これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

オンライン採用

今年発売されるべく発売された書籍といえるだろう。
著者は株式会社ビジネスリサーチラボ代表の伊達洋駆氏。

ご存じない方は検索してもらえればと思うが、この業界では珍しいイケメン。
いや、そうではなく「採用学」の服部泰宏氏といい、
神戸大出身の先生はイケメンが多いのかも・・・。
息子が受かっていたら違う世界が待っていたかもしれないな。
イケメン繋がりとして(笑)

ありがたいことに僕は何度かお会いし、人材領域に関する知見を頂いた。
一昨年は僕が社外取締役を務める株式会社パフ釘崎会長との共著も出版。
『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』でも勉強させてもらったし、
それを講演ネタとしても使わせてもらった。
2年前に執筆された内容は今、かなりスタンダードになってきたのではないか。

その流れからの本書とも読み取れる。
タイトルのように昨年から急激に増えたオンラインでの人材採用を書かれているが、
それに限定したことではない。

オンラインにシフトしたことで、
これまで隠れていた事象や誤魔化しが効いた表層的な事が明らかとなった。
それは「まあまあ、いいじゃないの」と済んたことが済まなくなったということ。
オンライン採用はひとつの手段。
それを通して本来の目的がより明確になった。

本書はオンライン採用の傾向性に留まらず、
これからの選考の在り方やこれからの雇用の在り方にも言及している。
それは日本の雇用システムであったり、ジョブ型雇用であったり、AIの活用であったり。
少なくともAIは万能ではなく、バイアスがかかることも多い。

先日、曽和利光さんが書いた「曖昧耐性」にも必要な面があるんだろうね。
直接、本書とは関係ないが、必ずしも見える化しない「心理的事実」もあるだろうし。

オンライン採用に悩んでいる担当者はもちろん、
オンライン採用はまだまだ先と捉えている担当者や経営層も読むべきだろう。

「なんとなく」をどう言語化するかが僕の課題かな・・・。

伊達さん、ありがとうございました。

映画「あのこは貴族」

当初は「奥様は、取り扱い注意」を観ようかと思っていた。
TVドラマには興味はないが、予告編の綾瀬はるかの立ち振る舞いに惹かれた。
彼女の魅力はアクションでの姿勢。
メチャ決まっている。

そんな女優はそうそういないと思うがどうだろうか。
カッコいいと思うんだけど。
といいつつ、同じ時間に上映していた本作を選んだ。

まだまだ身近にはびこる格差が気になった。
実際、僕が格差を感じることはしばしば。
周りには優秀な経営者仲間が多いが、その中には由緒正しすぎる人も多い。
出自もそうだが育ちが違い過ぎるというか・・・。
田舎者のコンプレックスをたまに感じるが、むしろ有り難い経験だったり。

それはともかく本作は格差を描く作品。
言い方は悪いが底辺を描くのではない。
実際存在するであろう特別な上流階級。

僕がコンプレックスを感じるさらに上の世界。
それが映画で描かれる。
そんな表現をすると嫌らしい世界と思われるがそうではない。
その世界で生活する者同士とある種、冷めた視線を送る外部者の喜怒哀楽がたまらない。

どの世界に生きようとも苦悩はついて回る。
金持ちが幸せで貧乏が不幸というのは短絡的。
格差社会では否応なく感じる面はあるだろうが、当事者が感じるかは別。

生きる世界が半径5キロであれば、自分の周りはすべて「普通」。
自分にとっての「普通」が基準となる。
「普通」の世界で留まっているだけなら、それなりの幸せな人生を送れるが、
そんな純粋培養的な閉ざされた社会は過去の話。

スマホで全世界を知れる社会で価値観が広がることが常識といえよう。
あのビンタが正しい行為なのか、
異常な行為なのかで、その人の価値観が理解できるのかも。

ここまで書いたところで映画の内容はさっぱり分からないはず。
それでいい。
映画を通して自分の立ち位置とどう振舞うかを知ればいいだけのこと。

ポスターにあるように本作は門脇麦と水原希子がメイン。
一般的には水原希子の方がお嬢様役に相応しいと思うのではないか。
僕が「麒麟がくる」や「止められるか、俺たちを」から門脇麦を
貧相な役柄が似合うと思っているだけかもしれないが・・・。

実際は門脇麦が見事にお嬢様を演じている。
素晴らしい。揺れ動く心模様も・・・。
それだけでも本作を観る価値はある。

世界平和を問うわけでも日本の未来を案ずるわけでもない小さな関係性。
たまにはそこにどっぷり浸かる映画もいいかもしれない。

映画「名も無い日」を応援します!

