先週末、懇意にするご近所さんの親子と一献を傾けた。
元々、父親と僕は友人関係。息子さんが大学3年となり、就職活動を意識し始めたため、
僕との3人で酒を飲みながら語り合うことになった。

東京の大学に通う息子クンは帰省時に僕と一度ゆっくり話をしたかったそうだ。
父親が僕のことをどう伝えていたかは分からないが、
その時点で父と子とのコミュニケーションが十分成立している証。

名古屋駅で待ち合わせをし近くの居酒屋に繰り出した。
まず挨拶が気持ちいい。
若者らしい溌剌さとともに気配りも感じられた。
乾杯し、一通りの世間話をした後、本題である就職のことについて語り合う。
息子クンの相談に対し、僕が持論を答えていくような感じ。
ここで詳細を書くことはできないが、まず自分の中での課題が明確。
今の自分の状況と将来像を自分の言葉で真剣に話をしてくれた。
この段階で僕はまず大丈夫だろうと安堵してしまった。
第一志望の会社に入れるかはともかく就職活動を乗り越える力は備わっていると感じてしまったのだ。

悩みは悩みで持てばいい。
今のうち、とことん悩み、迷いに迷えばいい。
その経験が大切。
この季節にそれができるのはこれからの時期を思えば十分。
僕は彼の話を聞きながら、嬉しい気持ちにもなっていた。

父親も彼の話を真剣に聞いている。
そして、時折、自分の意見を語る。
それが一方的ではなく息子の考えを認めながら意見を語っている。
その関係性がいい。

これまで多くのことを話し合ってきた間柄、親子間での信頼関係ができているのが伝わってきた。
息子クンは父親の仕事を見て営業の仕事をしたいという。
父親は自分の背中を見せ、息子は親の背中を見て影響を受けている。
父親は息子を一人の大人として扱い、決断は任せるという。
しかし、サポートする役割として、背中を押すことは忘れていない。

僕はいつものようにガンガン飲みながら、好き勝手なことを喋っていただけだが、
この二人の姿を見ながらとても羨ましくなってきた。
なんとステキな親子関係なんだろう。
息子は父親を誇りに思い、父親も息子を誇りに感じている。

僕なんか若者にエラそうに喋っているくせに家では何もできていない。何の影響も与えていない。
いきなり子供たちに正論を吐いたところで何も響かないだろう。
そう思うとこうした関係性を築いてきた二人を尊敬してしまう。

いい夜を過ごさせてもらった。
次に息子クンに会う時は、一段と成長した姿を見せてくれるだろう。
今回は僕がすっかりご馳走になってしまったが、次回は僕がお祝いする番だな。