イスラエルのネタニヤフ首相を描いたドキュメンタリーだが、
僕はサラ夫人がもう一人の主役だと感じた。
サラ夫人はきっと若い時は美しい女性だったと思う。
年齢と共に顔つきは変わる。
それもどんな経験を積むかで顔つきは変わるだろう。
お金と権力を持つとここまで傲慢になれるものか。
その傲慢さが顔つきに表れていると思うのは僕だけか。
そして、本作のポスター。
意図的に極悪非道に見せている感じで、まるでマフィアのドンのよう。
この2人の表情だけでどんな世界を描くかは容易に想像できる。
イスラエル国内では上映禁止になったのも当然。
首相が許すわけがない。
本作がイスラエルとアメリカの合作というのも皮肉だが・・・。
パレスチナ・イスラエル戦争の報道はマスメディアを通してしか見ていない。
お互いの関係性を深く切り込んで見るわけではなく、あくまでも表面的。
それは自分の未熟さで、通り一遍の見方しかしていない。
サラ夫人の姿や発言も本作を通して初めて見た。
ネタニヤフ首相の汚職疑惑は知っていても、
どんな人物が絡み、どんなやり取りをしていたかは理解していない。
実態に迫るドキュメンタリーがあるから知れること。
シャンパンとジュエリーがこんなに影響するとは・・・。
人はどこから強欲になっていくのか。
ネタニヤフ首相も若い頃は外向きで国を想うことが一番なはず。
それが保身に走り、自らを護るために戦争まで引き起こす。
正義を振りかざし簡単に戦争を起こすパワーには驚くが、それが権力者の姿。
僕らは作品を通し(これが正しいとすれば)実態を知るが、
どこまで影響を与えるかは疑問。
もっと話題になってもいいし、本作から逮捕への道筋をつけてもいい。
極右勢力と組んで長期政権を維持することで安定に繋がっていくのか。
一人の存在が国を大きく変えてしまう。
特に最近はあちこちの国でそんな一人の存在が大きくなっている。
平和を感じられるのは今のうちか・・・。
そう考えると昨年の「シビル・ウォー アメリカ最後の日」は間近なのか。
本作はもっと多くの映画館で上映されてもいいと思う。


