これからも前向きに 名大社会長ブログ

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僕が選ぶ日本映画ベストテン

昨年は人気食べ物ブロガーとしてだけでなく映画コラムニストとしても活躍した。

(ウソです。実際は何もしてません。当たり前か・・・)

年が明け、いろんな場で前年の映画の評価が行われている。
先日、キネマ旬報の2016年ベストテンも発表された。

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写真は一昨日の中日新聞の記事。
日本映画についてはこんなベストテン。

1.この世界の片隅に
2.シン・ゴジラ
3.淵に立つ
4.ディストラクション・ベイビーズ
5. 永い言い訳
6. リップヴァンウィンクルの花嫁
7. 湯を沸かすほどの熱い愛
8. クリーピー 偽りの隣人
9. オーバー・フェンス
10.怒り

なるほど・・・。
1位の「この世界の片隅に」はジワジワと評価を上げた作品だろう。
僕の友人でも1位にランキングしている人は多い。
トップにしないと人間性を疑われるかな・・・(笑)

この10本の作品の中で僕が観た映画は5本。
例年に比べれば善戦しているが、
「ディストラクション・ベイビーズ」のような全く知らない作品もある。
「湯を沸かすほどの熱い愛」のように観たいと思いながら見逃した作品もある。

ちなみに昨年観た日本映画は20本。
映画コラムニストとしての本数は少ないが、
一定数の作品を観ているので独断と偏見でベストテンを並べてみた。
きっとこれが世間の話題となるんじゃないかな(笑)。

1.日本一悪い奴ら
2.淵に立つ
3.聖の青春
4.永い言い訳
5. シン・ゴジラ
6. この世界の片隅に
7. ボクの妻と結婚してください
8. 怒り
9. 64(ロクヨン)
10 .海賊とよばれた男

まとまな評論家ならこの1位はあり得ないかもしれない。
しかし、僕の中では一番印象深くなおかつ社会の問題を
面白おかしくあぶり出していたように思えた。

こう並べていると上位作品は暗い映画が多い。
実は僕はネクラなのかもしれない(笑)。
たかだか20本しか観ていないが、ランキングするのは難しい。

「4位と5位の差は何ですか?」
と聞かれても明確な答えはない。
「はあ~、何となく・・・です」と答えるしかない。
「海よりもまだ深く」「セトウツミ」「続・深夜食堂」は迷ったがランキング外。
話題の「君の名は。」も入らなかった。
今年は後半にいい作品が増えてきたというのが僕の印象。

無責任極まりない選出なので参考になることはない少ないと思うが、
これも映画コラムニストとしての僕の仕事。
人の在り方については考えさせられることは多かった。

評価に手間取ったことで、
このブログを書くのに結構な時間を要したことは理解してもらいたい。
中身はなくてもね・・・。

「ザ・会社改造」を読む

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正式タイトルは「ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ」。
プロ経営者と言われる三枝匡氏がミスミの社長就任から12年かけて
成し遂げてきた改革を克明に描いている。
理論も大切だが、その実践内容を共に作りあげてきたメンバーの想いを
含め書かれているのは納得感も高い。
よりリアルに感じ、その時々の葛藤が伝わってくる。

340人だった会社を10,000人の会社に成長させたという結果だけ聞けば単なる成功物語と思うが、
その道のりは険しい。
マスコミに報道されない困難な過程、
あまり表現したくないようなマイナス面も包み隠さず書かれている。

僕が10年程前、ビジネススクールに通っていた時にミスミの若手の方と一緒になったことがあった。
当時から会社の新たなビジネスモデルと成長性は注目されていたので、
その最先端な仕事ぶりを聞いてみたことがあった。
答えは意外で、「全然そうでもなくて問題も多いんですよ。」
というような内容だった。
謙遜しているかと当時思っていたが、実際は過渡期で苦労していた時期だったんだ
と本書を読んで思い返した。

企業の成長の裏側には必ず難しい対立や戦いが起こる。
自分が正しいと言いながら行動しない抵抗勢力や口だけしか動かないリーダーなど、
扱いにくい人物はどんな企業にも山ほどいるのだろう。
そことどう向き合っていくか、理解させるまでじっくり付き合うのか、
バッサリ切り捨てるのかもトップとして重要な決断になる。
それを当たり前のことのように飄々と話しながら
淡々に実行する力が「プロ経営者」としての力量なんだろう。
程遠いですね・・・(笑)。

