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写真は最近の日経ビジネスと日経トップリーダー。
共に「創業家」に対して特集が組まれている。
僕がファミリービジネスアドバイザーの端くれなので、
目に留まりやすくなっているのかもしれないが、
このような特集を組まれることが多いように感じる。

日経トップリーダーはどちらかと言えば経営者の視点、
日経ビジネスは企業姿勢の視点が書かれているのが両誌の特徴。
同じ日経であっても切り口が違うので、比較しながら読んでみても面白い。

両誌ともにいえることだが、ここで問われるのは創業家の価値。
理想は優秀な経営者が継承される創業家だろうが、現実は甘くない。
企業規模が大きくなりパブリックになればなるほど、
創業家以外のトップが経営を任されるのは当然のこと。

それが中小企業であっても創業者がいきなり倒れたりしたら、
非同族の幹部が登板することも大いにあり得る。
あちこちで話題になっている大戸屋さんの場合はその最たる例。
結局、お互いのコミュニケーション不足により、
誤解を生み、修復不可能な状況に追い込まれていく。
本業と関係ないところで企業ブランドに傷がつき、
業績が悪化するのは勿体ない話。

僕の立場としては同族企業の良さを伝えていく必要があるのだが、
こんな話ばかり出ると同族企業に対してのイメージは下がる一方。
しかし、先週土曜日、名大社で開催した「FBAAフェロー会(研究会)」
(ファミリービジネスアドバイザーの勉強会のこと)では
改めて同族企業の強さや素晴らしさを感じることができた。

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創業383年の老舗企業の方に話をしてもらったのだが、
企業が何を大切にし続けるかで会社の価値は維持される。
それはある意味、長寿の秘訣であり、
創業家の価値とも言えるのではないかと思うのだ。

詳細は省くが、ここで感じたことは同席した仲間も同じだろう。
このような企業ばかりであれば、今、巷を騒がしているネガティブな話は生まれないはず。
象徴的な言葉もあったが、本人に叱られるといけないのでここでは止めておく(笑)。

名大社の場合、創業家不在といってもいい。
企業の成り立ちを考えればそうなるだろう。
それが事業を運営していく上で支障になる場合もあれば、逆の場合もある。
現段階では、逆の場合として上手く機能しているわけだが、それが続く保証はない。
いつかすがりつきたい時が訪れるかもしれない。
これから自分たちが歴史を作る強い覚悟で臨んでいくしかない。

いずれにせよ、創業家を敬わない企業は上手くいかないようだ。
雑誌を読み、研究会を通し、そんなことを感じてしまった。