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日本型キャリアデザインの方法

日本型キャリアデザインの方法―「筏下り」を経て「山登り」に至る14章 日本型キャリアデザインの方法―「筏下り」を経て「山登り」に至る14章
(2010/03)
大久保 幸夫

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先日のHRプロのセミナーで頂いた書籍。
著者の大久保氏のファンというのもおこがましいので言わないが、この業界に身を置く者として、またキャリアカウンセラーの一人として最低限の学びで、これまでも「キャリアデザイン入門」「仕事のための12の基礎力」は読ませていただいた。
(セミナー終了後の懇親会では、直接、本人と話をさせて頂き光栄!うれしかった!やはりミーハーだ。)
この著書を読み終え、これは誰がターゲットなのだろかと考えてみた。
就職活動中の学生、キャリアチェンジを考えるビジネスマン、そろそろ自分の限界を感じる管理職など・・・。
結局のところ、どの世代でもどんなキャリアの持ち主でも対象といえるだろう。
キャリアには終わりはないし、どんな時期においても、これからの自分のあり方に希望や迷いは生じるに違いないと考えるからだ。
その中で、ここに書かれている「迷ったら激流を選べ」という表現には賛成だ。
特に20歳代の「筏下り」の時期には、できるだけ激流を下っていくのが自分の成長に繋がると僕も思う。特に目標が定まらないシューカツ生はどんどん自らを厳しい場に追い込むべきだ。
激流の「筏下り」の時期を越え、辿りついた先に自分の進むべき道(ここでは山かな)も見えてくる。自分なりの具体的な目標設定もできるというわけだ。
そこから明確なゴールを目指して「山登り」を行っていく。プロフェッショナルを目指す。これが著者の言う日本型キャリアデザインにあたる。
今、僕は44歳。
「筏下り」に時期はとうに過ぎて、当然のように「山登り」に入っている。しかし、山の頂はまだまだ遠そうだ。もしかしたら辿りつくことはできないのかもしれない。
しかし、10年くらいの歳月をかけても山の頂に辿り着き、その頂から広がる景色を眺めたい。そのために毎日せっせと過酷な山道を登っていくのである。
そして、山の頂から広大な景色を眺めた後はどうしようか。
山を降りてのんびりするか、また別の山を目指すのか。
そんな事を考えるだけでも結構楽しくなってくる。空想的な要素を含め、先々のキャリアを思い描いてみるのもいいことだ。
そのためには、今やらなければならないことは山ほどある・・・。
まずは、その目の前にある小さな山をクリアしないと・・・。

週刊ダイヤモンド「就活の虚実」を読んで・・・。

今週の週刊ダイヤモンドの特集を興味深く読んだ。最近、毎日のようにニュースに取り上げられている就職活動についての特集である。タイトルが妙に意味深だ。
就職情報の提供を商いとする自分たちとしては、納得する面もあり???と首を傾げる面もあるが、総じて深く真相を捉えようとする編集者の姿勢は感じることができた。
つい先日、HRプロ主催の採用に関するイベントに参加したばかりなので、そこで明かされた企業の実態とこの雑誌で発表されたアンケート結果のギャップには、既に分かっている事とはいえ、企業の置かれる立場が容易に想像できる。
ここでも書かれているのは一部の人気企業と思うように学生が集まらない中小企業の存在である。最近はこの手の情報が増えていて、中小企業がクローズアップされているにも関わらず、学生にはまだまだ響いていない実態もあることも記事の通りだ。
(自分たちの努力も足りないということだ。)
今回の特集で改めて気づかされたことも多かった。
一つはここ40年の就職活動時期の変遷、もう一つは政府の若年者雇用対策の多さである。
40年の就職活動時期については、就職協定の期日によりかなり企業側の対応が揺れ動いているのが良くわかる。この業界に身を置いて既に20年以上経過するが、時系列の表にその変遷を眺めていると忘れかけていたバブル期や超氷河期の就職戦線を思い出す。
就職活動早期化の是正を激しく議論されている昨今ではあるが、1970年代は3年生の後半期に内定が出されているのだ。全く知らず、結構な驚きであった。
そして、政府の若年者雇用対策の多さ。何となく受け流していて事実をしっかりと把握していなかった面もあるが、この数の多さは正直驚いた。文部科学省、厚生労働者、経済産業者の縦割りの施策のせいもあるが、同じような対策が実に多い。利用者側の立場になれば、混乱を招くことも多いだろうし、予算面も含め無駄も発生している。
今回の特集でもそこの非効率さを的確についていた。
これまで若年層を取り巻く環境を誤解していた方も多いと思う。この特集がその誤解を解決しているとは言い切れないが、冷静な判断材料にもなっているだろう。
この事業に関わる者として、企業の採用のあり方、学生の価値観、行政の動き、我々の業界の動向など、考えさせられる面も多かった。
一筋縄ではいかない問題が数多く存在し、自分たちで解決できる面も限られている。というより、ほとんどないといっていい。
それでも、人の成長、企業の成長を通し、地域の発展に寄与することを自分たちは続けなければならない。
そう感じただけでも、この特集の存在は有効的なのかもしれない。

