つい先日まで、日本経済新聞のコラム「私の履歴書」は、元プロ野球監督の広岡達朗氏が執筆されていた。ご本人には失礼かもしれないが、大変面白く読ませていただいた。
TVのコメントあたりで拝見すると、とても堅そうで全てを論理的に物事を進めるタイプではないかというように勝手にイメージしていた。確かにそんな面がないわけではないだろう。
しかし、このコラムでは、それよりも自分の信念を貫き、多くの人とぶつかり、喧嘩別れする姿が多く見られた。
そこにはある意味、人としての潔さも感じた。自分の考えをズバズバとストレートに言い、ここまで同じチームであったり、フロントであったり、オーナーとぶつかる人も少ないのではないか。
全くめげないわけではないだろいうが、それを意に介さないような文章は逆に好感が持て、無責任に面白いという表現になったのだ。
選手として活躍した巨人も、監督として貢献したヤクルトや西武でも、確執が生まれ、結果的に更迭に近い辞任で終わっているケースが多い。
それは、一定の成績を残せなかったという結果よりも、長いものに一切巻かれない、どんな上司だろうが遠慮せず、意見するというその態度が気に入らず、袂を分かつ事がほとんどのようだ。
それでも、オファーが届き、次のステップへとチャレンジできる環境があるのは、何よりも実績に裏打ちされた期待感が、オーナーや球団には強いということだ。最終的には同じような結末をたどるのだが・・・。
それだけプロ野球のオーナーや経営者は同じタイプが多いといえるのかもしれない。
広岡氏の履歴書は、プロ野球球団のヒエラルキーがあからさまにされているようで、大変面白く読ませていただいた。