著者の古屋さんとは2年ほど前にあるセミナーのパネルディスカッションでご一緒したことがあった。
頭の切れる優秀な方というのが第一印象。
その時は高校生のキャリアについてのディスカッションだったが、
様々なデータやご自身の調査からその現状について語られていた。

僕との共通点は同じ岐阜県出身ということ。
それしかないが、勝手に親しみを覚えていた。
きっとこんな若者がこれからの社会を作っていくと思っていた。
最近では中日新聞にもコラムを書かれている。

そうそう、名大社のニシダも毎月、中日新聞でコラムを書いている。
好評で今年も継続するらしい。
二人ともキャリアに対してのコラムだが、一人でも多くの方に読んでもらいたい。

若者の働き方に造詣の深い古屋さんが最近出されたのが本書。
僕自身が何となく感じていた面はあるが、
想像を超えた内容も多く、興味深く読ませてもらった。

今は間違いなく働きやすい時代になっている。
それは僕が若かった頃との比較ではない。
そんな過去はとうに参考にならない。
10年前と比較しても相当働きやすくなっている。

僕より上の世代からすれば、20代前半も20代後半も同じに映るかもしれない。
実際は大きく異なる。
環境が価値観を作るわけではないが、環境が後押しをしている面も少なからずある。
働き方も変わり、考え方も変わり、本書に書かれている状況に繋がる。

古屋さんは2015年に施行された「若者雇用促進法」がひとつのキッカケだという。
それにより2016年卒の学生からは厳しい目で企業の職場環境をチェックし、
それに伴い企業側も改善を行うようになったと。

そうなると定量的な側面が目立ち、互いにそこばかり目が行きがちなる。
肝心な定性面は置いてきぼりをくらったり、社内体制がおぼつかなかったり・・・。
特にスパルタで育ってきた50代なんて、もうそこに合わすのは難しい。
頭で理解している僕でもきっとそうなる。

そんな背景があるのは事実。
しかし、そこがクリアできれば解決できる問題でもない。
若者の多様化は僕らが思っている以上に進んでいる。

僕も学生に教える立場にあるが、
(一応ね)
仮に同じ大学の学生だとしても相当開きはあると感じる。

以前であれば大学ごとでレベル感(学力だけでなく意識や考え方)が近しい面はあったがそうではない。
そこも大きく二極化している。
成長意欲あたりが分かりやすいか。

成長意欲の高い学生は学生時代から多くの経験の中で、自分にとって理想とする働き方を描く。
もっともっと企業で活躍したい、多くを吸収したい。
そんな優秀な連中も多い。

それを許さないのが今の社会。
「ゆるい職場」に繋がる。
古屋氏によれば会社は好きだけど、離職する若者は多いという。
「不満」があって辞めるのではなく「不安」で辞めるのだ。

本書にはこのあたりのことが詳しく書かれており、納得せざるを得なかった。
他にも若者の特性やその中での育成方法も言及しているので、ぜひ、読んでもらいたい。

組織を束ねる経営者、マネージャーもそうだが、
僕らのような人材ビジネスを行う事業者は知っておいた方がいい。

それも理由のひとつになるが、
僕が会長を務める「ふるさと就職応援ネットワーク」の例会で古屋さんに講演頂く。
今からとても楽しみ。
少なくともFネット加盟会社のトップは課題図書だね。

いい勉強になりました。
ありがとうございました。