これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

コミュ障のための面接戦略

就活中の娘に渡したら、「失礼な!」と言われるかもしれない。
そんな大胆なタイトル。

「コミュ障」とは「コミュニケーション障害」のことで、
一般的には他者とうまくコミュニケーションが取れない人のことをいう。
著者の曽和さんも思い切った本を出したものだ。

就職活動する学生が60万人として、
そのうちコミュ障の方が5%だとするとそもそも読者ターゲットは3万人しかいない。
そのターゲットに対してどれだけ売れるというのか・・・。
曽和さんは売れることを想定していないのか(笑)。

あっ、そうそう、本書は自分で購入した一週間後、曽和さんが送ってくれた。
ありがとうございます。
タイミングが一週間早かったらよかったですね(笑)。

ターゲットがそもそも少ないようなことを書いたが、実際はそんなことはない。
一般の就活生が読んでも参考になるし、できれば企業の採用担当者にも読んでもらいたい。
きっと最初からターゲットにしていると思うけど・・・。

面接は僕も毎年行っている。
最終面接で学生さんと1対1のガチンコで1時間面接をする。
面接といっても面談に近いが、学生さんにしてみれば緊張を強いられる時間なのは間違いない。
面接する側として書かれていることは大体はクリアできているが、反省すべき点も多い。
そんな点では僕自身が本書を読んでいい勉強になった。
まだまだ面接官としてのスキルが足りないですね。

本書はこんなふうに袋とじになっている。

書店で立ち読みしても大事な部分は読めないわけだ。
イヤらしい大人はすぐに反応するが、不安を抱く就活生も反応してしまうだろう。
僕はこの破り方をミスし、他のページまで破ってしまった。
テープで修正したが、この後、会社の本棚に置かれることを考えるとちと恥ずかしい。

著者の曽和さんは企業向けの人事コンサルではあるが、ここはあくまでも学生目線。
そこには大きな愛を感じる。
あとがきにはこのようなことが書かれている。

昔、私がしてもらったことを、今度はまだ見ぬ誰かに「恩返し」ができればと。

これが本書を書いた理由のようだ。

ディスコさんの調査によれば、4月1日時点の内定率は26.4%。
この数字を聞いて愕然とした学生さんもいるだろう。
そんなことは何も気にしなくていい。
あくまでもアンケート結果にすぎない。
今、面接が上手くいっていなかったとしても落ち込む必要はない。

これからが本番。
本書も活用しながら、これからチャレンジしてもらいたい。
そう思うのだった。

映画「バイス」

アメリカの懐の深さを感じた作品。
実在の人物を描く場合、本人が亡くなった後に作られるケースが多い。
それはその人物に対する遠慮もあるだろうし、誤解も生む。

しかし、本作はそんなことにお構いなし。
ここに登場する人物のほとんどはまだ健在。
最近だと映画「ソーシャルネットワーク」でマーク・ザッカーバーグ氏を
面白おかしく描いていたが、本作の舞台は政治。
政治家を否定するのは簡単ではないと思うのが一般的。
だが、そんなことは関係ないようだ。

自由の国アメリカを象徴し、あ、映画もね、表現の自由も当然にように許されている。
同様の映画を日本国内で制作するのは難しいだろう。
どこかから圧力も掛かりそうなものだ。

僕はアメリカの政治には疎い。
(日本の政治にも疎いけど・・・。)
その点では大いに勉強になるし、最近のアメリカを知るにはうってつけ。

それでもブッシュ元大統領やパウエル氏はリアルタイムで見ているので、
その描き方には唸らされてしまう。
同時に笑わせてくれる。
僕がブッシュ氏だったら、絶対にクレームをつけ公開中止にするだろう。
それだけでもこの作品は観る価値がある。なかなか衝撃的。

ジャンルでいえば社会派ドラマ。
昨年公開された「ペンタゴン・ペーパーズ」の部類だが、それとは180度異なる。
ウイットに富み、コメディーの要素もある。

そして、なんといっても実在の人物を演じる役者のソックリ度。
ブッシュ氏やパウエル氏の役にも感動するが、
当時の副大統領ディック・チェイニー役を演じたクリスチャン・ベールはさらに感動もの。
とてもバットマンとは思えない。
年齢の積み重ね方も含め、役者魂を感じざるを得ない。
お見事!

