toke17021 (1)

単行本は買うつもりがなかった。
もったいないと感じたから・・・。
今回、文庫本が出版されたので読むことにした。

セコいと思われるかもしれないが、僕なりに本選びをしている。
何でもかんでもむやみやたらに買えばいいというものではない。

カジノで子会社から借り入れた総額106億円を使い切ってしまった真実は
スキャンダラスで面白いんだけど、もったいないと感じたのだ。

なぜ、もったいないと感じたのか。
単純にくだらない内容と想像したから・・・。
それでも読む価値はあると思う。
これも一人の経営者の姿であり、その辺のフィクションよりは相当刺激的。

一時期よりは話題性はないものの著者の井高氏は大王製紙の御曹司。
同族企業の3代目だ。
僕とは2歳しか年齢は違わない。
血筋や学歴は雲泥の差があるが、同世代。
環境は違うとはいえ同じ時代を生きてきた。
世代的価値観が合致してもおかしくはない。

しかし、残念ながら共感する面はまるでなかった。
だったら読まなければいいのだが、
反面教師の意味でも読んでおくべきと体が勝手に反応したのだ。

106億を賭博で使ってしまうなんて僕にはできることではない。
そんな勇気を持ち合わせていない。
しかし、可能性はゼロではない。
少なからず高揚感も味わいたい気持ちもあるだろう。
だが、それを楽しみたい勇気はない。

著者は言う。
「バクチをやる人間は、結局のところ皆バクチに向いていない。」のだろう。
皮肉なことに、「バクチをやらない人間ほどバクチに向いている」のである。

それが本当かどうかはわからない。
僕はギャンブルをやらないので、もしかしたら向いているのかもしれない。
どうでもいい話だが・・・。

井高氏には再生してもらいたいと思う。
井高氏を擁護する声もある。
きっと周りからは好かれる人物なんだろう。

しかし、こうも思う。
経営者として成功しても、華麗なる交遊関係があるにしても、
こんなふうになってはいけない。
間違いなく失格者。
それは間違いない。こうなってはいけない。