このところ書評ブログを全く書いていない。
別に本を読んでいないわけではない。
ピーク時に比べれば(それも大したことはないが)減っているのは事実だが。
それでも本を読まなければバカになると思い、継続的に読んでいる。
ブログは「人生の経営戦略」以来なので4か月ぶりということか。
ちょっと少なすぎるね。
最近はビジネス書の機会が随分と減った。
今回、選んだのも倉本聰の自伝。
興味の範囲が変わってきたのか。
本書は会社を辞めて独立してから最近までを描く。
僕は正直なところ著者のドラマをほとんど観ていない。
同世代なら必ず通ったであろう「北の国から」もほぼ観ていない。
映画にしても同様で昨年観た「海の沈黙」が珍しいくらい。
特に理由はない。
独特の風貌が入ってこなかったのかな(笑)。
その分、本書は新鮮で著者の生き様が面白おかしく感じ取ることができた。
独特の風貌という表現は正しくないが、そこから人格も汲み取ることができる。
それが拘りや執念であり、TV局との確執だったりするのだろう。
本書から人となりは理解できるが、表面的には簡単ではなく敵を作ることも多い。
NHK大河ドラマの脚本を途中で降りたことも、
局とのすったもんだも、北海道に移り住んだ理由も初めて知った。
ここまで大胆な行動はある人にとっては忌み嫌うが、ある人にとっては魅力的に映る。
それが高倉健はじめ大物俳優らを惹きつけたのかもしれない。
映画でもドラマでも脚本は生命線。
その出来次第で作品の評価が決まるといっても過言ではない。
それを選ぶプロデューサーの力量や監督の能力もあるが、名前だけでは通らない。
若い時期の「速く!安く!うまく!」の経験が後のクオリティが高い作品を生み出した。
優秀な営業と一緒だね。
まずは量で勝負しないと。
誰に言ってる?(笑)。
とりとめなく書いているが、著者が嘆いているのはテレビ局の現状。
確かにネットやスマホにシェアを奪われているが、
民放四局の混乱と堕落には目をそむけたくなるという。
見方によっては過去の栄光に捉われているといえるが、
それが長年業界に関わった方の辛辣な想い。
言い分はあるだろうけどね。
今年で著者は卒寿。
今も現役の脚本家。
著者がご健在なうちに「北の国から」くらいは見ておく必要はあるかもしれない。