今でも記憶にある。
大学1年時に岐阜のロイヤル劇場で「ベストキッド」を観たことを。
単純明快なストーリーだったが、結構興奮した。
決して秀作ではないが楽しめた作品だった。
その記憶がなければ本作を観ることはなかった。
本シリーズは何度となく公開されているが、その時、気持ちは揺さぶられず。
なぜか今回、気持ちが動き劇場に足を運んだ。
ジャッキー・チェンが出演しているからか。
ラルフ・マッチオも出演しているからか。
ラルフ・マッチオなんて本作と「アウトサイダー」しか知らない。
想像だがベストキッドのイメージが強すぎて出演作に恵まれなかったのかな・・・。
そんな意味では本作は十分に価値がある。
往年のラルフ・マッチオファンが喜び勇んで映画館に向かっただろう。
違うか。
本作はほぼ初代「ベストキッド」の焼き直し。
設定や役柄は異なるが、その展開は思った通り。
ある意味、期待を裏切らない。
最後の最後まで展開は同じ。
ほぼ期待通り。
その結果に満足した観客はほとんどじゃないか。
僕もそう。
違う展開なら、むしろ逆上していた可能性が高い。
分かった上で満足度を高めるのが大切なのだ。
とはいえ簡単に初代を知らない人に向けて解説だけしておこう。
北京からニューヨークに母親と移住した高校生が、
いくつかの事件に巻き込まれ窮地に立たされ、
それを克服するために空手大会に出場して戦っていく物語。
シンプルなストーリーだが、人の喜ぶポイントを押さえている。
悪役は悪役に徹し、それがハンパなく強い連中。
それに対抗する正義だが、いとも簡単にやられてしまう連中。
白黒はっきり分けるのも潔い。
だからこそ素直に感動できる。
それも映画の魅力。
何も考えずに映画館に出向き、思うまま感じて映画館を出る。
きっとそれが本来に楽しみ方。
映画コラムニストなんて偉ぶって、カッコよく理屈をこねるなんで程度が低い。
いつもなら斜め45度でこの類の作品を語るが、それもお粗末に思える。
「面白かったよ~」と一言いえばいいのだ。
時にはそんな感想の映画もいいだろうね。