途中までは観ていて辛い。
この少女たちはどうなっていくのか。
その行動にヒヤヒヤさせられることも多い。
時々、ドキュメンタリー作品とも勘違いしそうにもなった。
簡単にいえばそんな作品。

舞台はフランスかと思ったが、どうやらベルギー。
若くして妊娠した女性を支援する施設で共に暮らす5人の少女。
ジェシカ、ペルラ、アリアンヌ、ジュリー、ナイマは15~18歳あたりか。

不本意な妊娠でやむを得ず子供を産む。
その姿を見るだけでも辛くなるが、一番辛いのは当の本人。
確かに未熟。
確かに軽率な行動の結果。

しかし、それは本人のせいだろうか。
僕はこの類の作品を観るといつも思うのが親が悪いということ。
本作にも毒親は登場する。
すべて自分の都合で物事を進めようとする。
一見、娘や生まれてくる子供のことを考えている気もするが、結局は自分勝手。
それに振り回される娘。
はっきりいえば親の被害者。
自立すら拒まれる。

子供を捨てた親も登場する。
親の愛情を受けずに育った娘は自分の子を愛そうと思ってもできない。
できない自分が許せず、何かに頼りたくなる。

そして必ず登場する無責任なダメ男。
5人それぞれ多くの事情を抱えているが、何とか前を向こうとする。
施設の職員は支援者の立場で自立を促す。
その姿は正しい。
しかし、愛情が薄いと感じてしまう愛情を得たことのない少女。
自分をコントロールできずに感情を爆発させてしまう。

自分が親なら我慢の仕方も教えるが、育ってきた環境では通じない。
観ていて辛かった。

それで映画が終われば絶望的な気持ちのまま。
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督はそうはさせない。
根本的に優しさがあり、人が変われるのを信じている。

5人とも前を向き明るい兆しが見えてくる。
真剣に向き合えば助けてくれる人はいる。
大丈夫、大丈夫、と声も掛けてあげたい。

これはこの国特有のことではない。
日本でも同じような少女はいるだろう。
万国共通のテーマ。
スーッと体の中に入ってくる。

2025年カンヌ国際映画祭脚本賞の受賞も頷ける。
本作も上映は限られるが、多くの人に観てもらいたい。