とうとうこの日がやって来た。
いつかはくるだろうと思っていたが、まさかこんなふうに訪れるとは予想していなかった。
遂に会社を休んでしまったのだ。

1989年に入社して以来、24年と半年、一度も病気等で会社を休んだことがなかったが、
今週の水曜にこの日が来てしまった。
会社を休まないことが僕の唯一の自慢であった。

いろんな場で自己紹介する時にも

「はじめまして!名大社の山田です。●●で××です。ひとつだけ自慢したいことがあります。会社に入って24年間、一度も休んだことがありません。遅刻も1年目に二日酔いで立てなかった1日があるだけで、
あとは無遅刻無欠勤です。体力と精神力だけでこれまでやってきました。ガハハ・・・」
「わ~、すご~い」ザワザワ・・・

自己紹介のネタとして使っていたし、このネタをいいことに休んだ若い社員をいじめたりした(笑)。
しかし、この唯一の自慢ネタもここまで・・・。
これで使えなくなってしまった。
会社をリタイアするまでは持たないとは思っていたけど、あっけなく終わってしまった。

 

火曜日のことである。この日は朝から胃の痛みがあり、調子が良くなかった。
多分、もっと前から前兆があったのだろうが、鈍感すぎてわからない。
前日はほとんど飲んでいないこともあり、二日酔いではない。当たり前だ。
昼食もうどんで済ませ(それでも天ぷらをセットで頼んでしまったのは誤算)、
胃薬を飲むも一向に良くならず、むしろ痛みは増していった。

夕方の打合せ段階では、胸が圧迫され何とも居心地が悪い。
夜の予定もあったのだが、こちらは取り止め早めの帰宅。
自宅に近い病院に行き、診てもらったが、よく原因は分からず、薬だけもらい帰ってきた。

翌日からは東京への出張があったため、薬を飲んで早々に就寝。
しかし、一向に眠れない。どんどん胸が痛くなってどうにもならない状態になってきた。
「このまま放っておいてはやばいな。」と危険を察し、救急病院へ嫁さんと一緒に出向いた。

受付を済まし、しばらく待っていると車椅子を用意した看護士さんが「こちらへどうぞ。」という。
「えっ、車椅子に乗るの?」と思いながらも素直に従い、運ばれるように診察室へ移動。
胸が痛いことは、心筋梗塞と受け取られるようだ。
そこから2時間近く、あちこちを診察された。
幸い心臓には異常はみられず、最悪な状態は避けられたが、他はどこが悪いかは分からない。

痛み止めの薬をもらい、翌朝(じっさいは当日)、もう一度、診てもらうことに。
帰宅後、水曜の予定はキャンセルした。楽しみだったふるさと就職応援ネットワークの若手社員研修も諦めた。

痛み止めを飲むものの胸の痛みは一向に治まらず、ほとんど夜は眠ることはできなかった。
朝一番で再び病院へ。大病院の待ち時間は長い。
受付から1時間半後に診察。結局、翌週、胃カメラを飲むことだけ決まり、薬をもらって帰宅。

その日はほとんど寝ていた。翌日も少しは楽になったとはいえ、とても仕事できる状態ではなったので、
全ての予定をキャンセルし、一日中寝ていた。
この二日間で何日分寝ただろうか・・・。

嫁さんには心配を掛けてしまった。
救急の時も翌日も全て運転手をやってもらい、付き合わせてしまった。
改めて感謝ですね。

昨日の転職フェアはTV局の取材もあったので、
会場に出向いたが、ほとんど役立たずの状態だった。

もっと体を大切にしなければならない。
決して過信していたわけではないが、こんな状態になるといかに酷使していたかがよく分かる。
きっと唯一の自慢に胡坐をかいていたんだな・・・。

これから先に唯一の自慢をもう一度作るのはムリだろう。
だとしたら、一年に1回くらい無理に体を休ませてもいいのかもしれない。

でも、自慢することが何もなくなってしまったのはかなり淋しい。
わかってはいるんだけど。他に何かないかな・・・(涙)。