本作を説明するのは、かなり難しい。
観た人のほぼ100%はそう思うのではないだろうか。
もしこの映画を簡単に説明できてしまう人がいるとしたら、
それは作品に対しての理解が浅いというしかない。
もしくは映画への愛がないというしかない。

ひとつだけハッキリと言えるのは、
事前に予告編から想像していた内容とは180度違っていたということ。
「こんな世界なのか……」
と、観終わったあとは少なからずショックを受けた。

それでも少しだけ触れておこう。
物語はトム・クルーズ演じる石油採掘会社のCEOであるディガー・ロックウェルの常人の想像を超える行動を描く。
観ている者は頭が混乱する。

しかし、段々、分かってくる。
彼の行動そのものが、まるで現在のアメリカという国を象徴しているのではないかと。
それは決してポジティブな描写ではない。
むしろ、国そのものを烈しく批判しているようにも受け取れる。

果たしてこれは主演であるトム・クルーズ自身の意志なのか。
それとも単に監督の意向に従って演じただけなのか。
なんとなく彼自身の強い意志が含まれていると感じてしまうのは、僕だけだろうか。
彼は隠れトランピアンと言われるらしいが、その逆のような気もするし。
アメリカではヒットしていないというし。

と、こんな話をされたところで「一体なんのこと?」と思うだろう。
だが、それでいい。
とにかく実際に観てみないことには、この感覚は分からないのだ。
劇場で観て、大いに動揺し、血迷えばいい。

僕たち日本人が観る分には、どこか客観的で納得度も高くなるかもしれない。
しかし、当事者であるアメリカ人が観たらどうだろうか。
共和党と民主党の分断ではないが、
観る立場によって賛否は大きく真っ二つに分かれるのではないか。
そういう意味でも、かなり危険度の高い作品だといえる。

トム・クルーズはこれまでのイメージを捨てても、
本当はこんな作品をやりたかったのではないか。
そんなことも感じたり。

どちらにしても、これ以上はネタバレに近い表現になるので書けない。
気になった方は、ぜひ劇場へ足を運んで自分の目で確かめてほしい。

これではどんなジャンルかも分からないね(汗)。