先日、映画監督でありカメラマンの日比遊一氏とご一緒する機会を頂いた。

SNSを通じて日比監督と出会ったのは半年ほど前。
名古屋市出身で共通の知人も多い。
僕が映画コラムニストととして名をあげたからか、
自主映画あがりからかは定かではないが接点ができた。
ただの偶然という話も・・・。

日比監督は高倉健さんの人生を描いた「健さん」や
樹木希林さんの企画した「エリカ38」を撮った監督。
玄人なら名の知れた方だが、一般的には知名度はない。

彼が監督した最新作「名も無い日」も最近まで上映する劇場が決まっていなかった。
それがこの5月に愛知・岐阜・三重で上映が決まった。
こちらが予告編。

ご覧なられればお分かりだろう。
永瀬正敏、オダギリジョー、真木よう子、今井美樹など豪華俳優陣。
すべて日比監督が口説いて回ったという。

本来であればすぐに配給先が決まりそうだが、映画界はそんな簡単ではない。
制作された99%は公開の場がない。
また、アイドル起用やロケを東京にすることが優先されるという。

日比監督はロケは名古屋、
それも名古屋弁の使用にこだわったため、配給先はなかなか決まらず。
そんなに名古屋は嫌われるのか(笑)。

それに抗う人が多かったかは不明だが、日比監督の支援者が増え、
集まった資金と応援により公開が決定。

僕も6月に行われる「監督と一緒に行くロケツアー」というとっても小さな支援はさせてもらった。
偉そうにいえる支援ではないが、小さな積み重ねが大切。

東海地区公開の後は全国に広がっていく予定。
予告編を観れば分かるが、本作はヴィム・ヴェンダース監督も絶賛。
他にも多くの芸術家が評価している。

僕も監督とツーショットを撮り、
「ブログで宣伝しますね」といった手前、観客動員の協力をせねばならない。
ブログをご覧の全国の映画ファンのみなさん、どうぞよろしくお願いします。

日比監督は子供たちが映画館に足が遠のいているので、
映画館に出向く文化を作りたいという。
それには僕も共感。
TVでもパソコンでも、最近はスマホで映画を観るのを否定はしないが、
やはり映画は映画館で観るのが一番いい。

暗闇で感じ取る世界は僕らに与える影響は大きい。
少しでも映画館に足を運んでほしい。

まずは「名も無い日」
こちらを観てもらいたいですね

映画「ある人質 生還までの398日」

退屈で平凡な毎日がいかに幸せかを感じさせてくれた映画。
また、正義であるのも退屈で平凡なのかもしれない。
コロナ禍で悶々としている自分がひどくつまらなく思えてきた。
まだまだ素晴らしい環境だと肝に銘じなければならない。

本作はデンマーク・スウェーデン・ノルウェーの合作。
最近、北欧製作の映画を観る機会が増えている。
1月に観た「この世界に残されて」はハンガリー映画。
昨年12月の「ニューヨーク 親切なロシア料理店」はデンマーク・スウェーデンの合作。
ほとんどミニシアターでの上映だが、そんな映画館が近くにあるのは嬉しい。

さて、肝心な本作。
2013年に398日間、イスラム国(IS)に人質となった写真家を描いた実話。
映画の内容が事実を詳細に描いているのであれば、そこは凄まじい世界。

街が破壊され、人が銃撃される戦争も悲痛だが、
一人の人質が拷問にあい生死を彷徨う姿はよりリアルで悲痛。
僕らはやはり世界で起きている出来事の上辺しか知らない。

当時、ISによる日本人の人質問題も話題になったが、表面的にしか捉えられていない。
本人、家族、そこに関わる人たちの苦しみを知ってこそ、理解できること。
真の理解は当事者でなければ分からない。
さすがにそれは勘弁してもらいたいが・・・。