本書のいろんな箇所に赤線を引いた。その一部を公開すると
・社員の意識を変えるために「意識改革をしよう」と叫ぶ経営者は、経営力が足りないのである。
・会社は2年で大きく変わることができるのだ。逆に、
 2年のつもりでやらなければ10年経っても変われない。
・組織が疲れてくると、組織内の抵抗派が力を増す。
・「末端やたら元気」を実現する出発点は、<スモール・イズ・ビューティフル>の組織論である。
・経営者の技量は、過去に経験した「死の谷」の回数で決まる。

他にも沢山あるが、ここまで。
納得感は高いと共に、う~ん、反省・・・である。

1万人の会社を作ろうとは思わないし、そんな能力もない。
ただ会社が成長し続けるためには常に改革していくことは大切。
改めてその必要性を学ばせてもらった。

映画「海賊とよばれた男」

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原作を読んだのは3年前。当時のブログにも書いた。
普段、あまり読まない小説でかなりの感動を覚えた。
何度も映画館で予告編を観るうちに当たり前ように劇場に足を運んだ。
予告編を観る限り、いい出来栄えじゃないかと期待させてくれた。

と同時に不安に思うこともいくつかあった。
優れた原作の映画化は失敗するケースが多い。
あの上下2巻の超大作を145分にどうやってまとめるのか。
岡田准一はいい男すぎる(笑)。
などなど・・・。

期待半分、不安半分で観たことになる。
友人の評価も様々。賛否両論、入り混じっていた。
では、実際、観終わった後の感想はどうだったか。
面白かった。
厳密にいえば、かなり凝縮しすぎて欠落している点も多いとは思うが、見応えがある映画だった。

何よりも企業のトップが見せるべき姿を明確に描いていた。
これは自分勝手な見方だが、経営者と一般の方とでは
感動したシーンやセリフは微妙に異なるのではないだろうか。
それだけ理想的なリーダーシップが描かれていた。
現代社会にそぐわない点は多数あるが、その本質は変わることはない。
経営者や目指す人には勉強になるんじゃないのかな・・・。
ちょっと言いすぎか(笑)。

本作は出光興産創業者の出光佐三をモデルにしている。
昨今、出光興産と昭和シェル石油の合併問題が話題になっている。
この映画の公開は偶然にすぎないと思うが、
映画や小説を読む限り出光興産の創業家が合併に反対するのは当然のこと。
ファミリービジネス的にいえば、創業の精神、文化を大切にしているとも言える。
大手しか生き残れない時代には、とても難しい判断だと思うけど・・・。

僕としてちょっと寂しかった点。
岡田准一扮する主人公国岡鐡造と綾瀬はるか扮する妻サキの描き方。
ここに時間を割けないのはやむを得ないと思う。
でも、中途半端さは否めない。
他にもいくつかあったかな。恩師との関係性とか(笑)。

それにしても時代考証は見事。
このあたりは山崎貴監督の才能がいかんなく発揮されている。
こんな仕事が得意技なんだろう。

僕は映画は最後の最後まで観るようにしている。
エンドロールもしっかりと観ている。
そこに登場していた。
制作主任 山田哲也。

僕の名前が流れていた。
もしかしたら友人は勘違いしているかもしれない。
「あっ、山田さん、制作に絡んでたんだ」と・・・。

実際は関係ありません。
制作に一切タッチはしていません。
そんなこと言わなくてもわかるか。
そもそも誰も気づいていないか。

これも映画を楽しむ一つなのかもしれない。

会社はいつ道を踏み外すのか 経済事件10の深層

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この類の書籍は定期的に読むようにしている。
成功物語ではなく失敗物語。
読んでいて決して気持ちのいいものではない。
とてもイヤな気分になるのも事実。
しかし、僕の中では定期的に読まなければと思っている。

それは簡単な理由。
いつ何時、自分も同じ状況に陥るか分からない。
今は健全な状態でも道を踏み外す可能性はある。
僕は完璧な人間ではない。
どちらかといえば弱い面が多い。
となると反面教師の要素を含め、この類の存在が必要となる。

ここに登場する東芝もオリンパスも石橋産業も客観的にみれば、愚かなのは一目瞭然。
経営者という立場以前に一人の人間として犯してはならない過ちがほとんど。
頭では理解できる。
倫理観が欠如しているといってしまえばそれまで。

しかし、当事者になると解釈が勝手に変化していく。
自分の都合のいい解釈となり、いつのまにか普通のことになってしまう。
それがマズいと気づいた時は手遅れでどうにもならない状態。
最悪の事態は会社の存在も消してしまう。