実はこの作品、50歳を過ぎたオジサン3人が映画館で仲良く並んで鑑賞。
男3人で映画を観るなんて、僕の人生で初めてのこと。
映画評論仲間である(いつからそんな仲間が・・・笑)
ヤブさんとコヤマさんと一緒に観たのだ。

わざわざ滋賀と東京から名古屋に駆け付けてもらい、
鑑賞後はお酒を飲みながら映画を語り合うという初めての企画。
これがとても楽しかった。

本作の感想もそうだが、最近観た映画などいろんな映画について語り合った。
他の分野にも話は飛んでいくが、結局は映画に話は戻り花を咲かせる。
ヤブさんもコヤマさんも年間50本は映画を観る。
ちゃんと映画館で・・・。
僕はせいぜい30本。

それだけでも凄いと感じるが、その造詣の深さには素直に尊敬。
映画コラムニストを語る自分が少々恥ずかしい。
ただこのような時間を共有できるのはありがたいこと。
今後も定期的にこんな会を行っていく予定。

映画は作品以外にも多くのことを教えてくれる。
あらためて映画に感謝ですね。

仕事と心の流儀

丹羽宇一郎氏の著書は結構読んでいる。
拝聴した講演を含めこのブログでも4本書いている。
少し前の著書だと「危機を突破する力」

当時のブログを読むと理解できるが、基本的に丹羽氏の言われることはいつも同じ。
本書も目新しい内容ではなく、以前読んだ著書の内容に近い。

本来は作家ではなく経営者。
そんな方が本を書くと同じような中身になってしまうのはやむを得ない。
出口さんも同じだし・・・(笑)。

それでも構わない。
僕は丹羽氏は尊敬する経営者の一人だし、その堂々とした生き方は理想的な存在。
多分、同じようなことが書かれているだろうと予測しながら、つい購入してしまった。

ある意味、期待は裏切らなかった(笑)。
ただ自分の立場として勇気づけられるし、
大切にしなければならないのは何なのかを再認識させられる。
そして、本書は目線の高さも求められる。
それは僕らのような経営者やリーダーだけではない。
企業で働くすべてが対象になっているように思える。

読み進めながら、むしろ若手に社会での生き方、働き方、考え方を問うているとも感じた。
働き方改革が進む中で、辛い仕事とか、がむしゃらに頑張ることが減っているのが現状。
それで世の中が、企業が、大袈裟に言えば日本が上手く立ち回れればいい。
果たしてそんなに都合よくいくのだろうか。
時々、不安に陥る時がある。

それは僕が逆境の中で成長したんじゃないかという実感から言えること。
大きなお世話なのかもしれない。
そんな状況に陥れば、自分たちで立ち向かっていく力を見せていけばいいだけのこと。
意外としぶとさや忍耐力を持っているのかもしれない。

ただそれには基礎体力もいるし、それなりの経験も必要。
大きなお世話だがそんなことも考えてしまう。
そんな想いを丹羽氏はストレートに表現し、ハッパを掛けている。

読み手によっては年寄りのお節介と思ってしまうかもしれないが、
世の若手にも読んでもらいたい。
もちろん、うちのメンバーにも・・・。

これまでの作品と違うのはAIについて触れていたことかな。
丹羽氏らしいAIの捉え方だと思うけど・・・。

「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール

3月1日に採用活動が解禁となり、会社説明会を開催する企業は多い。
中には思うように学生を集客できず、頭を悩ませる採用担当者も多いはず。
すでにエントリーシートの受付を始め選考を開始した企業もあるだろう。

いやいや、ディスコさんの調査によれば3月1日時点での内定率は13.9%。
すでに多くの企業が内定を提示しているのが実態。
売り手市場が継続する中で焦るのは採用担当者ばかりなのかもしれない。