映画を観て自己責任と判断を下すのは簡単。
確かに危険な地に足を踏み入れる行為に責任は伴う。
身代金を要求されても国が関与しないのは合理的な判断。

だが、映画を観ているとそんな合理的な考えはすっ飛び、感情は家族へと傾く。
家族の立場となり心境を察すれば、国が何とかしてほしいと思うのは自然な流れ。
感情的な家族に対し、形式的に物事を進める役人。

その描き方も見事。
間接的に国を批判しているとも受け取れる。
製作者の勇気は素晴らしい。
日本でも同様な硬派な作品は撮れそうだと思うが、簡単じゃないのかな。

生き延びようとする意志を一人で貫くのは難しい。
やはりそこには家族であれ、友人であれ、同じ人質であれ、人という存在が不可欠。
救いようのない世界が小さな力で救われるのが感動的。
ロータリークラブの存在もいいね。

映画は多くのことを教えてくれる。

映画「ミッドナイトスワン」

昨年秋に公開され見逃していた作品。
運よく近所の中川コロナで上映されたので鑑賞することができた。

話題作とはいえテーマもテーマで地味な作品。
僕が観た回はお客さんが自分を含め3名。
早々に打ち切られてしまうかと心配になる。

本作はキネマ旬報の2020年ベストテンの中で読者選出部門では2位。
高評価な作品。
以前から評判も聞き、昨年では1番の映画ではないかと方々で言われていた。
「鬼滅の刃」も悪くないが、もう少しお客さんが入ってもいいんじゃないのかな。
理解が徐々に進んだとはいえマイノリティがテーマでもあるし。

ただそれを吹き飛ばす力強さが僕らの心を揺さぶり感動を招く。
なんだろう。
僕はバレエには門外漢だが、舞台のシーン、公園のシーン、練習のシーン、
場末のニューハーフショークラブでのシーンで涙がこぼれそうになった。

その美しさに涙したわけではない。
そのシーンに至る背景が見事にバレエとシンクロし、気持ちが高ぶってしまった。

ちなみにバレエを披露するのは草彅くんではない。
彼女も(彼も)披露するが、それはあくまでもショー。
酔って観るべき程度のもの。

草彅くんが生活を共にすることになった女子中学生のバレエが見事なのだ。
めちゃ上手じゃんとその役作りに感心していたが、
そもそもその役を演じた服部樹咲は将来を嘱望されるバレエダンサー。

むしろ演技が初めてで、本作がデビュー作。
僕なら間違いなく彼女を新人賞にするな。
それぐらいの存在感を発揮していた。

本来相容れるはずのないこの2人の痛々しい関係性が、
今の社会と相まって身近な関係へと繋げる。
あるべき親子の愛情なんて白々しく、ここに本当の愛を感じる。
そこには性別も血も関係ない。
それが監督の描きたかった世界なのかな。
ラストシーンでは誰しもが草彅くんをダブらせたと思う。

それが愛と信頼の証・・・。
なんともチープな表現になってしまったが、
本作が2020年を代表する一本であるのは間違いない。

「半世界」の吾郎ちゃんといい、「凪待ち」の香取くんといい、
元スマップは新境地を作り出してるね。

これからもいい作品に出会うことを期待したい。

映画「すばらしき世界」

どうだろうか。
本作は先週紹介した「ヤクザと家族 The Family」と併せて観ることをおススメする。
両作ともヤクザの生きづらさを描いているが、対象的で面白い。

そして、一本はヤクザの若頭を演じ、
一本は役所の職員を演じる北村有起哉氏の比較も面白い。
これってワザと演じてる?と思ったのは僕だけか。
映画マニアの間では話題になっているはずだ。
多分(笑)。

関係ない話が先行してしまったが、
本作は役所広司演じる殺人犯三上正夫の社会復帰を描く人間ドラマ。
社会復帰なんで安易な言葉は似合わない。
ちょっとした失業から就職した社会復帰とは訳が違う。

