ゴーストライター [DVD] ゴーストライター [DVD]
(2012/02/02)
ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン 他

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ロマン・ポランスキー監督の映画を観たのは何年振りがどうかと調べてみた。調べてみるとほとんど作品を観ていないことが判明(なんのこっちゃ)。
世間一般には巨匠と言われているが、僕にはその表現が正しいのかどうかはわからない。巨匠と言われる背景には一筋縄ではいかない人生が後押ししているのは穿った見方だろうか。この監督の名前を聞くと若き美しき頃のナスターシャ・キンスキーを思い出してしまう。
羨ましすぎる監督である。
映画とは直接関係ないが、ゴーストライターとの契約はこの映画のような形で行われ、取材、執筆が進むのだろう。特に自叙伝的な書物は相当の文章量を要するから、著名人がゼロがら文章を書き起こすのは想像し難いし、文章力にしてもあまりに稚拙では売り物にならない。
必然的に必要不可欠な職業なんだろう。その分、守秘義務契約もしっかりと結ばないと話にならないだろうから、ゴーストライターはかなりストレスの溜まる職業だな。他の面も含めて・・・。
この映画の緊張感はどこだろうと見終えた後、考えてみた。
巧みなシナリオや演出、演技と映画として当然な点はある。その中で僕が感じたのはあの薄暗い晴れることない島。その島の元首相の住居付近の光景とそのモダンな作りが、より映画を意味深くし、サスペンス性を高めているような気がする。
そして、もしかしたらノンフィクションの世界かとも思わせてしまう恐ろしさもある。それを最初から想定しているのであれば、ポランスキー監督は巨匠と呼ばれるべき存在になるのだろう。
このような高尚なサスペンス映画は日中の明るい時間帯に観るべきではなく、深夜帯に部屋を暗くしながら一人で観るのが理想だ。
しかし、僕はダメだな。すっかり体が早寝早起き体質になってしまい、深夜の時間帯は耐えきれない。結局、夜と朝に分けて観てしまうという愚行を犯してしまったのだ。
僕の根性のなさで映画の面白さが半減してしまったかもしれない。