[実学・経営問答]人を生かす [実学・経営問答]人を生かす
(2008/07/15)
稲盛 和夫

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今や日本航空の会長も務める稲盛和夫氏。外部者として、この旧態的な大企業に関わるのはかなりしんどいであろうと思う。ここに書かれている内容を実践する事も容易ではなさそうだ。
この著書では、稲盛氏が主宰する盛和塾の塾生となる経営者の悩みに対してアドバイスする形式を取っている。そのためか、一般的なビジネス書に比べるとかなり読みやすい。
ここでは主に二代目、三代目にあたる経営者のそれぞれの会社で業務を遂行する上で発生する悩みや課題に対して、自己の経験から辿りついた哲学や考え方を指南している。
評論家的やコンサルタント的に回答しているわけではないので、非常に説得力がある。
京セラの経営理念にもなる「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」が、哲学の基本となっているため、全ての回答にブレがない。その哲学とは心の座標軸を言い、これがあるかないかが最終的な決断の決め手になるという。
「心の座標軸」。
奥の深い言葉である実感すると同時に、自分の座標軸はどこにあるのか、明確にできていない自分の未熟さを感じることとなる。悩み抜く経験を更に積み重ねないとその領域には届かないという事であろう。
ここでは、最後にリーダーの役割10か条が著されている。
1.事業の目的意義を明確にし、部下に指し示すこと
2.具体的な目標を掲げ、部下を巻き込みながら計画を立てる
3.強烈な願望を心に抱き続ける
4.誰にも負けない努力をする
5.強い意志を持つ
6.立派な人格を持つ
7.どんな困難に遭遇しようとも、決してあきらめない
8.部下に愛情を持って接する
9.部下をモチベートし続ける
10.常に創造的でなければならない

手帳にも貼り付けて、常に意識する必要もありそうな10か条である。