そこには僕らが想像しがたい世間とのギャップが生じる。
自分と照らし合わせてみれば分かりやすい。
いきなり僕が13年間、社会との接点を閉ざされ、戻ってきたらどうなるだろうか。

家族、友人、生活、仕事と全てにおいて不安しかないはずだ。
それも社会から白い目で見られる存在であるとするなら・・・。
耐えがたい世界でしかない。

些細なことでブチ切れるのも、
その本人に問題があるというより社会に問題がある。
それを西川美和監督はさりげなく演出し、役所広司はさりげなく見事に演じる。

「すぐにキレるなよ」という僕の想いは届かず、
三上の葛藤を生み、暴力性に歯止めがかからない。
誰にとっても辛い。
それが生きづらさなのか・・・。

そこに正義を装ったマスコミが無責任に絡む。
最近、マスコミを悪く映画って多くね?
いいね、長澤まさみのねじ曲がった正しさ(笑)。
いや、これが正直な姿か・・・。

逃げ出す仲野大河はあのままだったら、
情けないエセジャーナリストか売れないままの作家だが、
ああいった展開で映画をある方向へ持っていった。
いいアクセントになっていたし、彼の存在がより感動を生んだといってもいい。
ストーリーテーラー的な役割を担っていた。

「すばらしき世界」というタイトルに相応しい作品にしようとすれば、
思いもよらぬ展開や感動を生む劇的なシーンを持ち込むべき。
しかし、そんなものは必要ない。

自らと戦いながらも世間と向き合い平穏に過ごそうとする努力。
実話に近かったのだろう。

その中で小さな幸せを見つけるのがすばらしき世界。
主人公三上は周りの温かさを感じてその世界を全うした。
いつどんな状況でも前を向けば何かが訪れる。

それは偶然ではなく必然。
それを感じさせてくれる映画。

三上正夫の笑顔が忘れられない。

また、訳の分からないブログになってしまった。

映画「ヤクザと家族 The Family」

一昨年観た日本映画の中で僕が一番評価したのが「新聞記者」
この作品で藤井道人監督を知った。
1986年生まれなので僕より20歳も若い。

若手が活躍する日本映画界。
なかなか、いいじゃないか・・・。
今後の活躍を期待したい。

というわけで本作。
先日の「日本独立」は予備知識を持つべきだが、この作品に関してはほぼ何も知らず。
人間臭いドンパチのヤクザ映画のつもりで映画館に足を運んだ。
確かのその要素は含んでいた。

しかし、いい意味で大いに期待を裏切られた。
ヤクザ映画に間違いはないが、その枠を大きく超え、
人としてどうなすべきかを教えてくれる映画だった。

タイトルとポスターと綾野剛の目つきを見せつけられたら、後ずさりしてもおかしくない。
だが、ここは前に一歩進んで欲しい。
この作品を感じて欲しい。
そう思える作品だった。

これは僕の短絡的な予測にすぎないが、
藤井監督は今後日本映画を背負っていく存在になるんじゃないか。
「新聞記者」とジャンルは違うが、
映画に最も重要な緊張感を両作とも巧みに引き出している。

それは迫力ある暴力シーンも落ち着いた食事のシーンも、
いい緊張感を醸し出している。

そして時代の描き方も上手い。
本作では1999年、2005年、2019年を繋ぐドラマだが、その時代の特徴が絶妙。
携帯電話は一つの分かりやすさの象徴だが、
ヤクザの価値が変化する流れはもの悲しさと共に街の景観さえも訴えかける。
プリウスが残酷に感じたのも僕だけではないはず。
煙突だけが変わらない。

そして、SNSの存在は今や特殊社会も凌駕する。
先日の「ミセス・ノイズイ」でも同様だが、一般人の何気ない行動が全てを破壊する。
藤井監督は一体何を言わんとするのか。

