情けない話だが、明治維新の時代に興味を持ったのはまだ最近。
経営者になってしばらくしてからのことだ。
高校時代に日本史を勉強してから(この頃は超得意科目だった・・・)すっかり遠ざかっており、
歴史小説といっても山本周五郎を読むくらいで歴史上の人物を学ぶことは全くなかった。

ところが最近になって、不思議とこの時代に関心が沸いてきた。
つい先日も名駅の書店を覗くと吉田松陰絡みの書籍がずらりと並んでいた。
まあ、当然と言えば当然・・・。

ここで何気に手に取ったのがこの1冊。

yoshida1511

新書でも同時期に発行された書籍はいくつもあるだろうが、
著者の知名度でつい選んでしまったのが大きな理由。
この時点でただのミーハーでしかない(笑)。

幕末における吉田松陰の活躍は何となくは理解はしているのもの、その実態は無知に等しい。
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の影響であるのは丸わかりだが、
ここは一定レベルの知識をつけておかねばならない。
それ以上にこの時代を駆け抜けた生き様を知っておかねばならない。
浅はかな理由ではあるが本書を読ませてもらった。

特に小説仕立てで書かれているわけではないので、気持ちが昂ったりするわけではない。
メチャクチャ面白いストーリーが構成されているわけでもない。
あくまでも作家津本陽氏が客観的な視点で吉田松陰像を描いた作品になる。

その周辺を取り巻く久坂玄端、高杉晋作、伊藤博文、山形有朋らも客観的に描かれている。
これは作家によって客観的な度合いが異なるので全て正しいとは言い切れないと思う。
吉田松陰を英雄と祀り上げる作家もいれば、時代の寵児としか捉えない作家もいるかとは思う。
視点によってその扱い方や表現は大きく異なるだろう。

ただ僕は津本氏の冷静な吉田松陰像を興味深く読ませてもらった。
時代を切り開いた人物であるのは間違いないが、完璧ではないということ。
人間として未熟な面や身勝手な面を多分に抱えているということ。
それを十分に理解することができた。

それを踏まえた上で今日から始まる「花燃ゆ」を観るのはとても楽しみだ。
あれっ、松陰役の伊勢谷友介って高杉晋作じゃなかったけ?(笑)。

昨年の「軍師 官兵衛」が面白かっただけに今年の大河ドラマも期待したい。
NHKの宣伝になってしまったような・・・。

もっと明治維新は勉強しないといけませんね。