事業が上手くいかず倒産に追い込まれるのは経営者の能力不足。
同じ能力不足でも不正を働き場外に追い出されるのであれば、
まだ事業が上手くいかず追い出される方がまだまし。
その両方ともならないようにするのが必須だけど・・・。

本書では加害者のケースばかりではない。
被害者というべきケースもある。
同情しないわけではないが、それもトップの責任であるのは間違いない。
ここも僕は注意せねばならない。

巻末に「事件(問題)を起こしやすい会社」の特徴が書かれている。

①上司にごまをする能力しかない縁故(コネ)入社の社員ばかりが出世する
②創業一族が大株主としていつまでも経営権を手放そうとしない
③創業者一族以外の特定の人物が長期間トップに君臨し、ポストを譲らない
④創業者または「中興の祖」と呼ばれる人物がいつまでも影響力を持ち続ける
⑤トップが周囲の助言に聞く耳を持たず、自分の過去の成功体験ばかり自慢する
⑥特定の学閥、派閥だけが優遇される
⑦正規雇用の社員と非正規雇用の社員の待遇格差が大きい

なるほど。すべて正しいとは思わないが、納得感もある。
うちの会社が当てはまるとすれば③だけかな。
それは僕が長く君臨する場合をいうんだけど(笑)、ずっと先のこと。
その前に譲るしね。

どちらにしても健全であり続けることが重要。
倫理観を持ち続けることが重要。

飲んでグデグデになる愚かな行動はここには含まれない。
少しばかり安心した。
次元が低すぎるだけかもしれないけど(笑)。

映画「聖の青春」

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将棋を知っていたら、もっと楽しめたかもしれない。
そんなことを観終わった後、単純に感じた。
将棋は高校時代に詳しい友達に教えてもらったのだが、
ほんの少しかじっただけでそのまま放置。

すっかり忘れてしまった。
知識は皆無と言っていい。
そんな状態で観た本作だが、十分楽しむことができた。
知識ゼロでも感動できる。

スポーツの勝負のような躍動する緊張感はないが、
張り詰めた状態で時間が流れるのはそれに近い。
真剣勝負の世界はどんなジャンルでも同じなのかもしれない。

本作は29歳で亡くなった棋士・村山聖(さとし)氏の生涯を描いている。
羽生善治氏のライバル関係にあった将棋界の異才だが、
その存在を知っている方は少ないのではないか。
僕がその世界に疎いだけかもしれないが、映画の予告編を観るまで知らなかった。

予告編で伝わるピリピリ感と松山ケンイチ君の太った姿、
東出昌大君の羽生さんを醸し出す雰囲気を観て、この作品は絶対観ようと決めた。
羽生善治役の東出くんは大河ドラマ「花燃ゆ」を見て、下手くそな役者だなと思っていた。
大変失礼しました(苦笑)。
本人のしぐさに激似だった。

主役の松山君もきっと村山聖はこんな態度で話し方をするのだろうと思わせてくれた。
この配役は絶妙だったのではないか。

肝心の映画だが、僕の好きな作品となった。
そのもがき葛藤する姿がいい。
自分の感情を遠慮することなく周りにぶちまけ、生き抜こうとする生き様がいい。
村山氏を取り囲む関係者は翻弄されながらも見捨てることなく支え続ける。
全体で映画を盛り上げている。

そして、村山氏と羽生氏がサシ飲みするシーン。
ここは泣ける。
どんなシチュエーションでどんな会話をするかは内緒だが、ここは泣ける。
決して泣かそうとか、感動させようとするシーンではない。
しかし、ジーンとくる。
ライバル関係である二人がお互いを・・・。
書きたいがネタバレになるので止めておく(笑)。

真剣に戦う者しか分からない世界がス~ッと瞬間的に拡がる。
そしてス~ッと静かに消え去っていく。
客のいない安居酒屋での美しいシーン。
主役村山氏の努力が報われ、さらに努力が求められる。
だからこそ健全なライバル関係が維持できる。

今年の日本映画は小粒ながらも秀作が多いように思える。
それは例年に比べ、沢山の日本映画を見ているだけなのかもしれない。
多いといっても今日までで19本。
派手さはないが、心に響き染み渡る作品が目立つ。
なんだか優しい人間になった気がする。
この作品もそう。
それも幸せなこと。

