先週24日は第9回名古屋ファミリービジネス研究会。

今年で9年目を迎える本会も無事にスタートした。
あと1年で10年。
みなさんの協力のよりここまでやることができた。
区切りとなる第10回まではしっかりと取り組んでいきたい。
当日、都合の悪い方もあり例年よりは少人数だが、今年も新しく参加される方、
リピーターの方が上手く交じり合い上々のスタート。
経営者、後継者など立場の違いはあるが、自社をよくしたい気持ちは同じ。
少しでも同族企業の価値を高める場としていきたい。
9年経っても基本スタンスは同じ。
アップデートはしているが伝えることは大きくは変わらない。
それでも9年連続で参加頂く方、5回目となる方、昨年からの連続受講の方が
いらっしゃること自体、大きな価値があるということ。
いつものように最初は僕が同族企業の特徴を説明。
今年は今話題の映画「国宝」をネタにし、話をさせてもらった。
家系図を作成し血筋や家についても話をするが、
これから観たい方が耳を塞いでいたので、ざっくりとした説明に留めた。
公開中の作品をネタにするのは難しい。
話題性としてはいいが課題。
「お前の血をガブガブ飲みたい」
なんて象徴的なセリフだけど(笑)。
自己紹介をして頂き場を温めた後は、恒例のブランディング講座。
初回から一緒にこの会を運営する株式会社サンコーの櫻山社長の登壇。

中小同族企業と言えどもブランディングは大切。
櫻山さんは昨年、中小企業庁長官賞も受賞され、この分野の専門家としての活躍も目立つ。
自らも事業承継を経験され同族企業での重要性をより理解されている。
毎年アップデートしてもらっているが、
今年も新たな事例を含め分かりやすく解説してもらった。
僕は付き合いも長いし毎年当たり前のように拝聴しているが、新たな気づきもあった。
企業理念は当然のことながら事業戦略や採用においてもブランディングの考えは重要。
浸透させることで社員の誇りの醸成にも繋がる。
濃厚な時間を終え、恒例の懇親会。
毎年、お世話になっているコンダーハウスさんで今年も開催。
お酒を酌み交わしながら会社やプライベートまであちこちの話で盛り上がる。
全員に発表もしてもらい初回にして一体感も高まったんじゃないだろうか。
名古屋ファミリービジネス研究会の締めは「名古屋ナモ締め」。
岐阜から参加された初めての方も知っていた。

こうしてスタートした第9回名古屋ファミリービジネス研究会。
今年もいい流れになっていきそう。
半年間、どうぞよろしくお願いします。

映画を観ながら最初に思ったのが、なぜ1980年代後半?
1985年あたりを想定する理由が分からなかった。
主人公は11歳なので、今は50歳前後。
勝手に想像したのが、今、50歳になる女性の価値観の醸成。
この多感な時期を過ごし、今の世の中にどのように反映されているのか、
社会の仕組みとどう関わるのか、そんなことを考えてしまった。
調べてみると早川千絵監督は1976年生まれ。
自身の子供の頃の描いていたんだ・・・。
少なからず合っていたか。
本作はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門の出品作。
坦々とした映像や叙情的な雰囲気がカンヌ映画祭出品作をイメージさせる。
僕にバイアスが掛かっているのかな(笑)。
国際的評価と国内的評価が大きく異なる映画が多いし、半分はつまらないというのが僕の勝手な認識。
玄人受けはするが一般受けは難しかったりする。
僕は玄人なので作品の魅力も十分理解できる。
な~んて。
正直、共感できる面とイメージが追いつかない面と両方であった。
ただ、11歳サキを演じる鈴木唯の独特な存在感で飽きることなく観ることができた。
時に子供は残酷であり、時に大人以上に勇気があり冒険心が強い。
ためらうことなく行動する力を持っている。
当たり前だがまっとうな大人は理解できないし、幼稚な行為と判断する。
そのあたりの描写は上手かったと思う。
リリーフランキー演じる父親圭司と競馬に行くシーンがあった。
そこは岐阜の笠松競馬場。
「えっ、岐阜で撮影したの?」
と思いながら映画を観ていた。
エンドロールをじっくり眺めると撮影協力に芥見東小学校のテロップが流れた。
僕は芥見小学校の出身なので、隣の小学校。
学校内の撮影は芥見東小学校だった。
80年代を舞台にするのはこの辺りが最適と選ばれたらしい。
他にも長良川沿いの忠節橋や柳ケ瀬アーケード街でも撮影。
僕が子供の頃、何度か通院したみどり病院も。
全然知らなかった。
言ってもらえればエキストラや機材運びくらいやったのに・・・。
急に身近に感じたので、僕の中での評価はアップ。
大人は子供よりも単純なのだ(笑)。
母親役の石田ひかりもいいおばさんになった。
失礼ですね。
昔は似ていると思わなかったが、横顔はお姉さんにそっくり。
子供がどう育つかは親の影響が大きい。
僕はすでに遅しだが、純粋に育てるのなら親が健全じゃなきゃいけない。
そんなことも感じた作品だった。

