舞台はノルウェー・オスロ。
映画を観ながら、ここはどこだろうとずっと考えていた。
言語もいくつかの言葉が交じり合う。

スウェーデン語とノルウェー語は違いも含め何も分からない。
時折、英語が混じり、英語を話していることは理解できるが意味は分からない。
そう思うとヨーロッパ人はいくつかの言葉を操り凄いなと・・・。
(もちろん全員ではないが)

そんな異国の言語だが、親が与える影響は万国共通。
健全な親からは健全な子が育ち、何か事情があれば子供も近いものを抱える。
血を継ぐことでもあり遺伝に近いともいえる。
そこに存在するのは「家」。
どんな家で育つかで思考や価値観は形成される。
親に対する愛情や憎悪も。
フランクな親子関係と勝手にイメージするヨーロッパでも同じ。
僕らが親に抱く想いと変わらない。

映画はそこがややこしい。
映画監督の父親と女優である娘。
父親は娘が子供の頃に家庭を捨て出ていった。
母親の死後、父親は娘との関係性を映画の中で果たそうと考える。
簡単に解説すればそんな物語。

そこにいろんな感情が入り交じり関係性が複雑になる。
親子の葛藤に観る側は緊張しオドオドさせられる。
冷静に判断すればスムーズに進む話も感情が蓋をして閉ざしてしまう。

きっとそれも親子。
頭で理解できても行動が伴わないのは誰にでもあること。
映画はそれを教えてくれる。

映画の中で作られる映画がその事実を忠実に表現しようと試みる。
無責任に鑑賞すれば自分勝手な父親と感情的な姉、
物わかりのいい妹のちょっと悲しいヒューマンドラマで終わる。
そこに時代性や環境、お金も絡むので単純では済まない。
だから映画に吸い込まれていく。

本作は第78回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。
そして今年のアカデミー賞では作品賞をはじめ8部門にノミネート。
その割にはあまり話題になっていないような・・・。
派手さやインパクトがないからかな。

個人的には妹役のインガ・イブスドッテル・リッレオース、
女優役のエル・ファニングがチャーミングだった。
彼女は「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」にも出てたんだね。

子供に恨まれない父親でいなきゃいけない。
そんなことを思わせてくれた作品だった。