lion17041

映画であるのは間違いない。
しかし、時折、ドキュメンタリーを観ている錯覚に陥る。
それは実話を基に製作された作品というのが大きな理由だが、
冒頭の美しい蝶(ひょっとして蛾?)が舞うシーンからグイグイと引き込まれていった。

僕は映画のちょうどいい長さは120分だと思っている。
90分だとちょっと物足りない。
2時間を超えると集中力が切れだれてくる。
これは観る側のスキルのなさ?かもしれないが、そう思う。
本作は119分なので、映画の長さとしては理想的。

しかし、個人的に感じたのはもう少し長くして描くべきシーンを描いたほうがよかった。
もしくは余分なシーンを省いてまとめてもよかった。
あくまでも主観でしかないが、そんなふうに感じてしまった。
どこのシーンかは忘れてしまったけど(笑)。

こんな書き方をすると作品を否定しているように思えるが、
今年観た洋画の中では今のところベストな映画。
泣かせどころの演出にまんまとはまり、ウルウルとしてしまった。
絶対、こんな展開だなと冷静に判断しても引きずりこまれてしまう。
そして、よかった、よかったと安心して喜んでしまう自分がいる。
観る者の心を優しくしシアワセにさせる映画。

この作品のキーマンはニコール・キッドマン扮する養母だという人は多い。
確かにその寛容性は日本人には考えにくい。
親としてそんな関わり方もあるのかと関心させられる。
あんなセリフはとても常人では言えない。

(このブログはネタバレをしないように慎重に書いています。
場合によっては意味不明と思われる表現があるとは思いますが、
それは読者のためとご理解下さい(笑)。)

しかし、それが人を育て、人を傷つける。
主役であるサルーは間違いなく何万人に一人の幸せ者だろう。
だからこそ、悩み苦しみ、自分なりの解を見出していく。
僕や自分の周りではとても想像できない。
インドでは今でも年間8万人が行方不明になる当たり前の話らしいけど・・・。

それにしても主役サルーの子供時代を演じるサニー・パワール君は素晴らしすぎる。
演技をしているのか、ありのままの姿なのかわからないくらい本物だ。
これからどんな大人になっていくのだろう。
やっぱり髭もじゃになるのかな・・・。

最後の最後までこの作品のタイトルの意味が分からなかった。
これは映画を観た人の共通な疑問。
そして、最後の最後に初めて理解する。
あ~、なるほどね・・・。

理由を知りたい方は是非、劇場へ(笑)。