韓国の人気俳優ってつくづく大変だと思う。
必ずといっていいほど、アクションを求められる。
やたら争うシーンが多い。
芸術性の強い作品ならいいが、
結構な頻度で戦争や事件に巻き込まれ肉体を駆使しなきゃいけない。
兵役の義務はこういった時にプラスに働く。
とどうでもいいことを思ったり・・・。
本作は脱北に挑む軍人の闘いを描く。
軍事境界線を警備する北朝鮮が舞台で、間もなく兵役を終える軍人の脱走劇。
北朝鮮の現状を描いているように思えるが、あくまでも韓国目線。
金正恩は観ることはないと思うが、北朝鮮側はどんな捉え方をするのだろう。
共感はあり得ない。
国批判とも受け取れるので、大きな問題にならないのかとそっちを心配してしまう。
公開されないだけで北朝鮮では韓国批判の映画が作られているのかな?
オープニングから勢いよく軍人は走り出す。
いきなり脱走かと思わせるが、そうではなくあくまでも入念な準備。
脱出ルートを深夜帯に見つけ出し地雷を防ぐ方法を探る。
脱北を試みて失敗する人が後を絶たないことを匂わせる。
1990年代、2000年代が背景かと想像したが、スマホが当たり前のように登場するので現代。
昨年観たドキュメンタリー「ビヨンド・ユートピア脱北」同様、これが現実なんだろう。
本作を観る視点はいくつかあると思う。
北朝鮮の独裁社会の息苦しさや生きづらさ。
国としての在り方を問う視点。
それは一切無視して、脱走兵が命懸けで逃れるシーンを描くアクション映画。
あの手この手で危険をかいくぐり韓国に向かう。
それを執念深く追いかける軍少佐。
お互いを知る2人の駆け引きも見どころ。
そんな視点も。
政治的な作品と捉えるか、娯楽エンターテイメント作と捉えるか。
その両方ともか。
観る側に委ねられる。
軍少佐がボソッと呟く言葉にすべてが凝縮されているとも思える。
本作も韓国だからこそ製作できる映画。
あらゆるネタを映画にしてしまう隣国の逞しさには感心する。
尊敬しないといけないかもね。
やってきました。
食べ物ブログファンのお楽しみ。
月末水曜ラーメンブログの日がやってきました。
期待に応えようと日々奮闘していますが、少々、疲れてきました。
それでも全国30万のブログファンのために今回も頑張っていきます。
向かったのは会社から北を歩き広小路通を渡ったところにある「ラーメン つけめん 藤虎」さん。

つい先月22日にオープンしたばかりのお店です。
僕の誕生日がオープン日となれば早々に向かわねばなりません。
こちらは以前、「カブ韓 fushimi」というお店でブログでも紹介していました。
季節限定のユッケジャンラーメンはお気に入りでしたが、いつの間にか閉店していました。
結構、賑わっていましたが、そうでもなかったのでしょうか。
あのユッケジャンラーメンが食べれないのは残念です。
こちらは飲食店のプロデュースを行う株式会社エフリードさんの新業態のようです。
しっかりとメニューを眺めます。