褒められない世界を美しく魅せ、平凡な世界を醜悪な世界へと導く。
なぜ僕は人を殺すシーンで、ジーンとしてしまうのか。
おかしいじゃないか。

本作は136分。
最近の映画では上映時間が長い。
しかし、その長さを感じることも、退屈することもない。
ヤクザ映画のイメージを外して観て欲しい。

それにしても隣町出身の綾野剛は「日本で一番悪い奴ら」といい、
「そこのみにて光輝く」といい、ろくでなしを演じさせたら右に出る者がいない。

そこだけでも観る価値があるかもしれない。

キネマ旬報は変わっていくのか

毎年、この時期だけ購入するキネマ旬報。
(そもそも僕のような半端な読者がいけない・・・)
2月下旬号は2020年の映画ベストテンが発表された。

僕は各所存在ずるベストテンの中でキネ旬が一番権威があると思っている。
その想いは変わらないが、同時にこのままでもいいのかな?
と今月号を読みながら、少し感じたり・・・。

日本映画の1位は「スパイの妻<劇場版>」
外国映画の1位は「パラサイト 半地下の家族」
まあ、これは予測通りというか順当。

日本映画の2位は大林監督の遺作「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」。
昨年逝去された大林監督への敬意の念も票に含まれてもいるだろう。
外国映画は「はちどり」。
なんと外国映画はワンツーと韓国映画。
そのあたりが時代と共に製作者の力の入れ具合を感じる。

自ら映画コラムニストと名乗る僕が2020年映画館で鑑賞した作品は28本。
残念ながら映画コラムニストとしての本数ではない。
自称だから許されるだけ(笑)。

せめて日本映画は抑えておきたいが、大林監督作品しかり、
4位アンダードックしかり、ベストテンのうち7本を観ていない。

それが読者選出ベストテンとなるとちょっと違う。
観ていないのは4本。
やはり目線は評論家よりも一般の方に近い。
公開される劇場の問題もあるが、評論家ウケするしないも影響する。

その中で気になったことが2つ。
読者選出で1位になった「天外者」。
三浦春馬の遺作で五代友厚を描いた作品。
この作品は評論家が選ぶベストテンに入るどころか、1点も獲得していない。

1点から1位になった204点まで計125作品の中に入っていないのだ。
そんなことあり得るのか?
何度も目を凝らして確かめたので間違いはないと思う。
過去の記憶を引っ張り出してみても、こんな稀有なことはない。
この作品を僕は観ていないので何とも言えないが、読者と評論家でそんなに差が出るものか。

そして、もう一つ。
読者の感想やベストテンも載せられているが、50代、60代で占められる。
40代は一人だけ。
20代、30代はゼロ。
投票者はいると思うが少数派であるのは間違いない。

これは如実に今の出版業界、キネマ旬報の置かれた状態を表している。
少なくとも僕は10代からこの雑誌を読んできた。
ターゲットの移行はあるだろうが、20代の硬派な映画好きはいるはず・・・。

と本誌の訴求したい点とは異なる点が気になってしまった。
そういえば昔はよくチェックしていた新聞の「映画演劇案内」欄。

今や載っている映画館は名古屋シネマテークのみ。
これも時代の流れだね。

時代を描き反映させるのが映画の役割だとは思っているが、その周辺でも確実に起きている。
今号のキネマ旬報を読みながらそれを実感。
本誌に日本映画、外国映画の総評がないのも寂しい。

昨年は書いた僕のベストテン
今年はどうかといえば、それはまた、どこかのタイミングで。
思いのほか、文字量が多くなってしまったので・・・。

見逃した作品でいえば8位の「喜劇 愛妻物語」は早く観たい。
主演女優賞を獲得した水川あさみさんもね。

と読み手にとっては分かりずらいブログになってしまった。

カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方

いい組織を構成するのは難しい。
5~6年前のブログを振り返ると苦労しながらも、いい感じの組織を作れていた。
(自分勝手にそう思う。)
確かに全体の満足度は高かった。

では、それが完璧かといえばそうではない。
時間が経過すればすぐ陳腐化する。
また、人数が増え、部門の立ち位置やメンバーのポジションが変われば、すぐ古くなる。

一つは根本的な組織作りができていなかったことが問題。
ビジョン、ミッションの明確さの浸透でその度合いも変わる。
なんとなく通じていたことが難しくなるのはどこの会社でもいえるはず。