吉野家の牛丼を食べながら、しみじみ感じるのもいいかもしれない。
これは映画を観た人でないとわかりませんね(笑)。

映画「この世界の片隅に」

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身近に情報がなければ素通りしていた作品だろう。
この手の映画が得意ではなく、進んで観ようとは思わなかった。
何人かの友人が「ぜひ、観るべきだ!」と熱く語るので、劇場に足を運んだ。

どんな映画であるかは全く聞くこともせず、
単に戦争を描いたアニメーションという認識のみ。
短絡的だが「火垂るの墓に近いのかな?」というイメージしかなかった。

いい意味で裏切られた。
どうしても戦争を描く映画は、その悲惨な状況から人の死を描くことが多い。
その悲惨さから戦争が過ちであることを訴えることがほとんど。
至極まっとうな描き方。
そんな映画を僕らは何回も観てきた。
平成の時代を生きる今、それを続けることは必要だと思う。

それが「日本のいちばん長い一日」なのか
「永遠の0」なのか「黒い雨」なのか
「少年H」なのか映画によってマチマチだが、
その時代は常に知っておかねばならない。

本作もそう。
しかし、これまでの戦争映画とは異なる。
いい意味で裏切られる。

戦争の悲惨さを描きながらもほのぼのとしてしまうのはなぜだろう。
悲しい毎日なはずなのに微笑んでしまうのはなぜだろう。
もちろん辛いシーンはある。
切ない場面も多い。

しかし、である。
この映画を包む世界はこれまでの戦争映画とは一線を画している。
どう表現するのが妥当かはわからないが、
その位置づけは戦争アニメというカテゴリーではないように思う。

アニメという表現も間違っているような気がする。
絵が動いている感じ。
それがアニメというのかな?(笑)。
素朴で柔らかな感じに思えてしまったのは僕だけではないだろう。
そんな意味でも大いに裏切られ、観ておいてよかった。

また、話題になっている一つとして、主役すずさん役の声。
能年玲奈を改名した「のん」さん。
改名の背景には全く興味がないが、のんさんの声がいい演出になっているのは事実。
主人公すずさんの役柄にうまくマッチしている。

そして、この作品はクラウドファンディングによって制作されている。
これも新しいカタチ。
今後、このようなスタイルの映画が生まれてくるのだろう。
作り手の裾野が広がり、大手配給会社に頼らない仕組みは歓迎すべきかな。
いずれ出資しますよ(笑)。

作風自体は新しくともなんともないが、
とても新鮮な気持ちにさせてくれる映画だった。

話し方ひとつで面白いほど仕事がうまくいく本

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著者の堀内さんとはかれこれ10年位の付き合い。
以前、副社長を務められていた会社の担当営業が僕で採用のお手伝いをさせてもらっていた。
合同説明会の場で堀内さんが学生に熱く温かく語りかけていたシーンは今でも印象に残っている。

彼が独立をするタイミングと僕が社長を引き継ぐタイミングと重なったこともあり、
うちのイベントで結構な数の講演をしてもらった。
その時の実績が少なからず今回の出版にも影響しているのだろう。

僕は「僕が堀内さんを育てましたね。」とエラそうに言うわけだが、
堀内さんは気を遣って、もしくは内心面倒くさがって(笑)、
「山田さんのおかげです。」と言ってくれる。
実際はこれっぽちもないんだけど・・・。

当時から堀内さんはしきりに本を出したいと話していたので、
今回、念願が叶ったわけだ。
それも自分の作品を売り込んだわけではなく、
出版社の方から依頼があるという理想のカタチ。
地道に努力し続けると結果はついてくるもの。
改めてそんなことを感じたし、僕自身も嬉しい。

本書はとても読みやすいし分かりやすい。
図解も多いのでビジュアルで理解もしやすくなる。
人前で話す場面を多くのシーンに分けながら書かれているので、
その都度、チェックするのも効果的だろう。

人前で緊張する場合はどうしたらいいのか。
上手くプレゼンをこなす方法はなにか。
人間関係をよくするコミュニケーションとは。
人と話すために大切な要素が多く書かれている。
若手にも中堅にも幹部にもおススメ。

堀内さんには「僕が読んだら、みんなに回しますね。」と言うと
「山田さん、困ります。ちゃんと買ってください。」と言われてしまった。
そりゃそうだな(笑)。

僕が持っているのはわざわざ届けてもらった1冊。
本棚には収めておくが、みんな、ちゃんと買うように!

