香港映画なんていつ振りだろうか。
10年以上、観ていないと思う。

そもそもここ最近は日本で上映される作品があるのか。
気になってググってみると、
1997年の中国返還以降、検閲が厳しくなり作品数が減った。
以前のような自由度の高い作品は制作できないらしい。
環境が変わると一気に産業構造も変わるし衰退してしまう。

そんな中で観た本作。
昔、ジャッキーチェンや「香港ノワール」作品に親しんだ者として、
広東語(多分)が懐かしく感じた。
セリフのイントネーションが香港映画を感じさせる。

映画は今の香港を象徴するようなストーリー。
建築法等の改正で2020年までに9割のネオンサインが姿を消したといわれる。
僕の香港のイメージは煌びやかなネオンだったが、今はほとんどないみたい。
(一度もお邪魔したことがないけど・・・)

そんな香港でネオン職人だった亡くなった旦那と奥さんの今までとこれからを描いたヒューマンドラマ。
純粋な夫婦愛を描く作品と観るか、
衰退する香港映画の現状とダブらせて観るかは観客次第。
悲観的になるのか、感傷的になるのか、それも人次第。
僕は映画を通して香港の寂しさを感じてしまったけど・・・。

政治的な背景は一切ない。
あれば検閲は通らないだろう。
僕の予測でしかないが、本作も偉い方の中では議論があったのではないか。
受け止め方によっては中国批判と捉えられる。

ただ作品は現実を淡々と描き、美しい人間愛に満ちた映画に仕上げている。
巧みな演出なのか。

これまで香港映画は度肝を抜くようなアクション映画か、
ウォン・カーウァイ監督のスタイリッシュな作品のイメージだったが、それは過去。
現実は本作の世界。
今後、どうなっていくんだろう。

今年が始まってまだ1ヶ月ちょいだが、観た映画はフランス、日本、韓国、
オーストラリア、米国、フィンランド、香港と全て異なる。
それぞれお国事情が存在する。
これも勉強になる。

本作のタイトルは「消えゆく燈火」から「燈火(ネオン)は消えず」と変更された。
そのあたりもメッセージだったりして。