担当者の中には従来の採用手法に縛られ、「採用の常識」を信じきった方も多いはず。
今の現状に戸惑いながら・・・。

そんな方には参考になる1冊。
それだけではない。
順調に母集団形成ができている企業(その表現も良くないね…)の担当者も
これから採用活動を行う担当者も読むべき一冊だろう。

それは僕が著者の釘崎さん(株式会社パフ社長)や伊達さん(株式会社ビジネスリサーチラボ社長)と
懇意にさせてもらっているのが理由ではない。
ほんの少しだけそんな理由はあるかもしれないが(笑)、
ここに書かれていることに激しく共感するからだ。

エントリーシートのあり方や志望動機の必要性も含め一見大事なツールに思えるが、
本当にそこまで重要なのかと疑問になることは多い。
そこにキッパリ、ハッキリと言及している。

それは学生の味方になることを意味しているのではなく、
双方にとって本当のメリットを提示しているのだ。
就職関連の書籍は学生のテクニックや企業側のハウツーを示したものが多い。
それはそれで意味はあるが、それでは偏った見方になるのではないか。

本書は採用担当者向けに書かれてはいるが、双方の立場を公平に捉えている。
その点でも好感が持てる。
本来はどちらが偉いわけでもなく対等でなければならない。

そして、釘崎さんはこんなカッコいいことも言う。
「内定者フォローは『未来の人材』に対しての投資」
普段、呑気にギターを弾いているオジサンとはとても思えない(笑)。

本書を読んだからといって最高の人材が採用できるとは限らない。
実践するも最初から上手くいかないことはあるだろう。
しかし、その一つ一つの工程を積み上げることで確実に採用力は向上するはずだ。

それは採用支援をする我々にもいえること。
これはうちのメンバーの必読書にもなるだろう。
全従業員分を購入するかな・・・。

それはともかくとして、新しい常識を僕らはしっかりと理解しておかなければならない。

映画「運び屋」

クリントイーストウッドはどこまで進化を続けるのか?。
それは最新の映像技術を駆使することでも、斬新な演出をすることでもない。
本作は実にオーソドックスな作品。

でも、僕は唸ってしまう。
クリントイーストウッドの進化に唸ってしまうのだ。

これをネタバレをせずに語れという方が難しい。
僕はこの作品をどう語ればいいのか・・・。
そんなくだらない悩みをこの監督は僕にもたらせてくる。
だったら観なければいいのに、僕は公開初日の午前中に鑑賞した。

映画の主役(本人)は90歳の役。
実際のクリントイーストウッドは88歳。
実話を基に作られた映画だが、
これは自分自身に対しての自戒を込めた作品ではないだろうか。

そう考えるのは僕だけかもしれないが、そんなふうに思ってしまった。
理由のひとつが自分も本作の主役であるアール・ストーンと
同じような人生を歩みそうな気がするからだ。
自分勝手な行動を反省しつつも、外面を気にして見栄を張り、
周りに利用されながらもうまく利用していく。
駆け引きも巧みだ。

老いだけが自分の無力さに繋がっていく。
ブザマな愛情表現も切なく笑いも誘う。
僕はなぜか自分をオーバーラップさせながら映画と一体化していった。

決して許されることではない。
犯罪であるのも事実。
そして、ただのワガママ爺の話だ。

しかし、誰もがこのアールの存在に惹き込まれ、
愛すべき爺さんに頷いて映画を終えることになる。
これは全て計算されているのであろうか。
やはりクリントイーストウッドは進化しているのだ。

昨年の「15時17分、パリ行き」
2年前の「ハドソン川の奇跡」
4年前の「アメリカン・スナイパー」
1~2年ごとに映画を撮るパワーはどこから生まれるのだろう。
次の作品は90歳になった時か・・・。

経営者にしても映画監督にしてもピークを過ぎれば下降線をたどる。
通常であれば遅くとも70代でピークを過ぎるはず。
この監督はまだピークを迎えないのか。
この先も期待してしまうのは間違っているのだろうか。