名大社だけの問題ではない。
だからこそこんな書籍が重要であり、そこから学ぶ必要もあるのだろう。

30年以上、同じ会社で働き、10年以上、経営者のポジションにありながら、
いかに曖昧模糊としていたか責任を痛感する。
今思えば、いい組織を作っていたと錯覚していたのだろう。

思い切り卑下するのも本書を読んで、必要以上に感じてしまったため。
それだけ著者の唐澤さんに納得し、学びも大きかった。
特にカルチャーの7Sは参考になり、自社にあてはめてみることに。

Stance:スタンス(組織としてのあり方)
Shared Value:シェアドバリュー(行動指針)
Structure:ストラクチャー(組織の構造・形態)
System:システム(制度)
Staff:スタッフ(人の採用や育成)
Skill:スキル(組織としてのスキル、強み)
Style:スタイル(組織風土)

とても分かり易く、自社の課題点も導きやすい。
これを知るだけでも本書を読んだ甲斐があった。

それにしても復活した日本マクドナルドのきっかけが入社5年目の女子社員からのメールとは・・・。
一人の若手社員の行動で大企業のカルチャーが変わる。
その衝撃は大きかった。

原田体制の成功体験も決して間違いじゃない。
(タイホは残念ですね・・・)
サラ体制でいきなり変わったわけでもない。
自社の「経営スタンス」を見直し、ブレずに取り組んだ結果が今の好業績に繋がっている。
過去最高益だもんね。
素晴らしい!

商品戦略だけでなくカルチャーモデルを作り上げたのが成功の要因。
うちも学ばねばならない。

唐澤さんはグロービス経営大学院の学びが大きかったという。
なるほど。
ここにも成功者がいるわけだ。

刺激は常に外と内に持たねばならない。
僕も周りからもっと吸収すべきなんだろうね。

ありがとうございました。

ほんとうの事業承継 「伝承」と「変革・適応」の教科書

本書は僕も所属する日本ファミリービジネスアドバイザー協会がこの1月に発刊した新刊。
理事長をはじめ協会に属する23名の方が専門分野についてまとめている。

僕のパートは・・・と紹介したいところだが、今回は著していない。
そんな表現だと次回ありそうな感じだが(笑)、それはない。
僕にはここで語る専門領域はなく、広報的な役割でその存在を知らしめているに過ぎない。

いずれ違うカタチを・・・と虎視眈々と狙っているんだけど(笑)。
実際は浅く広くしか知識がないため、この場で多くの方を納得させるスキルは持ち合わせていない。
もっと学ばねばなりませんね。

そんな意味で本書はタイトルにもあるように教科書的な役割。
ファミリービジネスに関わる方もサービスを提供する方も該当する。
ファミリービジネスど真ん中の方が自らの経験を語る章もあれば、
コンサルタントの立場からクライアントの事例紹介もある。

いずれもアドバイザーとして機能を果たし、全体像でファミリービジネスが何たるかが掌握できるのだ。
大半の執筆者が面識があるため、僕自身はその方を照らし合わせながら読み進めることができた。
その分、親和性が高いともいえるが、そうでなくとも身近な事例として参考にすべき点は多い。

以前よりファミリービジネスのイメージは向上しているが、まだ後ろ向きなイメージが強いのも事実。
サラリーマンでは分かり得ない世界だし、当事者としても自信を持って語れる方はまだ少ない。
だが、本書から得る情報でプラスに転じていく要素は強い。
それはアトツギといわれる存在は尚更。

コロナ禍の時代になり、事業承継はより重要になっていく。
事業が順調に成長するケースは少なく、
いかに持続させるかが目的となると継ぐ側も継がせる側も慎重にならざるを得ない。
悩みどころも環境で全く違うものになるだろうし・・・。
そんな時に必要になるのが各分野で活躍するファミリービジネスアドバイザー。

僕もある部分ではそのニーズには答えられるだろう。
だからというわけではないが、来る2月24日にはファミリービジネス向けセミナーを開催。
テーマも「事業承継とM&A」と本書とダブる。
興味ある方はこちらから

最後は宣伝になってしまったが、ファミリービジネスが日本経済を支えているのは事実。
コロナからの復活もここの頑張りに依る面が多い。
もちろん僕もね・・・。

より多くの方に読んでもらいたい1冊。