本書も日経トップリーダーから送られてきた1冊。
塚越会長の著書や講演は以前から伺っているので、
読む前から大体の内容はイメージすることができた。
サイボウズ青野社長やユーグレナ出雲社長の対談は
日経トップリーダーにも掲載されていたので、復習的な要素が強かった。
2社ともユニークな経営者として知名度が高く、社員ファーストの経営を実践されている。

言葉で「いい会社」というのは簡単。
僕自身も「いい会社」を作ろうと常に心掛けている。
しかし、その言葉通りにさせるのは難しい。
仮に僕ができたと思っていても、会社のメンバーがそう思っているかは別問題。
制度を整えつつあるつもりでも他社と比較し足りない面は多いし、
そもそもできていない点は数知れず。

これからの働き方について取り組む姿勢はあっても、
まだまだ昭和的な感覚が僕の中に潜んでいるのも確か。
その価値観を完全に消し去ることは至難の業。

物わかりのいい経営者のつもりでも分かったつもりでしかないのは反省。
自分たちが仕事で育ってきた環境と
これから育てる環境は極端な話、180度違うといっていい。
だが、それは一気に180度変わったのではなく、数度ずつ毎年毎年変わり続け、
気づいた時には180度変わっていたのだろう。
変化は必要だが、いきなりの大変化はリスクを伴う。
塚越会長が年輪経営を語るように地道な変化を繰り返すことで、
気づいた時に大きな変化になっている。

僕も常にそんな意識だが、少しずつの変化も簡単ではない。
サイボウズの青野社長のようにスピード感を持って進めた方が、
ギクシャクしながらも改革は早いのだろう。
レベルの問題もあるし、難しいところ。

特に最近は「働き方改革」が叫ばれる中、やらねばならないことは多い。
昨日の中日新聞に偉そうにコメントしていたことが、
自分でできているかと言えば疑問。

あの言葉だけ受け止められるとそれはそれで誤解を招くな。
もっとたくさんのこと喋ってるんだけど…(笑)。

いつも理想と現実の狭間でもがいている気がするが、
それが健全と言えるのかもしれない。
「働き方改革」が「働かない改革」や「働かせ改革」になるともいえるのだから。

塚越会長は本書の最後にこんなことを書かれている。
いい会社とは、数値だけでなく、情緒的な要素を含む全体のイメージがプラスである会社。

この情緒的という曖昧さはかなり難しいが、
言わんとされていることはよく理解している。
確かにそれが大切だと思うし・・・。

常に取り組んでいかねばならない。
会社経営には終わりがないのだから・・・。