七つの会議 七つの会議
(2012/11/02)
池井戸 潤

商品詳細を見る

またまた読んでしまった。池井戸氏を・・・。偏った読書は禁物だが、書籍広告を見て、つい書店で手にしてしまった。小説なら他にもいくらでもあるというのに・・・。
池井戸氏の作品はことごとく企業内の絡み合った人間関係を描いている。登場人物の大半は、エゴの塊であり、保身であり、組織に対して都合よく体裁を整える者が多い。はっきりいって腹立たしい人物ばかり。しかし、そんな人物も卑劣というよりは、目の前の小さな栄光に執着するか弱き存在がほとんどなのだ。
同情しなくはないが、その行動が許されるとは少しも思わないし、絶対に許してはいけない。
本書のテーマはなんだろうか。
大組織の弊害なのか、正義の解釈なのか、信の仕事の目的なのか・・・。
正直なところ、これまで読んだ著者の作品の中では、一番しっくりこなかったのが本書。巧みに繋げられる人間関係の描き方など、本書ならではの面白さも多い。この作品が良かったという書評も多い。僕がこれまでの作品に比べスッキリしなかっただけで、否定することではない。その証に一気に読んでしまったし・・・。
深く考えているわけではないが、それは何故かと言えば、組織や会社に対する僕の考えとこの小説の舞台となる会社 東京建電の考えが真逆だからだろう。
多分、世の中的にこの東京建電と同じような会社はほとんど存在しないと思うが(そうでもないかな・・・)、どうしても受付けないのだ。
ストーリーに一切触れていないので、何のことかさっぱりわからないと思う。参考にもならない。いつもこんな書評で、申し訳ないです・・・。
就職活動を迎える学生が読んだら、会社や仕事への前向きな気持ちは萎えてしまうだろう。決してそんなことはないから心配なく・・・。
でも、そんな気持ちになったら、「下町ロケット」を読めばいい。
何だか上手くできているな(笑)。