今月の「日経トップリーダー」の特集は「離職率低下大作戦」。

risyoku1701

新卒者を採用しても入社3年以内で辞める割合は3割を超える。
中小企業白書によれば中小企業では4割を超えるのが実態。
せっかく苦労して採用しても定着しないのであればその苦労は報われない。

若者の根気のなさを嘆いても何の問題解決にはならない。
そもそも根気がないということを決めつけてしまうのが、今の時代はナンセンスだろう。
実際、本当の退職理由を会社に言わずに辞めてくケースがほとんど。
あたり障りのない理由を見つけていうわけだ。

名大社もかつてそんな時代があった。
それを何とかしたいと思い改善してきたのが今。
ありがたいことに仕事以外の理由で辞めるケースしかなく、離職者がほとんど出ない会社になった。

これも「中小企業白書」のデータだが、仕事を辞めた理由(就職後3年以内)は、
人間関係(上司・経営者)への不満27.7%、
事業内容への不満10.7%、給与への不満9.6%、
労働時間への不満8.6%と続く。
お金や時間が理由ではなく、人間関係が理由で辞める割合が高い。

以前の名大社もそれが大きかった。
待遇はよそと比べても悪くなかったことを考えれば、そこに辿りつく。
今は経営者が頼りないので、何とかしなきゃと奮い立つ社員が増えたとも言える(笑)。

今回の特集では愛知県東郷町にある水谷工業さんがそのロールモデルとして取り上げられていた。
ジオコスの伊藤社長が講演でも話されているので、その手法は知っていた。
「よってたかって」が合言葉で、全社一丸で新人を育て上げている。
耐震工事を請け負う職人集団なので、決して人気が高いわけではない。
しかし、ミスマッチのない採用手法から、グッとくる入社式から、
よってたかっての研修まで、そこには「愛」が溢れている。
最近の僕のテーマも「愛ある人材採用」だが、
ここでは愛ある定着化まで貫き、離職率ゼロを実現している。

また、この特集では京都のロマンライフさんも取り上げられていた。
京都土産「茶の菓」で有名な会社で、
僕は会社にもお邪魔したこともあれば、専務さんにも大変お世話になっている。
こちらでは社員が成長するための研修を上手く仕組化している。
知っている会社ばかりが取り上げられるのは、ちょっといい気分(笑)。

ここで言えるのは、今の若者は人間関係に冷めているのではない。
意外と熱い関係性を求めているということ。
それは承認欲求が強いこともあるが、横ではなく縦の関係性が重要である証。
それを上手く活用している会社が離職率が低いというわけ。
うちの会社もそれに近いといえるのかもしれない。
他社に学ぶ要素が強いのは間違いないが・・・。

僕もまだまだ足りない点は多い。
それを少しでも解消するために来週から新しい試みを行う。
近いうちにこのブログで発表したい。

「愛ある採用」から「愛ある育成、定着化」はこれから更に大切になっていくだろう。