映画「ディアドクター」を観る

ディア・ドクター [DVD] ディア・ドクター [DVD]
(2010/01/08)
笑福亭鶴瓶、瑛太 他

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昨年のキネマ旬報1位の作品をDVDでようやく観る。
西川美和監督の前作「ゆれる」を観て、かなり揺れる思いになり人間の恐ろしさを感じたが、本作品でもその時程の冷ややかさはないものの、人間の揺れ動く様を感じた事は同様である。
可愛い顔して人の心を何ともえぐる監督である(スイマセン)。
作品の本筋とは異なるが、まず感動したのが香川照之である。TVの「龍馬伝」にしろ「坂の上の雲」にしても、今度の映画「あしたのジョー」にしても何でも出演する。どんな役でも演じられる。今回も医薬品メーカーの営業マンを微妙な立場で見事に演じていた。
僕とほとんど変わらない年齢でありながら、既に日本映画界の名バイプレイヤー。普通は60歳くらいになるとそんな存在になるとは思うのだが・・・。
本作品は笑福亭鶴瓶が演じるニセ医者の過疎の村の住民との生活を通して、人の善意や悪意(そうではなくずるさ?)を描いている。
僻地の医者不足や過疎化、高齢化など現実の社会問題をクローズアップさせながら、それを嫌味ではなく温かい視線で作られている。そのためか、おおよそ予測できるラストシーンも愛らしく感じたのかもしれない。
結局はどんな存在であれ、人と人は繋がっており、その背景には言葉にできない信頼がある。それは100%になる場合もあれば、50%を下回ることもある。同じ対象だとしても状況により変化するものでもあろう。
このような映画を見るとつくづく日本映画は素晴らしい。そして、好きなんだと改めて実感する。
家庭内で2時間のTV画面使用枠を確保するのが難しい昨今ではあるが、眠い目をこすってでもコンスタントに確保していきたいとDVD鑑賞後、感じたのであった。

電通とリクルート

電通とリクルート (新潮新書) 電通とリクルート (新潮新書)
(2010/12)
山本 直人

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巷で話題になっており、気になって手に取った一冊。
大げさに言えば、名大社は広告代理店として電通的な要素を持っており、また、メディアとしてリクルート的な要素を持っている会社である。そんな意味でも大いに刺激を受けた。
高度成長期において広告の「拡声と伝達」機能が消費の拡大に寄与し、それを牽引してきたのが電通であるという。マスメディアを駆使し、その商品の価値を変換させる発散志向広告として広告全体をリードしてきた。
一方で、リクルートは就職や旅行など多くの選択肢から選ぶことを目的とし、その編集スキルで巧みな検索を行い業界をリードする「収束志向広告」で成長してきた。
著書の中にも、電通に代表される発散志向広告が、「買う人の納得」を追及する一方で、リクルートの手がけた収束志向広告は「稼ぐ人の納得」を掘り下げようとしたと書かれている。
なるほどと納得させられる。
しかし、広告という手段を各々違う手法で展開し、ユーザーの関心を引き付けてきた両社だが、インターネットの出現と消費行動の変化でこれまでのビジネスモデルも変換してきたようだ。
広告が意味を書き換えていた時代は、その作り手が意味を教えていた時代ともいえるが、今は、モノの意味は人々が決めていく。本来、広告の持っていた創造された感性やストーリーは失われてしまったようである。
著者の山本氏は博報堂の出身で制作面では電通と競合し、人事の仕事ではリクルートと一緒に業務を行った方である。
両社の特徴を明確に分析し比較しながら、最終的には広告論として繰り広げられているといってもいいのではないか。
そして、今後、この両社が、また業界の末端である我々が広告という情報とどのように向き合っていくかが書かれている。
もしかしたら、この先に広告という名称は全く別のものとして取って代わるのかもしれない。広告と情報との垣根がなくなり、全てが広告であり、全てが情報という時代が来るのかもしれない。
「情報は未来を約束しない」
この言葉に多くの意味が隠されているようでならない。