ここは人気メニューをオーダーすべきでしょう。
「すいません、レッドで博多麺のカタでチャーハンセットをお願いします。」
初めてですがスラスラ注文することができました。
レッド明太豚骨ラーメン+チャーハン 1430円


まずはそのままスープを頂きます。
かなり濃厚な味わいです。
しばらく食べてから中央にある明太子を溶かします。
スープが一気に刺激的な香りと味に変化します。
食べ進めるとご飯ものが欲しくなります。
チャーハンを注文して正解でした。
ラーメンとチャーハンを交互に頂き、チャーハンには高菜と紅ショウガを追加。
いろんな味わいを楽しむことができました。
てっきり1100円かと思っていましたが、1300円に消費税。
しっかりとメニューを見ないといけません。
なかなか豪華なランチとなってしまいました。
それでは今月のラーメンを紹介していきましょう。
辛みそ赤ラーメン

担々麺

特製ラーメン

味玉ラーメン

冷麺

冷やし担々麺

担々麺

今月は担々麺比率が高いとはいえバラエティーに富んだラーメンとなりました。
中旬からモーレツな暑さとなったため、
今シーズン、ランチで初めての冷麺を頂くことにもなりました。
この暑さでは今年はその量が増えるかもしれません。
来月も精一杯、励んでいきましょう。
ごちそうさまでした。

つい5年前の出来事を基に制作された作品。
配給はワーナー・ブラザース。
なぜこんな価値のある作品が日本の配給会社じゃないのか。
できればこんな作品は日本の会社に配給してほしかった。
官僚批判ともマスコミ批判とも受け取られることにリスクを感じているのか。
もっと正々堂々とあぶり出せると日本の配給会社の価値が上がると思うけど。
2020年2月のダイヤモンド・プリンセス号におけるコロナ感染のニュースは間近で見ていた。
世の中がコロナに振り回され始めた時期。
僕も忘れようにも忘れられない。
大いに悩んだ時期。
大型イベントを開催するか否か。
命を懸けて奮闘する医師や看護師らに比べれば、僕の闘いは小さいだろう。
2月のイベントは万全な体制を作り上げ開催したが、3月以降は中止。
会社も大きなダメージを受けた。
多くの方に迷惑を掛けたが、トップとしての正しい判断と今でも捉えている。
場所は異なるがお互い葛藤を繰り返してきた。
そう思うと無責任な外野が自分の都合だけでとやかくいうのは許しがたい。
自分では何もしない。
それも匿名で一方的に叩く。
その裏で懸命に仕事を続ける苦労なんて関心がない。
そんなシーンを見せられるだけで辛くなるし、
一方でそんな言動に屈することなく自らを信じて行動する方々には敬意と共に感動する。
本作のさりげないセリフにグッとくることが多かった。
本当は旦那には行ってほしくない。
しかし、使命感を止めることはできない。
どんなに非難を受けても正しさを優先する。
もちろん演出された面はあるが、その勇気を映画を通して改めて知る。
僕が見ていたニュースは一体何だったのだろう。
自分の力不足と捉えるしかない。
作品では実名で登場した藤田衛生大学。
愛知県を代表する医療系大学だが、当時のニュースでは軽く受け流していた。
どれだけ重い決断だったか。
非難と感謝も紙一重。
本当に大切なことは後から気づかされる。
本物のヒーローも当初は悪者だったりする。
錚々たる役者陣が派手に動き回る作品は得てして表面的に終わる場合が多い。
観る前は危惧していたが、全くの杞憂。
見事に役柄を演じ、深く感情移入をさせてくれた。
それは小栗旬や松坂桃李、池松壮亮だけではない。
イヤな上司の光石研もその一人。
僕が適役だと思ったのが窪塚洋介。
DMATの医師で感情に流されることなく重責を担っていた。
こんなに上手い役者だったのね・・・。
今年の日本映画は不作と思っていたが、最近になって「国宝」といい素晴らしい映画が続々と公開。
これから期待していいのか。
時にはルールを無視してでも優先しなきゃいけないことがある。
映画はそれを教えてくれるし、日本映画もそんな存在になってほしい。

