観る映画をちょくちょく監督で決める。
本作はまさにそう。
原作なんて全然知らないし、解説を読んで気持ちが大きく動いたわけではない。

タナダユキ監督に惹かれただけ。
といっても僕が観た作品は「浜の朝日の嘘つきどもと」1本。
昨年の映画だがすこぶる面白く、僕の中でのベストテンにランクイン。
注目すべき女性監督なので、勇んで映画館に足を運んだ。

どうだろうか。
かなり賛否は分かれる映画じゃないかな。
永野芽郁のキャラクターも二分すると思う。
彼女が売れっこのキッカケとなった連ドラ「半分、青い。」は一度も観たことはない。
映画も「ミックス」「キネマの神様」を観ただけで主演ではない。
CMを見て、可愛いなあ~と思っているがその程度。

どんな役柄が合って、どんな役柄が合わないかはよく分からない。
正直にいえば、本作の永野芽郁はちょっとムリしているように思える。
ワザと悪ぶっているように見えてしまう。
ファンにとってはそんな塩梅が嬉しいような気もするが・・・。

個人的にいえば彼女は煙草を吸わない方がいい。
もっとタバコが似合う女優はいるはず。

しかし、タナダ監督はそれも織り込み済みなんだろう。
生き方や言動を少し無理させることで存在感が増し、魅力的に映ることも多い。
あえてそこを狙い、友人役の奈緒との度が過ぎる関係性を当たり前の行動にしてしまう。
冷静にみれば異常な関係も真の友情として美しく魅せることも可能。

凡人で平和に育ってきた僕には理解しがたいが、
彼女らがその世界で人格を作り、2人だけで繋がっていく。
(ここでいう永野芽郁と奈緒ね)

何を言いたいか、理解してもらえるかな?
本作に世の中への批判があるかどうかは不明。
しかし、親の存在は子供の価値観を形成し、その影響で幸せにも不幸せにもなる。
ほとほと悲しくなったり・・・。

人は強くないと生きられない。
しかし、無理をしても破滅する。
それをいい頃合いで見せてくれるのが本作。

ラストシーンは何をいいたかったのか。
解釈はいろいろだが、そこは映画を観て確かめてもらいたい。

タナダ監督はこれからも期待したいね。