bura1601

「さらばあぶない刑事」にしようかどうか迷ったが、本作を観ることにした。
ちょっと重い気持ちになりたかったのと、実話であることに惹かれた。
「ブリッジオブスパイ」を観た時の予告編も面白かった。

映画がスタートしてあることに気付いた。
「ブラック・スキャンダル」というタイトルは原題かと思っていたが、
原題は「Black Mass」。
Massという単語の意味が分からなかったので、調べてみると「塊」。
正しいかどうかは不明だが日本語訳すると「黒い塊」となる。
「ブラック・スキャンダル」と全然意味が違うじゃないか。
「ブラック・マス」だと釣り師の映画と勘違いされてしまう
と配給会社の偉い方が思ったのだろう(笑)。

予告編ではギャングとFBIと政治家が絡み合った映画と紹介されているが、
政治家はストーリーの重要性からすればほとんど関係ない。
もっと政治絡みの展開であれば、最近、世間を騒がしている献金問題と照らし合わせ、
社会問題に切り込んだ切れ味鋭いブログを書こうと考えていたが、できなくなってしまった。

ギャングとFBIの癒着が大半。
ただ圧倒的な存在感を誇るのはギャングのボスを演じるジョニー・デップ。
メチャクチャ怖い。
目も口も役作りのため相当いじっているだろうから、別人に思える。
時折見せる家族への優しい表情が却って恐ろしさを増強させる。

ジョニー・デップといえば「ギルバート・グレイプ」。
僕はあの静かなお兄ちゃん役が好きで、
映画を観た当時はきっと売れる役者になるなと思っていたが、
いつの間にか恐ろしいギャングになってしまった。
最初から怖いショーン・ペンとは違って、爽やか路線だと思ったんだけど・・・(笑)

最近、この類の映画はすっかりご無沙汰で、「相棒」などのドラマも観ないので、
この映画の中味が新鮮かどうかは分からない。
しかし、よくあるような気もするし、こんな実話があるからこそ、
近いフィクションも作られるのだろう。

FBI役のジョエル・エドガートンの徐々に驕っていく姿も面白い。
目に見えて金持ちになっていく様は思わず笑ってしまう。
そんなシーンではないけれど。

たまには自分と無縁で、また絶対に巻き込まれたくない世界の映画を観るのもいいだろう。