1970年代の青春映画を観ているような錯覚に陥った。
暗さ、重さ、やるせなさ、
そして菅田将暉演じる津奈木の髪型がそう感じさせたのだ。

しかし、実際は現在。
まさしく今の時代を描いている。
連絡手段もコミュニケーションもスマホ。
コンビニ弁当を貪りながら日常が過ぎていく。

そんなに生き辛い時代だろうか・・・。

映画を観ながら、自分を投影させながらもそんな感覚が自分自身を覆う。
見方によっては別世界であり異次元。
もしくは避けて通りたい、関わりたくもない世界。

ただ日本のどこかで間違いなく存在するであろう、そんなことも想像できる。
ここに登場する一人ひとりがやや過激な描き方だが存在する。
厄介ではあるが、その関係性を解消できないことが、
人間の弱さであり強さであろう。
そんなことが本作では描かれていると思う。

このブログの内容ではどんな映画かはさっぱり分からない。
そして、観る気も起きないかもしれない。

だが、きっと、このような作品の評価は高く、●●賞なんて獲得する。
映画を観終わってからでも、様々なシーンが頭の中をよぎっていく。
その壊れていく表情がせつなさを醸し出していく。

今や若手俳優の代表格菅田将暉くんの活躍はいうまでもないが、
(この役も実に似合っている)
表情といえばヒロイン役の
(この作品ではヒロインとはいわないか・・・笑)
趣里さんが半端ない。

●●映画祭主演女優賞を獲る可能性も高い。
その凄まじく壊れた演技は最近の女優さんではないんじゃないのかな。

それだけでも一見の価値はある。
趣里さんの役名は寧子。
ヤスコと読む。
ヤスコの苗字は不明。

菅田くんの役名は津奈木。
そのままツナキだが、苗字か名前か分からない。
これは一体、何を意味するのか。
純粋無垢は僕の頭では理解できない。
電話番号もフルネームも必要となくなった今、そんなことはどうでもいいということか・・・。

関根光才監督の存在をこの作品で初めて知ったが、今後、注目すべきかもしれない。