描かれる物語はきっと世界中で起きている。
スイスでもドイツでも日本でも同じ。
映画はフィクションだがより現実を思わせるし、きっと現実。
まずはエッシェンシャルワーカーの代表でもある看護師の仕事に感謝。
体力のいる仕事であるのは当然ながら、
精神力もタフでないと務まらないし機転が利き記憶力も必要。
ありとあらゆる能力が求められると映画を観て感じた。
舞台となるスイスでは深刻な看護師不足で多くの患者を抱える病院は業務が回らない。
その結果、トラブルや苦情も多く、負荷のかかる看護師の離職率は高い。
まさに悪循環。
日本はどれくらい不足かGeminiに聞いてみた。
「2025年問題」の渦中にあり、全国で約6万人〜27万人の看護師が不足しているという。
少子高齢化を考えれば今後、人手不足に拍車が掛かっていく。
今のところ健康体の僕は無責任に大変さを感じるが当事者はそんなわけにもいかない。
それは看護師であり患者。
レオニー・ベネシュが演じるフロリアはとても優秀な看護師。
あれだけが激務に追われながらも親切に患者に向き合う。
当たり前だが患者は自分が優先されることを望む。
後回しにするつもりはないが優先されない。
結果、トラブルにも発展する。
映画はフロリアのその凄まじい一日を追いかける。
巧みなカメラワークが緊張感を生みリアルさを演出。
能動的ハードワークと受動的ハードワークでは同じハードワークでも違いは大きい。
受動的な分、自分でのコントロールは不可能。
次から次に舞い込む業務は精神的な破綻に繋がる。
仕事に誠実なフロリアも例外ではない。
感情が爆発するのが普通。
本作を観ると看護師の志望者はさらに減るのではないか。
そんな不安をよぎる。
しかし、映画は不安だけで終わらない。
その仕事へのリスペクトや充実感も教えてくれる。
疲れ果てたフロリアは仕事を辞めるのか。
多分、辞めない。
この仕事のやりがいと重要性を感じて続けるだろう。
何よりその価値が何なのか、ラストシーンが教えてくれた。
本作はスイス・ドイツの合作だがスイス作品といっていい。
スイス映画って初めて観たんじゃないかな。
本国で大ヒットしたという。
それに相応しい社会派ヒューマンドラマ。
多くの国の作品をもっと観ないといけないね。


