毎年、この時期だけ購入するキネマ旬報。
(そもそも僕のような半端な読者がいけない・・・)
2月下旬号は2020年の映画ベストテンが発表された。

僕は各所存在ずるベストテンの中でキネ旬が一番権威があると思っている。
その想いは変わらないが、同時にこのままでもいいのかな?
と今月号を読みながら、少し感じたり・・・。

日本映画の1位は「スパイの妻<劇場版>」
外国映画の1位は「パラサイト 半地下の家族」
まあ、これは予測通りというか順当。

日本映画の2位は大林監督の遺作「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」。
昨年逝去された大林監督への敬意の念も票に含まれてもいるだろう。
外国映画は「はちどり」。
なんと外国映画はワンツーと韓国映画。
そのあたりが時代と共に製作者の力の入れ具合を感じる。

自ら映画コラムニストと名乗る僕が2020年映画館で鑑賞した作品は28本。
残念ながら映画コラムニストとしての本数ではない。
自称だから許されるだけ(笑)。

せめて日本映画は抑えておきたいが、大林監督作品しかり、
4位アンダードックしかり、ベストテンのうち7本を観ていない。

それが読者選出ベストテンとなるとちょっと違う。
観ていないのは4本。
やはり目線は評論家よりも一般の方に近い。
公開される劇場の問題もあるが、評論家ウケするしないも影響する。

その中で気になったことが2つ。
読者選出で1位になった「天外者」。
三浦春馬の遺作で五代友厚を描いた作品。
この作品は評論家が選ぶベストテンに入るどころか、1点も獲得していない。

1点から1位になった204点まで計125作品の中に入っていないのだ。
そんなことあり得るのか?
何度も目を凝らして確かめたので間違いはないと思う。
過去の記憶を引っ張り出してみても、こんな稀有なことはない。
この作品を僕は観ていないので何とも言えないが、読者と評論家でそんなに差が出るものか。

そして、もう一つ。
読者の感想やベストテンも載せられているが、50代、60代で占められる。
40代は一人だけ。
20代、30代はゼロ。
投票者はいると思うが少数派であるのは間違いない。

これは如実に今の出版業界、キネマ旬報の置かれた状態を表している。
少なくとも僕は10代からこの雑誌を読んできた。
ターゲットの移行はあるだろうが、20代の硬派な映画好きはいるはず・・・。

と本誌の訴求したい点とは異なる点が気になってしまった。
そういえば昔はよくチェックしていた新聞の「映画演劇案内」欄。

今や載っている映画館は名古屋シネマテークのみ。
これも時代の流れだね。

時代を描き反映させるのが映画の役割だとは思っているが、その周辺でも確実に起きている。
今号のキネマ旬報を読みながらそれを実感。
本誌に日本映画、外国映画の総評がないのも寂しい。

昨年は書いた僕のベストテン
今年はどうかといえば、それはまた、どこかのタイミングで。
思いのほか、文字量が多くなってしまったので・・・。

見逃した作品でいえば8位の「喜劇 愛妻物語」は早く観たい。
主演女優賞を獲得した水川あさみさんもね。

と読み手にとっては分かりずらいブログになってしまった。