殺し屋が主役のアクション映画。
007シリーズさえ観ていない身としては珍しい選択。
ただこの類の作品ではかなり風変りといえるだろう。

主役の殺し屋は間もなく70歳を迎えそうな年齢。
それもアルツハイマー病で記憶を失くしていく自覚がある。
それでも依頼された任務を確実にこなす・・・。

映画を観ながら、なぜか思った。
日本なら北野武監督が撮りそうなストーリーじゃないかと。
正確かつ冷徹、圧倒的な強さを誇る殺し屋が年齢を重ね、
老いゆく自分に抱く感情がなんとなく北野武的かと。
彼が作るヤクザ映画もそんな要素を持っていると思うし・・・。

アクションや舞台設定だけみればB級作品。
さほど新鮮なテーマでもない。
驚くようなアクションシーンがあるわけでもない。

裏で糸を引く大物。
それに迎合する警察幹部。
それに抗う現場。
まあまあよくありがちな設定。

しかし、そんなシンプルな流れがあるからこそ、
アルツハイマー病殺し屋の生き様が際立ちカッコよく思えてしまう。
なぜここまで殺し屋稼業を全うできたかは、
その一挙手一投足で納得できる。

僕は全然知らなかったが、
主役リーアム・ニーソンの上手さに尽きる。
手捌きなんて、オ~っと唸ってしまう。
記憶がなくなりもどかしさを感じると思えば、
一瞬のうちに相手を仕留める完璧さは見事。

自身の死と向き合うことが、仕事へのこだわりにも繋がる。
ある意味、理想的な仕事像。
殺し屋なのに正義感が強い。
目指すべきキャリアだと勘違いしてしまいそうだ(笑)。

ジェームズボンドと比べれると相手はそこまで大物じゃない。
ボンドガールのような絶世の美女は登場しない。
不死身の体でもない。
特殊な性能を持つ車も出てこない。
ポンコツ車にしか乗らない。

だからこそ人間味がある。
悪い奴なのについ共感してしまう。

多分、数年後は内容も忘れている可能性は大きい。
タイトルすら忘れる恐れもある。
それでも不思議と思い返すシーンが多い。

そんな映画だった。