今年5本目の韓国映画。
その中では一番爽やかで気持ちがいい作品。
本作も韓国ならではの歪んだ事情はあるものの、今までのような辛辣さはない。
これまでも面白い作品は多いが、どこか国を皮肉る要素があったりと。
僕はこの年齢になり青春映画はほぼ観ないし、共感度も薄くなってきた。
しかし、本作における男女間の友情は素直に受け入れ感情も持っていかれた。
舞台が日本でもいいと思うが、それだと違和感を感じてしまうのかもしれない。
バイアスが掛かっているのかな。
先月の韓国旅行したこともプラスに作用。
知っている街並みが登場するわけではないが身近に感じた。
本作は自由奔放でエネルギッシュな女子ジェヒと
ゲイであることを隠す寡黙な男子フンスの大学時代から社会人までを描く。
日本以上に韓国は男女格差があるのは映画からも容易に想像できる。
ジェンダーに対しての意識も同様。
日本もまだまだだが、韓国はより生きづらさを感じるのだろう。
そんな環境下で自分をストレートに押し出すジェヒとコンプレックスを抱えるフンス。
対照的な2人が生活を共にし友情を分かち合うことで恋愛とは異なる愛情が芽生える。
お互いにとってかけがえのないこと。
一見理解しがたい関係だが、なぜか観る側も不思議に思わない。
2人の個性と発する言葉に共感する。
否定する人もいるだろうが、本作においては少数派。
素直に応援したくなる。
学生生活は贅沢すぎるし、酒の飲み方も尋常じゃないが許してしまう。
やっぱりいつもチャミスルを飲んでいるわけね。
若者の不満を上手く発散させていた。
主役ジェヒを演じるのはキム・ゴウン。
正直な感想としてイマドキの韓国女優と比較すると可愛くない。
予告編や映画の途中までそう感じていた。
しかし、ストーリーが進み、彼女が大笑いし泣きわめきにつれ魅力的になる。
最後はとてつもなく愛らしく可愛らしい女性。
こんな青春映画なら60歳手前のオッサンでも楽しむことができる。
ただ、個人的な不満としてひとつ。
最後のフンスのシーンは必要だろうか。
トーンが変わったと感じてしまった。
感動的なシーンと捉える人もいるだろうけど。
昨年の「パスト ライブス 再会」は大人の恋愛映画だったが、本作はちょい大人の青春映画。
たまにはそんな作品もいい。
今回は特別編です。
みなさん、少しは期待されていたんじゃないでしょうか?
韓国・ソウルの食べ物ブログを。
えっ、行ったことすら忘れていた?
そんな声もあるかもしれませんが、これも仕事です。
せっかくなので代表的な一軒を紹介しましょう。
場所はソウルのこのあたり。

バスで移動しているので、正直、どのあたりかは分かりません。
自分の意志は一切なく導かれるままにお邪魔しました。

多分「眞ジョンボッサムゲタン」さんという店名です。
これほど韓国語が難しいとは思っていませんでした。
アプリ「Papago」で日本語変換するものの、それが正解か分かりません。
まずはビールで体を整えます。

といってもかなりのビール瓶が並んでいます(汗)。
韓国はCASS(カス)ビールかTERRA(テラ)ビールがほとんど。
軽くサッパリしているのでスイスイいけます。
そして必ず出されるキムチ。

朝昼晩食べてましたね。
こちらのつけ合わせもビールのお供です。

サムゲタン 20,000ウォン

確か20,000ウォンだと思います。
日本円だと2000円。
支払いはまとめてなので曖昧です。
本場のサムゲタンを頂きましたが、辛くはなく食べやすい。
高麗人参やなつめ、にんにく、しょうがなど入っているため、
夏バテ予防、風邪対策にぴったりのようです。
丸鶏の中にはもち米が入っており、これだけで十分お腹は満たされます。
こちらのお店はアワビも有名。

お土産としても販売されています。
意外とお値打ちですね。
他の食事も紹介しましょう。
韓国では自己主張せず提供される食事をありがたく頂きました。
こちらはTERRAビールときしめんのような麺類。