右脳思考

僕はずっと右脳に頼って生きてきた。
多分、30代半ばまでは右脳頼みの仕事や生活をしてきた。
会社での役割が増え責任が重くなってきた時に自分の説得力のなさに気づき始めた。
特に上司にはケチョンケチョンに言われたと思う。

「論理が破綻している・・・」
そんな罵声を浴びて、ようやくヤバいと思い始めた。
そこから結構勉強し始めた。
グロービスの「クリティカルシンキング」に通い、論理的に考える力を一から鍛えた。
優秀なレベルには届かないが、一応は論理的に説明をしたり、考えたりすることもできるようになった。

これで万全!と思ったが、世の中そんな単純ではない。
論理的に正しくても相手側が共感するかといえば、そうではない。
力でねじ伏せることはできてもその想いは違った。
まさに本書に書かれていることである。

また、論理的に正しくてもビジネスで成功する、売上が格段に伸びることでもなかった。
世の中そんなに甘くはないのだ。
それに気づいたからではないが、
もっと感覚を大切にしよう、もっと自由な発想を持とうとも思った。
それは間違いではないと思う。

論理的ばかりであるとつまらないし、息も詰まる。
もちろん感や勘だけではリスクがあるので、一方でその思考は必要。

右脳だけでは危険。
それでは以前の僕と変わらないということ。
ただの思いつきで喋る愚か者でしかない。

どううまく使いこなすか、使い分けるか・・・。
本書はそれを分かりやすく著してある。

やっぱり、そうなのか・・・。
僕が思っていたことはあながち間違いではない。
右脳→左脳→右脳。
この順番が正しいというわけだ。

きっとこれだけでは分からないだろう。
だから本書を読む必要もある。
結局は両方鍛えなきゃならない。

しかし、ロジカルシンキングを鍛えるための本やスクールはあっても、
感や勘を鍛えるところはあまりない。
マッピーくらいかな・・・(笑)。
となると本能の赴くままだけでなく、自分で意図的に使わねばならない。

①観察する
②感じ取る
③勘を働かせる

この3つをグルグル回さないと・・・。
これからのリーダーや経営者にはより「右脳思考」が求められる。

求められるものが多すぎて、困ってしまうな。
う~む。
右脳を鍛えるために映画でも観に行くかな・・・。

映画「グリーンブック」

この作品はアカデミー賞を受賞する前から観ようと思っていた。
作品賞を含め脚本賞、助演男優賞を受賞した作品なので、日本でも大きな話題に。
いろんな場で作品について語られているのを目にすることが多くなった。

僕はそれをできるだけ観ないようにしていたわけだが、
この状態で映画を観たとなるとただのミーハーかと思われてしまうだろう。
そこは断固として否定したい。

洋画にはそれほど詳しくはないが、その内容に気持ちが傾き、
随分前から観ようと思っていたのだ。
僕の周りでも絶賛する声も多い。
それに影響されたわけじゃないことは敢えて声を大にして言いたい。

本作をネタバレせずに語るのは難しい。
黒人ピアニストとイタリア系白人運転手という関係は明かしておこう。
実際、映画を観る人は100%知ってるはず・・・。

そもそもタイトルの「グリーンブック」という存在を知らなかった。
映画を観て初めて知った。
グリーンは緑ではなく、グリーンさんという人の名前。
黒人が安心して旅行に行けるガイドブックの存在。
それくらいのネタバレは許されるだろう。

失礼な言い方をすれば、この2人の単純な巡業の映画。
そのほとんどは車中やホテルで語られている。
何気ないシーンの連続である。

しかし、そこがたまらなく愛おしい。
言葉に表さない互いを想う気持ちや深まる友情がとても愛おしい。
黒人差別を題材にした社会派ドラマのジャンルに入るのだろうが、それもどうでもいい。
心が温かくなり、時にドキドキし、時にうるっとし、時に腹が立てばそれでいい。
シンプルに映画にのめり込み、それを楽しめばいい。
そんなことを思わせてくれる映画。
だからハッピーエンドなんだ。