映画「ソーシャル・ネットワーク」

何かと話題のFacebook。
2ヶ月ほど前に僕もスタートさせたが、まだまだ使いこなすには時間がかかりそうだ。しかし、周りの状況を見るとその勢いが手に取るようにわかる。
先日の新聞にもアクセス数はGoogleを超え世界一だと掲出されていた。
そのFacebookの誕生秘話を描いたこちらも話題の「ソーシャル・ネットワーク」を観賞してきた。映画ファンとしての興味と共に、今後の自社のビジネスにも参考になるのではという浅はかな考えもこの映画を観た理由の一つである。
公開間もない事もあり、内容には触れないが、まるでアクション映画のようなスピード感のある映画だった。とはいえ、アクションシーンは存在せず、ひたすら早口でしゃべっている映画だ。ただ冒頭から映画に引き込まれ、2時間という時間は全く長く感じることはなかった。
ビジネスの参考になったかどうかは微妙だが、理解できたのは一人の天才がいれば世界を変えることができるということ。その情熱があれば、世の中を制する事ができるということ。
そのキッカケはとてつもなく単純だとしても・・・。
一般的に自伝的映画とか成功物語というのは、その主人公が一丁上がりといった存在になってから制作されるケースがほとんどだと思うが、この「ソーシャル・ネットワーク」は、会社がまだまだ成長過程である段階で作られているレアな映画。その発想や展開自体が僕には衝撃的である。
ネット社会を中心としたスピードは、この映画の意味さえも創り上げてしまうのかもしれない。
つい先日もゴールデングローブ賞の作品賞も監督賞も受賞。アカデミー賞の最有力候補だともいう。
しかし、思う。
この映画が本当に評価されるのは5年後もしくは10年後じゃないかと・・・。
その時、Facebookは一体どんな存在になっているのだろうか。
そして、この映画は古くさい時代の産物として捉えられているのだろうか。

キネマ旬報ベストテン2010

先日の新聞に2010年のキネマ旬報ベストテン結果発表が掲載されていた。
毎年、この発表を大変楽しみにしている。学生時代は映画を制作していた事や相当量の映画を観ていた事もあり、一時期は愛読していたこのキネマ旬報。卒業後は映画を観る本数もすっかり減り、キネマ旬報もベストテンの特集号を購入する程度になってしまったが、これが今は僕と映画を結びつける唯一の存在でもあった。
そして、今年の結果はこの通り。
■日本映画
1位 悪人
2位 告白
3位 ヘヴンズ ストーリー
4位 十三人の刺客
5位 川の底からこんにちは
6位 キャタピラー
7位 必死剣鳥刺し
8位 ヒーローショー
9位 海炭市叙景
10位 ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う
■外国映画
1位 息もできない
2位 インビクタス/負けざる者たち
3位 第9地区
4位 白いリボン
5位 ハート・ロッカー
6位 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
7位 クレイジー・ハート
8位 冬の小鳥
9位 スプリング・フィーバー
10位 インセプション
この中で見た映画は、寂しい事に「インビクタス/負けざる者たち」と「ハート・ロッカー」のみ。
日本映画はゼロである。僕はどちらかといえば日本映画ファンであり、いくら本数が減ったとはいえ、これまではベストテンの2~3本は観ていた。
これが何と今年はゼロ。タイトルを聞いても全く知らない映画もある。外国映画なんて半分も知らない。昔は映画に詳しいのが自慢であったが、全くを持って情けない状態である。
「悪人」や「告白」も観たかったが、ドタバタのうちに機会を逸してしまった。これでは感性が衰えるのも無理もない。話題にもついていけない。
仕事を言い訳にするのではなく、今年は秀作といわれる映画をせめて5~6本は観たいと思う。
これも目標のひとつかな。