夜はサムギョプサルですね。


石焼ビビンバや冷麺も頂きましたが、写真は撮り忘れました。
海鮮祭りの日もありました。
かなり雑把ですが余ったらすべて鍋に放り込みます。



〆は辛ラーメン。
韓国のRCで頂いたビュッフェ。
正統派韓国料理でした。

離陸前の最後の時間はビールを飲みながらスパイシーチキン。

食べて飲んで、喋るのが忙しいと写真は撮り忘れるものですね。
人気食べ物ブロガーも海外では舞い上がり冷静ではいられないようです。
次回は詳細な食レポができるよう頑張ります。
ごちそうさまでした。
4月に「母校でも先生になったのだ」というブログを書いた。
愛知大学でキャリアを授業を担当し、春学期は毎週火曜日に大学に出向く。
320名もの学生が受けてくれるので、こちらも真剣に向き合う。
毎週、母校に通うのも新鮮。
それはそれでいいのだが、今月から南山大学でも授業がスタートした。
毎年受け持つ「自己とキャリアの形成」は今年で8年目。
南山大学はクオーター制の大学のため授業は週2回。
月曜と木曜に大学に通う。


そう、6月、7月は週3回、大学で授業することになった。
それは予め分かっていたこと。
今年前半は比較的時間に余裕があり、映画コラムニストの仕事ばかりしていた。
体力も温存していたつもり。
6月7月は温存した体力を使えばいいと安易に考えていた。
人生何かと安易に考える傾向があるのか、そうではないことが判明してきた。
両大学ともテツ&チカのコンビで授業を行うので、さほどキツいわけではない。
スライドも相方のニシダが作成してくれる。
ゲスト講師も招くので段取りさえしっかり組んでおけば問題ない。
想像以上にキツのはリアぺ。
いわゆるリアクションペーパー。
欠席する学生がいるとはいえ、
愛知大で250名前後、南山大で150名前後のリアぺが毎回提出される。
今の学生は真面目でリアぺはビッシリと書かれている。
僕のような学生はいない(汗)。
それを週3回、しっかりと読み切るのが結構大変。
思った以上に学生は真剣に自分の考えを書く。
僕らに対しての質問も多い。
いい加減に接するわけにはいかない。
真剣な学生にはこちらも真剣に臨む。
そうなるとかなりの時間を要することに・・・。
仕事がそれだけならまだいい。
当然のように普段の業務もある。
今、あちこちの役もあるのでそれにも対応しなきゃいけない。
7月からはかなり重い役も降りてくる。
いかん、映画コラムニストや人気食べ物ブロガーの仕事ができなくなる。
7月末にはひと段落するので少しの辛抱だが、当面、フラフラできない。
しかし、こんな機会を頂けるのはありがたいこと。
やれるうちはやっておかないと・・・。
週3日の先生はツラいなんて言わず、懸命に頑張っていきたい。
と思う。

