つくづく歴史を知らないと改めて感じた。
舞台は第2次世界大戦下のドイツ。
当時のドイツといえば独裁者ヒトラーのナチス政権でイメージはホロコースト。
ユダヤ人を中心に外国人に対して敵対関係が頭に浮かぶ。
当然、同じドイツ人は味方と思うのが普通の捉え方。
戦時中の日本を見ればわかるが、政府に反抗する者は非国民扱い。
本作も同様。
ヒトラーに反抗する者はアウシュビッツ並みの迫害を受ける。
独裁政権の恐ろしさを映画は教えてくれる。
タイトルにあるボンヘッファーは20世紀を代表するキリスト教神学者。
自らの信念を貫くためにナチス政権を敵に回す。
その態度はブレることはなく、どんな制裁にも正面から向き合う。
どちらが正義なのかは一目瞭然。
しかし、それは戦後何十年が経過してわかること。
当時の正義は圧倒的にナチス政権でありヒトラー。
反対意見を示した時点で逮捕されるし、場合によっては処刑される。
感情的な配慮はなく、感情的な憎悪が生まれるだけ。
そんな姿をリアルな映像を通し僕らに訴えかける。
相手を潰すことなんていとも簡単。
描かれるのはナチス政権の強圧的な政策。
観る側は間違いなく否定的に捉える。
昨今のドイツ映画はそこを言い訳することなく、
自国の非道な行為を認める作品が多い。
本作はそれとも微妙に違う。
映画が始まり、すぐに違和感を感じた。
舞台がドイツでドイツ人が出演しているのに言葉は英語。
外国語に疎い僕でもそれくらいは分かる。
大学時代の第二外国語の選択はドイツ語だったし。
それは関係ないか(笑)。
ボンヘッファーが留学したアメリカで英語を操り、ジャズに感化されるシーンは納得できる。
しかし、すべてが英語だとなんとなく違和感を感じてしまう。
それは日本人の僕が思うだけか。
「キングダム」でも日本人が演じ日本語を喋っているわけで・・・。
ドイツ映画と思っていたが、あとで確認するとアメリカ・ベルギー・アイルランド合作。
自国を批判する映画は他国の方がやはり作りやすいのか。
今年観た「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」は
忠実に当時に描き否定も肯定もしていなかった。
本作はドイツでも公開されているのかな・・・。
自らを信じ「ヒトラー暗殺計画」を立てた行動は時代と共に評価も変わる。
それを知っておくのも大切なんだろう。


