2018年に公開された作品をAmazonプライムで鑑賞。
一昨年読んだ「韓国映画から見る、激動の韓国近現代史」にも紹介され気になっていた。
1997年、韓国を襲った「IMF通貨危機」の裏側を描いた一作。
国家破綻という未曾有の危機を前に、翻弄される人々の姿を浮き彫りにした重厚な人間ドラマ。
本作は韓国映画らしい実話をベースにした「ファクション」という手法。
危機をいち早く察知し国民を救おうと奔走する韓国銀行のチーム長、
国難を商機と捉え一攫千金を狙う投資家、
そして政府の「安全宣言」を信じて破滅へと向かう町工場の経営者。
この三者の視点が交錯し、国家の失策がいかに個人の生活を破壊していくかを
凄まじいリアリティで迫ってくる。
いつも感じるのは、韓国映画特有の国を非難するパワー。
国の誤った政策や、保身に走る財閥企業の悪行に対し、
一切の遠慮なく突っ込む姿勢。
社会の闇をエンターテインメントとして昇華させ、
権力の腐敗を真っ向から批判し切る痛快さ。
こうした忖度なき表現の力強さは、日本映画が最も見習うべき点。
作り手の覚悟が、観る者の思考を強く揺さぶる。
映画館で観ていたら更にパワーを感じたかもしれない。
そして何より、この物語は決して「過去の教訓」では終わらない。
劇中で示される「経済危機は繰り返される」という言葉。
少子高齢化や膨らみ続ける国債など、構造的な歪みを抱える現在の日本、
そして韓国の現状を鑑みれば、同様の危機に陥る可能性は決して少なくない。
歴史は形を変えて、再び牙を剥く。
「目を開いて疑え。当然だと思っていることに疑問を持て」。
ラストで語られるこのメッセージは、不透明な時代を生きる僕らへの警告。
会社や仕事、そして日々の生活において、常に真実を見極める目を持つこと。
今の時代を生き抜くために不可欠な心構えを、
本作は冷徹に、かつ情熱的に問いかけてくる。
ネタバレもかなりしたが、公開から年数も経過しているので許される。
と思う・・・。
さほど評価は高くないが見応えのある作品だった。


