昨日、名古屋駅前のミッドランドスクエアシネマのレイトショーで鑑賞。根拠はないがレイトショーで観るには相応しい映画であった。
この映画の原作を読んだのが大学4年生の時。
今から23年も前の話である。卒業間際の時期で社会に対する期待感や不安感をこの原作に投影していたような気がする。その情景を覚えているくらいで、肝心な中味はすっかりと遥か彼方へ飛んでおり記憶にない。
ただ妙に感傷的になっていたと思う。
原作の川本三郎氏はその当時書いていたキネマ旬報のコラムに惹かれ、発売間もない頃に購入し読んだはず。そんな記憶だ。
それから20年以上経過した後の映画化である。何故この時期に映画化されたのか全くを持って不思議であった。今更、全共闘でもないなという思いもあった。
しかし、映画を観て、ワイシャツの下のランニングや、やたらめったらタバコを吸うシーンから時代的ギャップは感じるのだが、その若者が発するフラストレーションは違和感を感じなかった。
(僕自身も70年代はよく知らないが、その時代背景の映像は見事だった。)
時代に対する閉塞感という意味合いにおいては共通するのかもしれない。それだけでもこの時期に映画が公開されたのは意味があるようにも思える。
そして、ラストシーン。
原作を覚えていないので映画の通りであるかは定かでないが、そのシーンが示すものは大きい。
オフィシャルサイトを見ると「大ヒット公開中」と表示されているが、きっとそれはないと思う。いくら人気二大俳優を使おうとも・・・
(失礼!)
だが、時代が繰り返される中で、その時々に発せられるメッセージとして必要な映画だとも思う。