つい2週間前、台湾訪問で中部国際空港(セントレア)に足を運んだ。
その際、何気なく税関の前を通ったのだが、まさにその場所で起きた実際の事件を基に描かれた作品。
ここが舞台だったんだとリアルに感じた。
物語の主軸となるのは、一見どこにでもいる有村架純演じる専業主婦の和歌子。
どこにでもいそうな大人しい女性が、ある出来事をきっかけに徐々に変化し、
抑え込んでいた感情が露わになっていくさまが人間っぽい。
人間というのは普段どれだけ平穏に暮らしていても、何かの弾みで全く違う顔を見せる生き物。
意外とそういう二面性は、誰しもが心の中に持っているものかもしれない。
そもそも事の始まりを作ったのは、和歌子の夫。
演じているのは塩野瑛久。
大河ドラマ「光る君へ」ではいい演技をしていたと思う。
見た目は非常に人が良さそうに思えるのだが、実はかなりだらしがない。
元を正せばすべてそのだらしなさが原因であり、和歌子に同情するとすればまさにそんな夫の存在。
悪気がないからこそタチが悪い。
途中から観たら正しい夫にしか映らない。
作品としてはハラハラしながら観ることができた。
ただ、映画全体の構成としては少し惜しいと感じる部分もあった。
犯罪劇としての娯楽作品に振り切るか、
あるいは現代社会の歪みを描く社会派ドラマに徹するか、
どちらか一方に振った方がよかったのではないか。
全体的に少し中途半端な印象が残ったのが個人的な感想。
とはいえ、メガホンを取った天野監督は愛知県出身であり応援したい映画監督の一人。
昨年観た「佐藤さんと佐藤さん」に続く公開ということもあり、
このまま順調に売れっ子監督になっていくのではないかと期待が高まる。
主役有村架純は2児の母親役。
まだまだ可愛いお姉さんと思っていたが、そんな役を演じる年齢にもなった。
それなりに汚れ役も演じることができる。
キャリアは広がっていくわけね。
黒木華のダメさ加減も馴染んでいた。。
南沙良は「万事快調 オール・グリーンズ」の方が断然よかったかな。
3人の女性を取り巻く環境。
人間の弱さや愚かさがひょんな行動で露わになる。
人が堕ちていくのは簡単だと教えてくれた。


