ちょうど映画「MINAMATA ミナマタ」を観たタイミングで、
日経新聞の書評欄に紹介されていた。
また、何名かの友人も本書について触れていた。
運命づけられた1冊。
そんな大袈裟ではないか(笑)。

書籍の帯から映画の内容に近いのかと勝手に想像したが、映画の世界はほんの一部。
断片的な切り取りにしか過ぎない。
写真家ユージン・スミスとその妻アイリーン・美緒子・スプレイグの一生を描いている。

翻訳ではなく、石井妙子氏が取材やリサーチを繰り返し作り上げた重厚なノンフィクション。
著者の存在は初めて知ったが、実力あるノンフィクション作家。
これを機会に過去の作品も読んでみたい。
「女帝 小池百合子」は面白いのかな?。
誰か教えてもらいたい。

本書は大雑把に言えば3つの分類される。
ユージン・スミスの人生、アイリーンの人生、水俣病の軌跡。
この3つが上手くシンクロし、これまで知らなかった真実が僕にのしかかってきた。
「MINAMATA」も昨年観た映画の中では貴重な作品だが、
描かれている世界はもっと深く深刻。
その事実を知っただけでも十分に価値はある。

現代社会では考えられないが、高度成長期の日本企業や社会全般では当然の行為。
強者と弱者の関係性がここまで辛く悲しいものかと突き付けられた。
映画では社長一人が悪者だったが、実際はそんなわけでもなく、
政治を含めた社会全体がそんなムード。

むしろ正しさだった。
今の社会も何十年後に振り返ると
格差社会を引き起こした犯人が追及されたりして。

本書はどれだけ話題になっているのだろう。
僕の小さな世界では話題性はあるが、限られた世界のような。
もっと世に知られていい存在だと思う。
ノンフィクションと読む機会が減ったことを反省。
多くのジャンルを学ばないと・・・。

僕の感じ方にしかすぎないが、本書は映画を観てから読んだ方がいい。
順番は間違っていなかったと思う。
映画も書籍もおススメしたい。