とてもズルい作品である。

今でも上映上映されている
「るろうに剣心 最終章 The Final」

これを観た大半の方が今回の本作が気になって気になって劇場に足を運ぶだろう。
まるで続編を観るような感覚で・・・。
そして本作を観た方は2012年に公開された第一作「るろうに剣心」を改めて観ることになるだろう。
そのループは続き、第2作第3作へと繋がる。

実に巧みな集客方法。
DVDやAmazonプライムでつい観てしまう。
僕も今、そんな衝動に駆られつつある。

それだけではない。
大友監督はNHK出身。
大河ドラマ「龍馬伝」も撮ってきた。
音楽は映画と同じ佐藤直紀氏。

偶然かもしれないが、現在の大河ドラマ「青天を衝け」も佐藤氏が担当。
音楽家の特徴はどの作品にも反映される。
映画のラストシーンに近い音楽は「龍馬伝」のオープニングに似ていた。

そして、もっと大事なのが時代背景。
本作でも「禁門の変」のシーンがあったが、「青天を衝け」でも先日、描かれていた。
違うのは幕府側からの視点か、半幕府側からの視点か。

僕は歴史に詳しくはないが、通はその点の描き方も見逃してはいない。
同じタイミングで放映する練り込まれた仕掛け。
同じ新選組を登場させるもドラマは土方歳三を、映画は沖田総司をクローズアップ。
ドラマでは沖田総司の存在感なんて全くない。
う~ん、ここまで凝るとは・・・。

それがズルい作品と思う理由。
考えすぎ?(笑)

本作はこれまでのシリーズと比べると殺陣のシーンは少ない。
恋愛ドラマ的な要素が強い。
佐藤健と有村架純とのラブシーンに心躍らされるファンもいるだろうが、
滅多切りの場面を期待するファンも多いはず。
どちらが好まれるのか。

偶然だが6年前の映画「何者」では、この2人が大学生として微妙な関係を演じている。
微妙な関係がいいコンビなのかな。

映画とは関係ないことばかり書いたが、これだけ話題性のある作品。
敢えて多くを語らなくてもいい。

きっと興行成績も、その後のループも期待できるから。
うん、ズルい作品だね。

十分楽しめました。