久しぶりにソフィーマルソーを観た。
彼女を初めてしたのは中学生の頃。
「ラ・ブーム」にときめいた。
もう40年以上も昔の話。

同級生なので今56歳。
なんと愚か者副本部長とは生年月日が同じ。
まあ、どうでもいいことだけど(笑)。

この10年くらいは名前も出なかったと思うが、何をやっていたのだろうか。
調べてみると継続的に映画には出演している。
日本に届いていないだけで、フランスでは今も第一線で活躍しているよう。

相変わらずの美しさだしスタイルもいい。
いい年齢の重ね方をしていた。
本作はほぼソフィーマルソーが出ずっぱり。
彼女中心に撮られた映画であるのは間違いない。
しかし、さすがにこの年齢だとアイドル映画とはいかない。

人の尊厳に関わるのが本作のテーマ。
85歳の父親が脳卒中で倒れ自由が利かなくなったことで起きる親子の葛藤を描く。
ソフィーマルソーは娘役で実年齢に近いと思われる。

日本とフランスのお国柄の違いはあるだろう。
しかし、死に対する考え方はさほど変わらない。
僕が父親の立場であれば同じ選択する可能性は高い。

自分の体が思い通りにならない。
人に迷惑を掛ける。
であれば安楽死を望む。
個人的には共感できる。

身内はそれを素直に受け入れられるだろうか。
様々な思いが巡る。
日本ではその選択肢はないが、高齢化社会になればなるほど同様の問題も起きる。
誰にでもいずれ死は訪れるわけだし・・・。

本来、僕の立場であれば子供であるソフィーマルソー側から捉える問題だが、
なぜか父親側として受け止めていた。
自分自身の死生観が何とはなしに反映したのかもしれない。

全て感情のまま表現する父親。
感情を押し殺しながらも時に抑えきれなくなる娘。
自分を制御できるかも年齢と共に変わっていく。

安楽死を選んだ父親がふと呟いた言葉。
これも現代社会の象徴。
選択肢を広げるためには一定の財力は必要。

悲劇を描くわけでも、社会問題を描くわけでもない。
事実を受け止めるだけだが、いろんな視点が入り交ざる。

すべてうまくいきますように。

そう願うのは誰しも同じだろう。