随分と本棚に寝かせていたが、ようやく読み終えることができた(笑)。
読了後、
「なるほど~!」と感心したと同時に、
「これは講演ネタとしても使えるな。ヒヒヒ・・・」
と越後屋のような笑みを浮かべてしまった。

それは何か。
最近、ありがたいことに新卒採用の手法について講演依頼を頂くことが多い。
その際に今どきの若者像について話をするのだが、
ここ最近は「つくし世代」の話をするケースが多かった。

本書を読んで、その今どきの若者像を明確に表しており、
それを紹介することで若者の気質をはっきりと認識させることができると感じたのだ。
凄く的を得たいい表現だと思う。

本書では今の若い世代をこう表現している。

「乾けない世代」

僕のようなバブル世代を含め、上や下の世代も物欲が旺盛な「乾いている世代」。
常に何かを渇望している。
それが今の若者は違う。
生まれた時から必要なものは何でも揃っていて、物や地位を欲して頑張ることはないという。
埋めるべき空白がそもそもないと言うのだ。

だから、頑張らせるためには明確な目的が必要になる。
著者は「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」だと言っている。
詳しくは本書を読んでもらえれば理解できるが、
昨今の若者とあてはめると十分納得できる面が多い。

僕の学生時代はバイト代で、車を買い女の子を乗せ、ちょっとお洒落なお店にいく。
それが稼ぐ目的だった。
それをガムシャラにやっていた。
仲間と競っていたような面もある。

しかし、今はそうではない。
車はなくてもいいし、あっても軽自動車で十分。
お店もサイゼリアでOKという。
「そんなオトコでどうする!ダメじゃないか!!」
と憤るのは既に古い世代。
そういった価値観を持つ若者をうまく活用する企業が今後成長していくと考えられるのだ。

僕は偉そうにそんな実態をいろんな場で話すわけだが、
すべて理解しているかと言えばそうではない。
自らがその価値観とせめぎ合っている状態。
分かりやすく言えば、頭では理解しているが、体は拒否反応を示している状態。
それでは自分がイケていないので、無理矢理、体をこっちに向けようとしている。
そんな感じだ。
ある意味、自分がそれだけ年を取ってきたわけ。

高校生の息子は気付いた時にはスマホを当たり前のように触っているわけだから、
固定電話が掛かってきてもレアなケースとしか思っていない。
平凡な日常は20年前と大きく様変わりしている。
毎日1ミリずつの変化で気づかないだけだ。

それを相手に求めるだけでなく、いかに自分自身が向き合えるかが重要だろう。
本書でも「VUCA」の時代に突入したと・・・。

今どきの若いヤツは・・・と思っている方は読むべき1冊である。