先日書いた「国家が破産する日」に続きAmazonプライムで鑑賞。
実はこの作品はGeminiから「韓国の実態を抉る映画」として推薦された。
「韓国映画から見る、激動の韓国近現代史」にも紹介されており、以前から気にはなっていた。

2018年前後に公開された韓国映画には、骨太な社会派作品が多いように思う。
本作もその筆頭と言えるだろう。
なにか訴えたいことが多い時期だったのか。

本作もファクション。
1987年、一人の大学生が警察の拷問によって命を落とした事件。
その真実を隠蔽しようとする国家権力に対し、検事、記者、看守、
そして学生や市民たちが、それぞれの立場と声を上げ、巨大なうねりとなっていく。
結果として全斗煥大統領政権は終焉を迎える。

当時の韓国の熱量と殺伐とした空気感に圧倒された。
そして考えさせられたのは、描かれる現実は、
「終わった過去」ではなく、現在へと繋がっているという点。
今の韓国の民主主義や、権力に対する厳しい国民の眼差しは、
こうした壮絶な闘いの積み重ねの上に成り立っている。

自分自身の1987年を振り返ると、ひどく複雑な心境になる。
当時、僕は大学3年生。
映画に登場する学生たちと同年代だが、生活ぶりは彼らとは180度異なるもの。
バブルに向かう高揚感の中で、ノーテンキな学生生活を謳歌していた。
正直に言えば、隣国でこれほどの事件が起き、
若者たちが命を懸けて民主化を叫んでいたことすら、ほとんど知らなかった。

平和な日本で、何も考えずに過ごしていた自分。
今更ながらかなり恥ずかしい気持ちになる。
知ろうとしなければ、真実は見えない。
それは今も昔も変わらない教訓だろう。

「知る」ことで、世界の見え方は変わる。
重厚な歴史の重みを感じると同時に、自らの若かりし頃の無知を省みる。
それだけでも観た意味はあったかもしれない。

「大統領暗殺裁判 16日間の真実」「ソウルの春」
これらの作品のほぼ10年後の世界。
韓国の政治に興味があるわけではないが、つい見入ってしまう。
さて、次はどんな作品なのか。
またGeminiに聞いてみるかな。