この時期に相応しい映画ではないが、なぜか観たくなった。
この感覚は明らかにおかしいが、
この先に何か示す感覚が体内に存在しているのだろう。
(このが続くね・・・笑)

本作は今から40年前の映画で、当時はかなり高い評価。
キネマ旬報でもベストワン。
名匠今村昌平監督の代表的な1本。

もちろん監督も亡くなっているし、主演の緒形拳も同様。
この当時は若かった。
ネタバレもへったくれもないので、流れを説明すると連続殺人犯の逃亡劇を描くもの。

昭和38年に実際に起きた事件を題材にしており、当時は世間を怯えさせていたようだ。
確かにあんな殺人犯が全国各地をウロチョロしていたら、慄くのは当然。
今とは違い情報が限られていた時代。

現代だったら、あっという間に逮捕される。
あんな堂々と行動してたらね。
逆に見つかりにくいかもしれないが・・・。

それにしても70年代の日本映画は艶めかしい。
演出も時代と共に変化していく。
R15でもR18でもない。

思い返せば僕が中高時代のドラマはエッチなシーンが当たり前のようにあり、
興奮しながら見ていた記憶がある。
21時以降のドラマだけどね・・・。
今はそんなシーンはないはず。

映画でもそう。
若かりし倍書美津子も小川真由美も艶めかしい。
この時代、男女の描き方って、まあまあダイレクト。

倍賞美津子があんなに色っぽい女優さんだとは知らなかった。
役どころは不幸な奥さん役だけどね。
ドキッとしてしまった・・・。

それが映画の言いたいことではない。
人間の残忍さであり、何をキッカケに生き方が変わるのか。
正しい親だとしても子供がそれを素直に反映させるわけではない。

それは50年前も今でも同じ。
育て方を間違えたとは言い切れないが、どこかで愛情の注ぎ方がズレてたのだろう。
当時の方がサバサバしていると思うけど・・・。

不幸な残酷なニュースは常に僕らの周りに存在する。
今の時代に増えている気がするがそうではない。
生活の背景や環境は違えど、大きくは変わらない。
それが分かっただけでもいいかもしれない。

本作のタイトル。
映画を観終わってしばらくしてから、その意味の深さを知ることになる。
生きるも殺すも何に向かっているのかな。