本人のサインも頂いた。

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会社の前で記念撮影。

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これをステップに活躍するステージをさらに広げてもらいたい。
もっとメジャーになれば、飲んだ席で
「あ~、あの有名な堀内君ね。ヤツを育てたのはオレだよ。」
なんて言えるだろう(笑)。

本書はあさ出版さんの超解シリーズ。
ラインナップを見てみると懐かしい名前を発見。
船井総合研究所の川原慎也さんも執筆されている。
彼が以前の会社の採用担当で僕のクライアント。
東京本社だったが名古屋に来られた際は二人で飲みに出掛けたりしていた。

いやあ~、世間は狭いな。
こうして知った方が活躍するのは嬉しいもの。

これからも期待しています。
みなさん、買ってください(笑)。

島耕作も、楽じゃない

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僕は「課長 島耕作」は読んだことはない。
課長に限らず、部長も社長も会長も読んだことがない。
どこまでシリーズがあるかもよく知らない。

今から25年ほど前、映画「課長 島耕作」は観た。
トシちゃんが主役で監督が根岸吉太郎氏だったので期待したが、つまらなかった。
麻生祐未さんとの絡みのシーンが羨ましかったくらいで、
あとは何も覚えていない。

著者の弘兼憲史氏の講演も一度拝聴したが、正直、つまらなかった。
(スミマセン)
講演タイトルと内容が大きく違っていたのも問題だとは思う。
反対にその後のビリギャルの坪田さんの講演が期待以上に面白かったのでよかったけど。
それからしばらくして知り合いになれたのは自慢の一つですね(笑)。

ここまで書く批判ばかりしてる感じで著者の弘兼氏には嫌われてしまいそう。
迎合するわけではないが、ここはフォローしておきたい。
僕は島耕作を知らない分、
本書で客観視できることはビジネス上の成功体験者として参考にすることができる。
フィクションには違いないが、
事業を推進していく上で大切な要素が折り込まれているのは参考になる。
それは著者の企業人としての経験と取材や出会った経営者から吸収したものであろう。

ここまで実績を出せば日本を代表する経営者とはいつでも会うことが可能。
それはやはり「課長 島耕作」の原作者であることが重要で、
スポ根マンガや少女マンガじゃ難しいだろう。
(具体的な作品名が何一つ浮かばない・・・)
社会的立場は大いに利用すべきなのだ。

本書では島耕作の人物像ではなく実際の経営者について著者の視点から展開されている。
柳井正氏、澤田秀雄氏、新浪剛史氏など今の日本を牽引するリーダーも描いている。
この切り口も面白い。個人的にはここが一番勉強になったかな(笑)。

とはいえ、弘兼氏の生き方にも興味深い。
漫画家という職業柄もあるだろうが、一般的なビジネスマンと生活スタイルは180度異なる。
ある意味、それを真似ることは困難。
あえて真似ようとも思わない。

しかし、それがそこから生まれる素晴らしい作品は
僕のような凡人にはイメージできるものではない。
それを40年も続けるなんて、その持続力は相当なもの。
企業人は企業に所属しているからこそ持続できている面もあるわけだし・・・。

ちょっと余裕ができたのなら、
「課長 島耕作」からのそのシリーズを読んでもいいのかもしれない。

そんなことを思ってしまった。

映画「続・深夜食堂」

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わざわざ映画館まで足を運ぶ必要があるのだろうか・・・とつい思ってしまう。
短編ドラマはネットでも観れたりするからだ。
しかし、より映画を感じようとすれば、わざわざ足を運ぶ必要もある。

派手なアクションがあるわけではない。
壮大なロケーションが行われているわけではない。
製作費にしてもそれほど膨大ではないはず。
それでもわざわざ足を運ぶ。
そう、映画を感じる必要があるのだ。

豚汁がグツグツと煮立つ音、生姜焼きがジュージュー焼かれる音。
匂いはわからない。
だが、感じることはできる。
それも人の温かさや優しさが伝わってくる。

僕は朝型人間なので深夜は得意ではない。
厳密にいえば昔は得意だったが、
40代以降早起きを心掛けるようになり、すっかり夜は弱くなった。
夜遅くまで飲んでいるとたまに寝ていたりする。
それはちょっと恥ずかしいけど、それが実態。

だから深夜12時から朝7時ごろまで営業する「深夜食堂」は僕には合わない。
しかし、この作品を観てしまうとこの「深夜食堂」に行きたくなってしまう。
熱燗をチビチビやりながら、ちょっとツマミを摘み、最後に豚汁定食で〆る。
全くをもって体にはよくないが、そんな夜を過ごしてみたい。

