非現実でありながら現実的。
あまり行くことのない新宿だが、描かれる世界が渦巻いているのかもしれない。
家出少女が売春、
ホスト通いで借金を背負う女性が風俗で働く、
パパ活、クスリの闇販売などなど、
どこかで見たニュースがそのまま映画になってしまった。

できれば避けて通りたい。関わりたくない。
いや、自分の立場からいえば、避けて通らせたい、関わらせたくない。
そんな世界。

あくまで他人事でいい。
そうさせない責任はあるが、無責任にいえば関係ない世界に留めておきたい。
だからこそ客観視できるし、辛さも自分事ではない。

森七菜演じるじゅじゅは不幸を背負って生きてきた。
「そして彼女たちは」でも書いたが、不幸になるのは大概親のせい。
もちろん同情はする。
しかし、共感はできない。

残念ながら負の連鎖。
断ち切る存在になりたいが、気がついた時には同じような行動を取っている。
その現実に落ち込みは激しくなり、自分をコントロールできない。
そんな作品だった。

「炎上」というタイトルから、SNSが炎上して酷い目にあうと思ったら、純粋な炎上だった。
最近は炎上といえばネットやスマホの世界。
純粋な炎上って表現も変だな・・・。

本作は新宿・歌舞伎町が舞台。
煌びやかではなく薄汚い新宿が中心。
昼の世界と夜の世界。
開かれた世界と閉じ込められた世界。
両方が成立するから魅力的に感じるのか。

リアルにあった出来事を繋ぎ合わせたら1本の映画ができた。
もちろんフィクションだが、一つ一つの事象はそうともいえない。
それがより恐ろしさを演出する。
やはり関わりたくはないな・・・。

最近、新宿を舞台にした作品が多くないだろうか。
昨年の「愚か者の身分」「ミーツ・ザ・ワールド」もそう。
どれも何かしらの問題を抱え生きている。
青春まっしぐらなんて、爽やかな風は一切吹かない。
煌びやかな中に濁りがある。
それが似合う街なのか。

そんなことを感じた作品。
健やかな気持ちで終わることを期待したが、そうではなかった。
それが現実なのかもね。