そして思う。
ケンタッキー・フライド・チキンも食べたくなるし、
(誰かさんも言っていたな・・・笑)
カティサークも飲みたくなる。

カティサークって、そんな美味しいお酒だったけ?。
今度、頼んでみよ。
もちろん、ストレートで・・・。

僕は日本人で日本国内に住んでいる。
それはそれで幸せなこと。
映画の世界とは無縁。

でも、本作を観ると自分たちの限られた世界では分からないことが魅力的だとも思う。
それは舞台となる1960年代だけでなく現代もそう。
多様だからこそ実感できる幸せもある。
それを思わせてくれるのがこの作品。

今年も外国映画は素晴らしい作品が多そうだ。

「インパクトカンパニー」を読む

言い方はよくないが、書籍広告と書籍の帯にうまく騙された感じだ(笑)。
帯にはこんなことが書かれている。
「GAFAはもはや脅威ではない!」
「『小さくても輝く企業』に生まれ変わるための『たった一つの勝ちパターン』とは?」
そして書籍の中央にも
「成熟企業を再成長させる、シンプルな処方箋」。

単純で素直な性格な僕はその言葉に惹かれ、ついポチと押してしまった。
これまでどれだけ本を読んでいるというのか。
どんな本を選んできたというのか。

都会に初めて出てきた田舎者のように客引きの巧みな言葉につい連れていかれた感じだった。
こう書くと本書を全面否定しているようだが、そうではない。
僕が期待しすぎただけのことである。

やっぱりGAFAは脅威だし、たった一つの勝ちパターンなんてない。
本を読んで学ぶべきことは無限にあるが、すべての回答が書かれているわけではない。
それは幻想に過ぎない。

しかし、ついついそれを求めてしまうのは単純で素直、
いや、短絡的で思考停止なだけかもしれない。
やはり読むべき書籍は手に取り香りを嗅いで選ぶべきなんだろう。
ちょっと大袈裟に言いすぎかな(笑)。

著者の神田昌典氏のファンは多いだろう。
著作も多い。
今回僕は著書を初めて読んだことになる。
20年の集大成とも書かれている。
それは正しいことかもしれないし、そうではないかもしれない。
読み手の理解次第だ。
それは読み手である僕の力不足ともいえるだろう。
評価もそこそこ高いわけだし・・・。

ウルトラマン世代とポケモン世代の違いも面白かったし、
フィーチャーマッピングも参考になった。
PASONAの法則も使えると思う。
十分、元は取れているじゃないか(笑)。

実用書としてもっと活用すべきなんだろう。
きっと読者のターゲットはズレていないはず。
僕らのゾーンだと思うんだけど・・・。
なんとなく消化不良のブログになってしまった。
たまにはいいかな(笑)。

映画「翔んで埼玉」

よくもまあ、こんなふざけた映画を一流どころの役者が真剣に演じているもんだ・・・
というのが僕の素直な感想。
本作に出演する役者陣は豪華。
二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介ら主役級も堂々とバカをやっている。

バカをやっているんじゃないな。
映画の中で自分たちの正義を貫いている。
そこは真剣そのもの。
この映画に関わることがそれだけ価値があるということか・・・。

東京都知事役の中尾彬氏はドラマ「ハゲタカ」の飯島常務を思い出してしまった。
クルミを触っているシーンなんかは
「そのリーク、握りつぶせ!」
と言っているに近かった。
マニアックすぎるか・・・。

この映画タイトルを聞いて、まず頭に浮かんだのが「なぜか埼玉」という歌。
確か中学生の頃に密かに流行っていた。
その当時、埼玉県なんて地図で見るくらいで、行ったこともなければ行きたいとも思わない土地。
どこが名所かも全く知らなかった。