何度も予告編を観ながら「この映画は観ないな」と自分で決めていた。
予告編がつまらなかったわけではない。
ありふれたラブストーリーと勝手に解釈したのだ。
本作はミリオン座で「我来たり、我見たり、我勝利せり」と同じ時間帯で上映。
当初は「我来たり~」にするつもりだった。
何となくキューブリックの「時計じかけのオレンジ」を思い起こさせた。
しかし、いかにも後味が悪そうなので本作を選択。
まあ、評価が高かったのも理由の一つだけど。
テーマとしては不変。
夫婦愛、家族愛がテーマでそこに最愛の人の死が押し寄せる。
先日の「ただ、愛を選ぶこと」と同じ。
愛する人を失くす辛さを描く。
ただどうだろう。
本作に悲壮感はない。
とても清々しい気持ちになる。
前向きに生きる勇気を与えてくれる。
そんなラブストーリー。
ネタバレしない程度にストーリーを説明しよう。
新進気鋭のシェフであるアルムートと、
離婚して失意の底にいたトビアスが偶然の出会いから物語は始まる。
僕は学生らに偶然の出会いの大切さを教えているが、この2人は交通事故。
アルムートの車にトビアスは轢かれる。
大怪我をしたトビアスと加害者のアルムート。
こんな偶然な出会いはおススメしないが、2人にとっては運命的な出会い。
そこから2人の生活がスタートし、いくつかの災難が襲い掛かる。
感情的なアルムートと冷静なトビアス。
時に激しいバトルもするが、そこさえも心地いい。
こんな状態で一緒に生活できるのならシアワセ。
シェフであるアムルートは世界を目指すが・・・。
といったところか。
解説にはもっとネタバレ的なことは書かれているが、ここで留めるのが大人。
映画でいえば夫役のトビアスかな。
どこかで観たことがある俳優だと思ったら、スパイダーマンだった。
積極的なのか消極的なのか、
恥ずかしがり屋なのか分からないのがむしろいい。
それはフローレンス・ピュー演じるアムルートが真っすぐだから。
迷いはするが自分の信念を貫く。
惹かれる理由でもあるだろう。
僕は初めて知った女優で最初はあまり興味が湧かなかったが、
徐々に魅力的になってきた。
彼女の愛らしくもたくましい生き方に魅了された。
タイトル通りだね。
ストーリーの派手さはないが、
現在と過去を行き来しお互いの関係性を交り合わせるのは巧みな演出。
大切な過去があるから今がある。
そんなことも感じた映画。
誰にとっても好まれるかもね。

日本映画にしては珍しくほぼ3時間の上映時間。
かなり長い。
観終わって思ったこと。
時間はまだ足りないんじゃないか。
もう1時間足して、前編、後編に分けての上映でもよかったのではないか。
そうすれば喜久雄も俊介もより深堀でき重厚さは増したのではないか。
そう思ったのだ。
主役喜久雄を演じるのは吉沢亮、俊介を演じるのは横浜流星。
大河ドラマで主役を張る2人が作品をグイグイと引っ張った。
カギとなる俊介の父半二郎を演じた渡辺謙も同じか(笑)。
大河ドラマ「べらぼう」では親子じゃないけどね。
若手俳優代表の2人だが、本作がこれからの活躍を更に加速させるのではないか。
それだけ2人の演技には圧倒された。
特に吉沢亮はここまで才能溢れる役者とは思っていなかった。
すみません・・・。
昨年の「ぼくが生きてる、ふたつの世界」も良かったけど。
歌舞伎には疎いので、歌舞伎役者としてのレベルは分からないが、素人には圧巻。
一年半の稽古を積んだというが見応え感も十分。
演技の中の演技に吸い込まれた。
横浜流星は吉沢亮の陰に隠れるが彼の万能さも十分伝わった。
役者の演技ばかり書くのもよろしくない。
本作に触れよう。
描かれるのは歌舞伎の名門の当主に見いだされた父親を亡くした喜久雄の半生。
ざっと1964年から2000年代まで。
細部にこだわる時代背景が同時代を生きる自分たちともオーバーラップしていく。
想定すると僕より15歳ほど上かな・・・。
実話をベースにしたといわれても誰も疑わない。
歌舞伎界は純然たるファミリービジネス。
その血が全てという世界。
生まれながらに跡継ぎになる者も才能を見出され後継者に選ばれた者も
それぞれの葛藤が互いの関係にひびを入れる。
一般的な事業承継より厳しい世界。
伝統や文化を継承するとはそんなことなのか。
究極のファミリービジネスといえるだろう。
だからこそ一筋縄ではいかず、壮絶な人生を生み出す。
最後の最後はどこまで自分に向き合えるかだが、芸にも反映される。
そのシンクロが素晴らしく観る者を魅了する。
今年の日本映画は見応えのある作品が少なかった。
そこそこ面白い作品はあるが、グッと押し迫り感動を呼ぶ作品はなかった。
ようやく今年もそんな作品に出会うことができた。
やはり日本映画はいいね。
瀧内公美があんなシーンで登場するのも日本映画ファンは喜ぶ(笑)。
3時間の予定を都合つけてもらいたいね。