店を紹介するのは・・・。
ネタに困っているのも事実ですが、それが理由ではありません。

先週のブログをアップし、一息ついて満足感に浸っていると、
食べ物ブログの師匠からお叱りのコメントが送られてきました。

要約すると
「お前は食べものブログを全くわかっていない。
なぜ、人気商品であるかさねざるを注文しない。
女将の気持ちを考えたことがあるのか。
どれだけお前に注文して欲しいかを理解しているのか。
食べ物ブログの書き手としては失格だ!」
と200%のダメ出しをくらいました。

自分の目線でしかブログを書けない未熟さを痛感すると共に
師匠のお店への思いやりを感じたのでした。
ただ牛肉コロッケや串カツを揚げたり、どて煮を作っている呑気な経営者ではありません。
飛騨牛の良し悪しを見抜き、もっとも美味しい状態でお肉を提供する職人経営者だったのです。
そんな経営者だからこそ、お店への配慮や気持ちが分かっていたのでしょう。
大いに反省せねばなりません。すぐに行動に出ねばなりません。

再び、「浅田屋」さんに行ってきました。

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「いらっしゃいませ~。今日はどうします?」
「かさねざるをください。」
その瞬間、女将の目が輝いたような気がしました。

「山田さん、あなたの気持ちは受け止めましたよ。」
と言葉には出ませんでしたが、その視線が僕に訴えかけてきます。
そして、ふと僕の腕を触り、「かさねざるね、かしこまりました。」と優しい声で囁きました。
そんな姿はこれまで一度もお目にかかったことはありません。
「やっぱ、そうだったのか。ブログの師匠はここまで読んでいたんだ・・・。」
とすっかり感心してしまいました。
いや、感動してしまいました。

「おまちどうさま!」と運ばれてきました。

かさねざる(780円)

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「想像通りだな、さてさて・・・」と食べ始めます。
一段の量が×2だとほぼざるそば大盛りになります。
店内でかさねざるを食べているお客さんはありません。
大盛りのお客さんは結構いました。
「なぜ、みんなかさねざるを頼まないんだ!!」
と自分のことは棚に上げて憤りを感じたりします。

1段を食べ終え、2段目に入ります。
「さてと・・・。おっ、これは!」と思わず驚きの声を発してしまいました。
「そうくるか。なかなかやるじゃないか。」
落ち着きを取戻しながらいつものセリフが出てきます。

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2段目はざるきしめんだったのです。
「これはいい。」とざるきしを食べ続けます。
ざるそば大盛よりもこちらは2種類楽しめる。値段は同じです。
こちらの方がお値打ちじゃないだろうかと貧乏性の僕は考え込んでしまいました。

「もしかしたら師匠はここまで知っていて、あんな厳しいことを僕に言ったんだな・・・」
師匠の懐の深さを知り、同時に人間の大きさを感じた瞬間でもありました。
食は深いです。
僕はまだ何も見えていません。
それでも続けなければなりません。食べ物のはなしを・・・。

ごちそうさまでした。
さすがにかさねざるの大盛りは頼めなかったな・・・。