tyouki16111

正式なタイトルは
『事業拡大を実現する中小企業のための「長期インターン」活用戦略』
とかなり長い。
多分、ビリギャルの著者坪田さんを意識したんじゃないのかな(笑)。
多分・・・。

著者の佐藤均氏は名古屋に本社を構える株式会社丸八テント商会の社長。
親しい間柄ではないが、何度かご一緒させて頂いた。
出会った場所は本書にも登場するGnetさんのイベント。
Gnetさんとは岐阜のNPO団体で長期インターンシップのプログラムを提供している。
また、新卒採用の事業も手掛けられており、悪く言えば競合。
しかし、お互いにそんな意識はなく、
昨年も国のUIJターンの事業でパートナーとして仕事をさせてもらった。

本書ではGnetさんも含めた長期インターンの学生を上手く活用することで、
会社がいい刺激を受け成長する過程を描いている。
一般的にインターンシップと言えば、学生のための就業経験であったり、
最近だと1DAY、2DAYの採用目的とするケースが多い。

ここではそれを遥かに突き抜け、インターン学生を会社の戦略として扱い、
新規事業の立ち上げから実行まで活かしている。
それがうまく機能するとグッドサイクルが回り、会社にとってもインターン生にとっても有益となる。
まさに帯に書いてある「ローコストでイノベーションを起こす究極の人材活用戦略」だ。

では、ここに登場する学生はずば抜けて優秀か。
たしかに優秀ではある。
僕も話をさせてもらった経験もある。
しかし、どこにも存在しないようなずば抜けた優秀さではない。
しっかりと目的を持ち、信頼され任され、ゴールに向かって努力した結果、成長したまでのこと。
だと思う。
最初からずば抜けて優秀だったのなら、すみません(笑)。

そうさせるために何が一番重要かといえば、トップの意識。
タイトルにも”中小企業のため”と明記してあるように、
あくまでも中小企業がカネもヒトも限界ある中で展開する方法が書かれている。
そして、最終的には人材採用にも生きてくる。
やり方次第では本当に競合になってしまうが(笑)、企業にとっては有効的な話。

名大社的には大学との関係性の中で実施する2週間インターンシップと
現在新たなサービスとして行っている「THE CREATIVE CHALLENGE」しかないが、
この手法もいい方法だと随分と参考になった。
自社でも取り組んでみてもいいかもしれない。
と、浅はかな頭でストーリーを描いてしまった。
考えてみてもいいな・・・。

「長期インターン」がプロジェクトでうまくいく秘訣はこれらしい。
①トップが明確なビジョンを持つ。
②プロジェクトリーダーを決める。
③「多様性」×「やる気」のある人材。
④過去の成功体験をリセットする
⑤プロジェクトに関わるのは学生だけ。

簡単そうだが、ここまで思い切った判断を下すのは相当難しい。
判断くらいはサクッと下せるので一度検討してもいいのかな。

それにしても本書の存在でGnetさんはいいPRになっただろう。
その点だけでもかなり羨ましい(笑)。