アジアの島国に住む僕らにとってヨーロッパの小国を理解するのは簡単じゃない。
報道される表面的なニュースでは実際のお国事情を読み解けない。
高い教養を求められる。
残念ながら僕は持ち合わせていない。

本作はチェコで年間興行収入および動員数1位となる大ヒット作品。
一般的に社会派ドラマが大ヒットすることは少ない。
それも国の暗部を描く作品。

それが大ヒットする背景は国民が思う「プラハの春」が存在したということ。
日本で大ヒットした「国宝」とは異なる感情。
その理由も知ってみたい。
チェコとスロバキアの合作というのも意味があると思うし。

本作を観て思い出したのが映画「存在の耐えられない軽さ」。
もう35年以上前に観た映画なのでほぼ覚えていない。
重かったな・・・と印象くらい。
なぜかそのタイトルだけは未だに思い出す。

偶然かどうか分からないが「存在の~」の主役の名前はトマシュ。
そして本作の主役はトマーシュ。
ほぼ同じ。何かしらの意味があるのか、単に多い名前なのか。

そんなことはどうでもいい。
1968年にチェコスロバキアで起きた事件を実話を基に描くことに意味がある。
それも僕らは知らない、
チェコとスロバキア国民も知らない事実を描くことに意味がある。
それを学べただけでも価値はあった。

当時の社会主義国家がどんな体制で国を統制していたかはなんとなく想像はできる。
本来、言論の自由の代表でもあるマスコミはそれに抗い、
真実を追求することが求められるがどこかの国のように管理下に置かれる。
しかし、数少ない誰かが手を挙げることで賛同者が現れ徐々に意識が変わる。

そうか、本作は1968年を描いているようで、今の時代を描いているのか。
原題である「Vlny」は訳せば「波」。
ここから波を起こそうとしているのか。
と勝手なことを想像したり。
本作は中国やロシアで公開されることはあるのだろうか。

本作を詳しく解説するまではない。
調べて観てもらえばいい。
僕自身は一年を振り返る年末に観ることができたのはとてもありがたい。
映画の持つ力を改めて感じることができた。
チェコやスロバキアの作品に触れ合う機会は少ないが、本作には感謝したい。