三谷監督は好きな監督である。
本人のタレント性も好きだ。
その辺の芸人よりも面白く、宣伝で登場する時も完全に番組を食ってしまうこともある。
本音なのか建前なのか、おとぼけなのか真面目なのか全く分からないところもいい。

しかし、前作「ギャラクシー街道」は観る気にならなかった。
本当は面白いのかもしれないが、その前評判の悪さと意味不明の設定で僕の足は遠のいた。
一部では三谷は終わったという声も聞かれたようだが、大河ドラマ「真田丸」で復活。

このドラマはテンポもよく惹き込まれていった。
草刈正雄氏が再注目されたのもこのドラマじゃないだろうか。
これが本作にも繋がっているのかな。
ドラマも映画もその弾けかたはいい。
彼も三谷組の一人なんだろうか。
調べてないから分からないけど・・・。

と前置きが長くなったが、本作はどうか。
素直に楽しめる映画。
笑いのポイントは人により異なるかと思うが、
僕は重要な場面でもどうでもいい場面でも結構笑っていた。
さりげないシーンで笑いを取ることができるのはセンスのよさ。
やはり天才じゃないかと思ってしまう。

絶対にあり得ない世界だし、場合によってはあちらこちらからお叱りを受けそうな感じもするが、
皮肉るだけでなくほのぼのとシアワセを感じされることで丸く収めてしまう巧みさも流石だとは思う。
ここまで書くと絶賛状態だが、果たしてどうだろう。

三谷監督の過去の作品とは大差ない。
ナンバー1とは言えないかも・・・。
でも、面白いっす。

この時代背景はいつなんだろう?
今まさにこの時代と思うが、ここで使われるのは全てガラケー。
スマホを使用する人は一人と出てこない。
7~8年前が時代設定なのだろうか。
まあ、どうでもいいのかもしれないが・・・。

僕が三谷監督が流石だと感じるのは女優さんの使い方。
まあまあ、これまでのイメージをぶち壊す使い方をされている。
吉田羊さんがあんな淫らな役なんてないだろうし、石田ゆり子さんもあんな軽い役はないだろう。
有働由美子アナはエンディングまで分からなかった。
木村佳乃さんや小池栄子さんは何となく想像できるが、まさか大統領とは(笑)。
予備知識を入れずに観て正解だった。

男性陣はお馴染みなので特に触れる必要はないだろう。
記憶のなくなる前の首相も良かったけどね・・・。

映画は人を幸せにしなければならない。
と僕はつくづく思っている。
その通りの映画だった。