[実学・経営問答]人を生かす

[実学・経営問答]人を生かす [実学・経営問答]人を生かす
(2008/07/15)
稲盛 和夫

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今や日本航空の会長も務める稲盛和夫氏。外部者として、この旧態的な大企業に関わるのはかなりしんどいであろうと思う。ここに書かれている内容を実践する事も容易ではなさそうだ。
この著書では、稲盛氏が主宰する盛和塾の塾生となる経営者の悩みに対してアドバイスする形式を取っている。そのためか、一般的なビジネス書に比べるとかなり読みやすい。
ここでは主に二代目、三代目にあたる経営者のそれぞれの会社で業務を遂行する上で発生する悩みや課題に対して、自己の経験から辿りついた哲学や考え方を指南している。
評論家的やコンサルタント的に回答しているわけではないので、非常に説得力がある。
京セラの経営理念にもなる「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」が、哲学の基本となっているため、全ての回答にブレがない。その哲学とは心の座標軸を言い、これがあるかないかが最終的な決断の決め手になるという。
「心の座標軸」。
奥の深い言葉である実感すると同時に、自分の座標軸はどこにあるのか、明確にできていない自分の未熟さを感じることとなる。悩み抜く経験を更に積み重ねないとその領域には届かないという事であろう。
ここでは、最後にリーダーの役割10か条が著されている。
1.事業の目的意義を明確にし、部下に指し示すこと
2.具体的な目標を掲げ、部下を巻き込みながら計画を立てる
3.強烈な願望を心に抱き続ける
4.誰にも負けない努力をする
5.強い意志を持つ
6.立派な人格を持つ
7.どんな困難に遭遇しようとも、決してあきらめない
8.部下に愛情を持って接する
9.部下をモチベートし続ける
10.常に創造的でなければならない

手帳にも貼り付けて、常に意識する必要もありそうな10か条である。

就活エリートの迷走

就活エリートの迷走 (ちくま新書) 就活エリートの迷走 (ちくま新書)
(2010/12/08)
豊田 義博

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著者はリクルート出身。リクルートブックの編集長を経て、リクルートワークス研究所の主任研究員を務める。
ある意味、いまの就職活動の流れを作ってきた一人だ。
この著書を読む限り、これまでの自らの事業を否定し自戒しているようにも思われる。
就職活動がインターネット中心の時代となって、10年ほど経過する。学生にとってのメリットとしては、容易に情報収集ができ、容易に興味ある企業へ応募ができる。
学生に以前のせっせとハガキを書く時代の事を話をしてもピンとはこないようだし、何故そんな面倒な事を・・・と思うくらいである。
その容易さがもたらしたものは効率的な活動とともに、企業との重要な接点や魅力の理解度を不足にさせている面も多いと思う。これが、就職してからのその後に影響しているようだ。
最近は就職戦線や環境の弊害ばかりがクローズアップされるが、ここではその先にある就職戦線勝ち組、すなわち就活エリートの苦悩を描いている。就活エリートが第一希望の企業に入社したものの、その企業でヤリガイを見出せず離職する姿は想像以上に多いという。
いくつかの原因が考えれるが、その一つに自己分析やエントリーシート、面接のあり方もあるようだ。
「やりたいこと」を追求するばかりに、会社には入ってからのギャップが大きな理由なのだ。大企業であろうと中小企業であろうと自分のやりたい仕事にありつけるケースはほとんどないのが現実である。
全ての新入社員が希望する部署に配属されるのはあり得ない話だし、それを理解して入社するのが当然だと思うが、昨今はそうでもないようなのだ。
自己分析で「やりたい事」をあぶり出し、面接でも「やりたい事」をトコトン突き詰めて答えを出す。それは何十年も働くビジネスマンからみても理想の姿になっている。それを追い求め、社会に出て挫折するのだ。
理想を追い求めるのは大切だが、理想の仕事ができる環境なんて、すぐには与えられる事はない。
こう考えると、我々就職情報に携わる者は、自分達のコンテンツの提供や情報の伝え方も考え直さねばならない。それがクリアされれば上手くいくという単純な問題でないのは承知の上でも情報のあり方を見直さなければならない。
今すぐ取りかかれる事として、少なくとも自社の採用については「やりたい事」のギャップを正直に話し、その中で仕事を学び、キャリアを積む重要性を伝える事だ。
「最近の若い奴は・・・」と言うばかりでなく、仕事の本質、無駄とも思える行動の価値をしっかり理解させるのも我々大人の役割と感じた1冊であった。