今もどこか名所かは知らない。
そもそも埼玉って、行ったことあったっけ?。
いや、今もない。
通り過ぎたことぐらいあるかと思ったが、多分、通り過ぎてもいない。

千葉県はディズニーランドにも行ったし、イオン本社もお邪魔した。
そんな点では千葉の勝ちかな(笑)。
と関係ない方向に進んでいったが、映画はまさに埼玉と千葉の戦い。
そこに群馬が絡んでくる。

東海地区の人間からすれば全然イメージできない。
その優劣も分からない。
春日部のヒエラルキーも知らない。
関東地区の人から見れば、岐阜県と三重県が戦っているようなものだろう。

岐阜県で生まれ育った者としては心境は埼玉に近い。
岐阜県には海がない。
必然的に海に憧れる気持ちは分かる。
老後は沖縄に住みたいとか、旅行はやはり海側がいいと思うのは、
その育った環境が無意識に影響しているのだろう。

いかん、いかん、映画の中身に何一つ触れていない。

僕はこれでも映画は社会派ドラマが好きだ。
アクションものでもダークナイトような影のある作品が好きだ。

でも、たまにはこうしたノーテンキな作品を観るのもいい。
時間的な余裕があり、何も考えることなく、無邪気に楽しめる作品をたまには観るべき。

きっと二階堂ふみにしても伊勢谷友介にしても本作を自分の代表作とは言わないだろう。
しかし、愛すべき作品だとはいいそうだ。
その過剰な演技をみるとそんな愛がこちらにも伝わってくる。

何が面白かったか。
全編笑える作品だが、エンディングのはなわが歌う「埼玉県のうた」が一番面白かった。
それにしてもこれを観た埼玉県人は怒らないのかな?。
明日のFネット例会で出身者に聞いてみたいと思う(笑)。

に・ほ・ん・も・の

何がキッカケだったかは忘れてしまったが、
中田英寿氏がこんな書籍を出したので早速、購入。
Kindle版にしようか迷ったが、単行本を買って正解。
手元に置いて、ちょくちょく眺めるにも適した一冊。

本書は中田氏が47都道府県を旅をして、そこで出会った日本の良さを伝えている。
ここでいう日本の良さとは、わざ、ごちそう、おもてなし、にほんしゅ、おみやげのこと。
あえてここはひらがなで・・・(笑)。

その魅力について中田氏が迫る。
僕はサッカー選手としての彼が好きだったが、すっかり日本文化を伝える伝道師になってしまった。
それは決して悪いことではない。
海外を渡り歩いてきたからこそ日本の文化を伝える必要性を感じたんだろうし、
彼の感性が上手くマッチしているようにも思える。
確かに僕らは日本の文化を知っているようで知らない。
魅力を伝えるボキャブラリーや知識も足りない。
それを中田氏は自らの足を運び、実際に体験し伝えている。

ここで紹介される伝統芸も料理も旅館も日本酒も土産も心が奪われる。
食したくなるし、飲みたくなるし、泊まりたくもなる。
高尚さを感じるもののそれだけではない。
中田氏はいい具合に敷居を下げながらも価値を高めている。

それが呑気なグルメレポーターなら、
「この上品なのどごしがサイコーなんですよ。」と解説し、軽い存在にしてしまう。
人気食べ物ブロガーとやらも同じようなものだろう(笑)。
もう少し人間的重みが必要・・・。

本書を読んで感じるのは、
一度は何も考えることなく旅をして、美味しい食事とお酒を頂き、
のんびりと過ごしたいということ。
そんな時間をいずれ持ちたい。

読後に本書で紹介された「十四代」「而今」が急に飲みたくなり、
比較的お酒の種類の多い近所の酒屋に行ってみた。
残念ながら、なかった。

やはり飲みに行くしかないのか・・・。
そして、飲みに行ってきた(笑)。

ただ美味い酒を飲むのではなく、そのこだわりを知ることも大切。
特に最近は若手の後継者が積極的に活動しているようにも思える。
彼らを応援する意味においても、消費しなければならない。
日本の良さを感じるためにも・・・。

結局は飲みたいだけだろ!と言われそうだが、やはり日本は素晴らしい国。
たまにはこの手の書籍も読まねばならない。