不破万作さんあたりにちょっと絡まれながら、それを軽くかわしながら飲んでみたい。
小林薫さん扮するマスターに「また、来なよ。」と言われながら、店を出たい。
ひとりでしみじみとボソボソ独り言を呟きながら飲むのが正しい方法かな?
とそんなふうに思ってしまう。

前作でもこの作品の温かさについてブログでも触れたが今回も同様。
ひたすら温かい。
人っていいなと思わせてくれる。
東京も悪くないなと思わせてくれる。

前回の映画ブログで池松壮亮さんのことを書いたが、
なんとこの作品にも重要な役柄で出演されていた。
今年、一体、何本の映画に出演しているのか。
僕が観ただけでも4本も出ているぞ。
う~ん、なかなか、やるじゃないか(笑)。

主役のマスターは言葉数が多いわけではない。
気の利いたことや特別なアドバイスをするわけではない。
じっくりと話を聞き、気持ちのこもった食事を出すだけ。
ボソッと相手に気づきを与える言葉を発するだけ。
それがメンターとして大きな役割を果たしている。
相手はそれで十分安心する。

勝手な見方でしかないが、会社においても同じなのかもしれない。
いい人間関係や信頼関係を築くにはそれほど多くの言葉は必要としない。
特に困ったり悩んだりする時はそうなんだろう。
安心できる場さえ提供できていれば、それで悩みは解決の方向に向かう。

なんでも仕事に結びつけるのはよくないが、そんなことを思ってしまった。
となると、部下との関係性に悩んでいる上司は観るべき映画なのかもしれない。

中小企業のための長期インターン活用戦略

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正式なタイトルは
『事業拡大を実現する中小企業のための「長期インターン」活用戦略』
とかなり長い。
多分、ビリギャルの著者坪田さんを意識したんじゃないのかな(笑)。
多分・・・。

著者の佐藤均氏は名古屋に本社を構える株式会社丸八テント商会の社長。
親しい間柄ではないが、何度かご一緒させて頂いた。
出会った場所は本書にも登場するGnetさんのイベント。
Gnetさんとは岐阜のNPO団体で長期インターンシップのプログラムを提供している。
また、新卒採用の事業も手掛けられており、悪く言えば競合。
しかし、お互いにそんな意識はなく、
昨年も国のUIJターンの事業でパートナーとして仕事をさせてもらった。

本書ではGnetさんも含めた長期インターンの学生を上手く活用することで、
会社がいい刺激を受け成長する過程を描いている。
一般的にインターンシップと言えば、学生のための就業経験であったり、
最近だと1DAY、2DAYの採用目的とするケースが多い。

ここではそれを遥かに突き抜け、インターン学生を会社の戦略として扱い、
新規事業の立ち上げから実行まで活かしている。
それがうまく機能するとグッドサイクルが回り、会社にとってもインターン生にとっても有益となる。
まさに帯に書いてある「ローコストでイノベーションを起こす究極の人材活用戦略」だ。

では、ここに登場する学生はずば抜けて優秀か。
たしかに優秀ではある。
僕も話をさせてもらった経験もある。
しかし、どこにも存在しないようなずば抜けた優秀さではない。
しっかりと目的を持ち、信頼され任され、ゴールに向かって努力した結果、成長したまでのこと。
だと思う。
最初からずば抜けて優秀だったのなら、すみません(笑)。

そうさせるために何が一番重要かといえば、トップの意識。
タイトルにも”中小企業のため”と明記してあるように、
あくまでも中小企業がカネもヒトも限界ある中で展開する方法が書かれている。
そして、最終的には人材採用にも生きてくる。
やり方次第では本当に競合になってしまうが(笑)、企業にとっては有効的な話。

名大社的には大学との関係性の中で実施する2週間インターンシップと
現在新たなサービスとして行っている「THE CREATIVE CHALLENGE」しかないが、
この手法もいい方法だと随分と参考になった。
自社でも取り組んでみてもいいかもしれない。
と、浅はかな頭でストーリーを描いてしまった。
考えてみてもいいな・・・。

「長期インターン」がプロジェクトでうまくいく秘訣はこれらしい。
①トップが明確なビジョンを持つ。
②プロジェクトリーダーを決める。
③「多様性」×「やる気」のある人材。
④過去の成功体験をリセットする
⑤プロジェクトに関わるのは学生だけ。

簡単そうだが、ここまで思い切った判断を下すのは相当難しい。
判断くらいはサクッと下せるので一度検討してもいいのかな。

それにしても本書の存在でGnetさんはいいPRになっただろう。
その点だけでもかなり羨ましい(笑)。