20歳のときに知っておきたかったこと

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
(2010/03/10)
ティナ・シーリグ

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名大社の年末年始休暇の課題図書である。
率先して一番に読んだ。
勇気を与えてくれる一冊。自分次第でどんなチャレンジでも出来るし、可能性も持てる。それは心持次第で大きく変わるのだ。
どうしても厳しい環境下の日常を送っていると自らのプランやアクションに消極的になることも多い。
人にはピンチをチャンスに代えろと言えても、自分の中では保守的だったりする事もある。それを上手い具合に優しい言葉で否定してくれ、前へ進むために背中を押してくれる。
成功と失敗、革新と保守、基本的に人はその両方を兼ね備え、その時々の状況や心境でその比重が変わってくるように思う。
常に希望を持ち続け、決意し続けるのは難しい事なのだ。しかし、それは相手がある難しさではなく、自分の中だけに存在するもの。となると、その難しさは自分の中の壁ということ。

「まず必要なのは、問題は必ず解決できる、という気概を持つこと」
「たったひとつだけルールがあるとすれば、あなた自身がエネルギーと想像力を解放してあげればどこでも行ける」
「訪れた機会を歓迎をする、チャンスが舞い込んだら最大限に活かす、身の回りの出来事に目を凝らす、できるだけ多くの人たちとつきあう、そして、そのつきあいをできるだけいい方向で活かす」
「光り輝くチャンスを逃すな」
「光り輝くとは、いつでも期待以上のことをすると決意することです」

こんな文章で勇気を与えてくれる。
そう、まずは個人として光り輝かなくてはならない。そうすれば、自ずと回りも光り輝いてくる。まだまだ閉塞感の中に縛られ、一定の枠内でしか発想ができない自分がいるのも事実。
しかし、いくつになっても変えられると信じなければならない。
全く話はずれるが、本日、NHK「日本の、これから 就職難をぶっとばせ!」に出ていた学生らにも読んでもらいたい。

自分らしいキャリアの作り方

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書) 自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)
(2009/08/18)
高橋 俊介

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著者の高橋俊介氏は「人材マネジメント論」を読んで以来、ファンというレベルではないが、ちょくちょく作品を拝読している方。
自分の仕事に対して向き合う時や仕事の価値観について考える時など、参考にさせてもらうことが多い。
今回の著書も自分自身の勉強にもなった。また、学生や若年者にキャリアの捉え方を話す場合にも役立ちそうである。
以前、拝聴した講演でも同じような話があったのだが、キャリアアップしていく段階で、無駄のない合理的なキャリア形成などないということをここでも強調されていた。
キャリアは目標で作られるものでなく、習慣で作られるのいう考えにも賛成だ。人との出会いや世界経済の動向など、様々な要素が複雑に影響し合って、作られるのがキャリアだという。
自分を例に例えるならば、まさにその通り。今の自分がこのような場で存在するのも、日々の習慣であり、多くの人との出会いであり、目の前の景気・不景気を経験してきたからこそだ。
それが正しいかどうかはともかく、スキルアップ=未来への目標設定=キャリアという多くの方が抱く考えに違う観点を入れなければならない。
特に就職活動における学生にはそのような点が見られがちだし、やりたいことを決めないといけない強迫観念が、学生を縛りつけているのかもしれない。
著者が書かれているように、やりたいことを絞るのではなく、やりたくないことを減らし、いろいろと経験しながらやりたいことはこれだったのかと気づくのが、理想的なキャリアの築き方なのだろう。
そんなことを今の学生や若年層に伝えていくのも僕らの仕事になるのであろう。
今回の「自分らしいキャリアの作り方」は、BOOKOFFで購入した。暇があるとぶらっと立ち寄るのだ。
また、これまで自分が新刊で購入した本をBOOKOFFに売ることも多い。中には、赤線を引きまくった本も多く、それは現金化できない悲しい取り扱いを受けていた。(当たり前だが・・・)
今回の著書、なんとページのある部分が所どころきれいに裁断されていた。見た目には全くわからない。きっと検品する担当も気づかなかったのだろう。
「やられた~」という思いと同時に、どんないいことが書いてあるのだろうと気になって仕方がない。
勉強にはなったが、中途半端な思いも残った1冊であった。