一昨日にレイトショーで映画「あしたのジョー」を観た。
この映画の感想はブログに書くのは止めようと思っていたが、2日ほど経過し、何だか無性に書きたくなってしまった。尊敬するパフの社長のブログの影響もあるだろう。
CGを駆使した映画でありながら、生身の体は鍛えられた本物。多くの批評にあるように、力石徹こと伊勢谷友介の肉体には感動すら覚える。矢吹丈と対戦のシーンでは、映画の中の観客と共に「おお~っ」とため息が漏れてしまった。
それくらい観る者に強い印象を与える。散々叩かれたいる白木葉子役の香里奈も僕自身は決して悪くなかったと思う。
打ち合いのシーンでは、映画「ピンポン」を思い出してしまった。窪塚洋介と中村獅童のラリーのシーンを・・・。監督が同じ曽利文彦であることが大きな理由だが、打たれた顔のグニャッと曲がった姿は、この監督の得意とするものだろう。
全体通して、娯楽作品としては楽しめた。ただ、どうしても僕らの世代はアニメの「あしたのジョー」で育っているため、違和感を覚えることも多かった。
矢吹丈役の山下智久も丹下段平役の香川照之も好演はしているのだが、やはり「声」が全然違うのだ。
矢吹丈はあおい輝彦であり、丹下段平はあのダミ声なのだ。60年代後半あたりの時代設定は秀逸であったけれども。
その中で、力石徹は違和感を感じなかった。伊勢谷友介の眼差しは、いかにも力石徹を思わせ、あの語り口もストイックな態度も雰囲気を漂わせていた。
伊勢谷友介の存在を知ったのは、映画「雪に願うこと」だった。それまで全く知らなかったが、その映画で挫折した若者を好演し、何故か印象に残っていた。
あまりTVドラマに出演するわけではないので、一般的な認知は少ないかと思うが、昨年の高杉晋作役あたりから、注目度が高くなったのではないかと思う。活躍のフィールドも俳優だけではないようなので、個人的にも今後の活躍に期待したい。
それにしてもこの映画、ちょっと間違えれば下手なアイドル映画になってしまっただろうが、そこはしっかりとエンターテイメントの作品に仕上がった。
何より若い女性の観客だけでなく、僕よりも先輩の50歳代のオジサンたちが映画を観に来ていたのが、何よりの証しだろう。