夏季休暇中は一度も映画館に足を運ばなかった。
例年は間違いなくこの期間は通っているし、
9連休もあれば時間を持て余し顔を出すのが恒例。

しかし、今年は外出を自粛したことと
観たい作品が少なかったことから、一度も行かず。

結局、Amazonプライムで数本観た限り。
その1本が本作。
この休暇中の課題作といっていい。

以前からウオッチリストに放り込み、その機会を窺っていた。
そんな大袈裟なことでもないが、かなり気になっていた作品ではあった。
ただどんな内容かは知らず、その評判だけを耳にしていた。

映画はそれでいい。
僕のこのブログを読んでも映画の中身が全く分からないように、
ネタバレしては映画の楽しみが半減してしまう。

気になる作品は映画評論仲間が批評しようがそのコメントはすっ飛ばし、
後から読むようにしている。
本作もそんな見方に相応しい作品。

時代設定も含め良きアメリカ映画を醸し出す。
それはFX技術に頼らない映像美であり、役者陣の華やかさ、美しさ、繊細さ。
背景は1950年代。
原作も含め、当時では受け入れられないストーリーだが、
僕はその描き方にクラクラし、ピュアな恋愛映画に心を揺さぶられた感覚。

中でも主役のテレーズを演じるルーニー・マーラが可愛くてしかたない。
チャーミングという言葉が久しぶりに浮かんだ。
彼女のせつない表情、喜びを隠せない表情は中年オヤジを惑わす。
そして、あんなシーンも・・・。

それだけでも映画を観る価値はあるが、映画の魅力はもっと別のところにある。
誤解を生みそうな関係性が美しいもの以外何ものでもない。

2015年の公開当時、僕は本作を知らなかった。
大きな話題にもならなかったと思う。
それはどうPRすればいいのか配給側の難しさがあったんじゃないかと自分勝手に思う。
2020年が舞台ならまた別の観点が働くだろうけどね。

公開から5年経過しているので、
ネタバレも問題ないかとは思うが、ここでは止めておこう。
男性も女性も、それも黄昏つつある年代は観るべきだろうね。